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不動産業者vs国税局 中古マンション消費税どうする?(朝日より) 

不動産業者vs国税局 中古マンション消費税どうする?(記事前半のみ)

入居者がいるマンションを売買したときの消費税に関して、裁判になっているという記事。購入時の仕入税額控除が全額認められるのかが論点となっているそうです。

「争点となっているのは、入居者がいる中古賃貸マンションの建物や部屋を購入し、その後に転売する取引の税務申告。消費税は、仕入れ時に支払った税額を売上時に受け取った税額から控除して納める(仕入れ税額控除)。たとえば不動産会社が建物を2億1600万円(消費税額1600万円)で購入し、3億2400万円(同2400万円)で転売したとすると、納税額は800万円となる。

「ムゲンエステート」(東京)と「エー・ディー・ワークス」(同)はこの考え方で税務申告したが、東京国税局は、両社が購入から転売までの間に入居者から家賃を得ていたことを問題視。家賃には消費税がかからないため、「課税対象の仕入れ(建物の購入費)から、非課税の売り上げ(家賃収入)が生じている」として、控除を一部しか認めず、両社は申告漏れを指摘された。エー社によると、控除は3割程度しか認められなかったという。」

裁判を起こしている2社のうちのムゲンエステートの最近のプレスリリース。これまでの経緯についてもふれています。

消費税の課税売上割合に準ずる割合の承認に伴う仕入控除税額の計算方法の一部変更について(ムゲンエステート)(PDFファイル)

「1.本件更正処分等の経緯

当社は、課税期間の課税標準額(消費税法 28 条)に対する消費税額から控除する仕入控除税額の計算に当たり個別対応方式(同法 30 条2項)を採用していますが、同方式では、消費税の課税対象である「課税資産の譲渡等」(同法 2 条1項9号)のためにのみ必要な課税仕入れ(以下「課税売上対応課税仕入れ」といいます。)に係る消費税額についてはその全額を控除できるのに対し、「課税資産の譲渡等」と「課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等」に共通して要する課税仕入れ(以下「共通課税仕入れ」といいます。)に係る消費税額についてはその一部(その事業者の課税売上割合を乗じて計算した額)しか控除できません。なお、課税売上割合とは、大まかにいうと、事業者の課税期間の総売上高に占める課税売上高の割合をいいます(同法 30 条6項)。

当社では、従前、販売用建物の仕入れは、全て同建物の販売(課税資産の譲渡等)のためにのみ必要な課税売上対応課税仕入れであるとして、その仕入れに係る消費税額を全額控除していましたが、東京国税局(以下「当局」といいます。)は、販売用建物のうち、消費税非課税の住宅の賃貸による収入が発生する販売用建物の仕入れ(以下「本件課税仕入れ」といいます。)は同建物の販売(課税資産の譲渡等)のみならず、住宅の賃貸(課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等)のためにも必要な共通課税仕入れであると認定し、その仕入れに係る消費税額についてはその一部(当社の課税売上割合を乗じて計算した額)しか控除できず、控除できない消費税額及びこれに係る地方消費税額を追加納付すべきであるとして本件更正処分等を行いました。 」

先日の日経でも取り上げていました。

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