アマゾン・コムが、平成29年と30年12月期の2年間で計300億円弱の法人税を納付していたという記事。「日本国内の販売額を日本法人の売上高に計上する方針に転換」したとのことです。
「複数の関係者が明らかにした。日本法人のアマゾンジャパン(東京)は以前、米国の親会社から業務委託報酬を受ける形で事業を運営し、収益を低く抑えていた。しかし外国法人が契約主体では医薬品や医療機器販売に参入できず、他にも日本で事業を展開する上で制約が多くなっていた。」
会社の方針次第で、税金を払うのも払わないのも決められること自体、おかしい話です。
アマゾン「インフラただ乗り」のDNA 租税回避のため、先住民居留地での創業も模索(税理士ドットコム)
「『amazon帝国』で注目すべき事例として取り上げられているのが、官報に掲載されたアマゾンジャパン株式会社とアマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社の2014年12月期の決算公告だ。
アマゾンジャパン株式会社の売上高が316億円強であるのに対して、法人税が4億5000万円強。アマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社の売上高が582億円に対して、法人税が6億円強。合計すると、売上高899億円強に対して、法人税が10億8000万円となる。
一方、米アマゾンの年次報告書によると、2014年の日本での売上高は79億1200万ドル(平均1ドル105円で計算すると、8300億円)で、決算公告の売上高899億円強と比べると、10倍近くの差がある。」
「横田氏は次のように語る。
「そもそもアマゾンジャパンは1998年の設立以来、企業の義務とされる決算公告を2014年12月期の1度しかしていません。2016年には、義務のない『合同会社』になってしまった。とにかく秘密主義。決算数字を公表したくないんでしょう」」
会社法上、株式会社ならどんな零細企業でも決算公告の義務があり、合同会社ならどんな巨大企業でもまったく開示義務を負わないというのは、どう考えてもおかしなルールです。
(ちなみに、大手監査法人系のコンサル会社も合同会社形態をとっているケースが多いようです。)