カルロス・ゴーン元会長が会社法違反(特別背任罪)により起訴されたという日産自動車のプレスリリース。起訴に先立ち、同社から東京地方検察庁に刑事告訴したとのことです。
「本日、元代表取締役会長カルロス・ゴーンが会社法違反(特別背任罪)により起訴されました。これに先立ち、当社は、カルロス・ゴーン元会長について、同法違反で東京地方検察庁に刑事告訴いたしました。
今般の刑事告訴は、多額の会社資金の不正な支出などを対象とするものですが、かかる行為は会社として到底容認できるものではなく、厳重な処罰を求めるものです。当社といたしましては、同様の不正な支出の有無等について、引き続き調査を行うこととしております。」
実は、現在同社のウェブサイトに掲載されているものはプレスリリースの訂正版であり、訂正前のものには、訂正版ではふれられていない情報が掲載されていました。
最初のリリースから、わずか40分後に訂正しています。

訂正前バージョンより。

この訂正は、ゴーン氏が締結していたデリバティブ契約が、クーポンスワップ契約であることを隠そうとしたのではないかという説もあるようです。
日経もプレスリリースの訂正を報じていますが、デリバティブ取引の種類についての情報が削除されたことにはふれていません。
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日産自、ゴーン元会長起訴コメント訂正 「ガバナンス不全」削除(日経)
「「有価証券報告書に虚偽の内容を記載したことは証券市場における開示情報の信用性を大きく損なう」「事案の背景に存在するガバナンスの不全を重大な問題ととらえている」などの記載を削除した。
一方で「多額の会社資金の不正な支出などを対象とする行為は到底容認できるものではなく、厳重な処罰を求める」という一文を追加した。」
クーポン・スワップ(投資用語集)
「クーポン・スワップは、外貨建て債務等の支払いと組み合わせることで、約定時に定めた為替レートでの支払金額を確定でき、為替変動リスクを回避することができ、先物為替予約と比べて長期間の契約とすることもできるメリットがある反面、一定相場で固定するため、将来発生する為替差益を得ることができないことや中途解約はできないといったデメリットもある。」
フラット為替(クーポンスワップ、通貨スワップ、長期為替予約)は悪い商品ではない(契約例も紹介)(ファイナンシャルスター)