GMOインターネットが仮想通貨のマイニング事業で巨額損失を出したことを取り上げたコラム記事。助成金詐欺の会社と関係があるのではないかといっています。
「損失の内訳は、自社マイニング事業の減損損失として115億円、マイニングマシンの開発・製造・販売事業の債権譲渡損として240億円で、これに伴って自社マイニング事業の縮小と、マイニングマシンの開発・製造・販売事業からの撤退を決めている。
釈然としないのは、わずか1年ほどの間にこれだけの損失を計上しながら、その経緯や中身の説明に具体性がないことだ。GMOの損失計上には、スーパーコンピュータの助成金詐欺で話題になったペジーコンピューティング社と関わりがあるのではないかとの指摘があるからなおさらだ。
GMOがペジーとの関係を疑われるのは、ペジーがマイニング事業への参入に言及していた時期とGMOが仮想通貨のマイニング事業に参入した時期と重なるうえ、GMOが参入を発表した頃には「マイニングマシンの製造に必要な7nmチップを供給できるのはペジーと富士通だけ」と言われていたためだ。その富士通は半導体事業に外部の資本を取り入れるなどして設計や開発を切り出しており、7nmチップを外部に供給できるかどうか、歯切れが悪い。残るのはペジーだけになる。」
「損失を計上するまでの期間が極端に短いのも不可解だ。GMOが仮想通貨のマイニング事業に参入すると発表したのは、昨年9月。欧州法人を通じて実際に参入したのは、ちょうど一年前だった。参入を発表した当初、GMOでは「連結固定資産の10%(約35億円)」としていた支出がおよそ10倍に膨れ上がり、そのほとんどをわずか一年で減損処理したのだから、その過程にどのような事情や経営判断があったのか、責任の所在はどこなのか、株主は知りたいと思うだろう。
ペジーは国立研究開発法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や科学技術振興機構(JST)から約87億円の助成金を騙し取り、ペジーはその一部を返還している。市場が懸念するように、GMOが抱えていた債権がペジーに対するものなら、「GMOからペジーに流れた前渡金などは助成金の返還に充てられた可能性が出てくる」(市場関係者)というわけだ。」
大きな損失を計上したのだから、それで始末が済んだとはいえないようです。会計士協会も、「損失処理することと重要な虚偽表示リスクが解消することとは別の問題である」と監査提言集でいっています。
同社の2018年12月期決算は、監査人が厳しく損失の中身を検証してくれることでしょう。
当サイトの関連記事(ペジー社の助成金詐欺事件の記事について)
その2(GMOの巨額損失について)
(当サイトはGMOの(非常にマイナーな)ブログ・サービスを使っているので、同社にはがんばってほしいのですが...)
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