会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「検察なめんな」発言の特捜検事、刑事裁判へ 元社長無罪の事件(朝日より)

「検察なめんな」発言の特捜検事、刑事裁判へ 元社長無罪の事件

学校法人「明浄学院」の巨額横領事件で無罪となった「プレサンスコーポレーション」元社長(→当サイトの関連記事)が、捜査に関わった検事を刑事裁判にかけるよう求めた付審判請求で、審判に付す決定が高裁で出たという記事。

地裁は請求を棄却していましたが...

「「プレサンスコーポレーション」元社長の山岸忍さん(61)は学校法人から土地売却に絡み21億円が横領された事件の共犯とされ、一審で無罪が確定。元部下(59)を取り調べ、起訴の根拠となった「山岸さんも共犯」という供述をとった田渕検事を審判に付すよう求めた。

昨年3月の大阪地裁決定は、山岸さんの関与を否定する元部下を田渕検事が「検察なめんな」などと一方的に怒鳴り、机をたたいて責め立てたと指摘。録画下でこうした取り調べが行われたのは「由々しき事態」で罪が成立しうると認めつつ、継続的でないとして付審判の判断はしなかった。」

付審判請求とは...

「付審判請求は、公務員の職権乱用を同じ公務員の検察官が不起訴とした場合に、告訴・告発人が公判を開くよう裁判所に直接求める制度。付審判の決定に不服申し立てはできず、裁判所に選ばれた弁護士が検察官役となって有罪を立証する。

最高裁によると、現行の刑事訴訟法が施行された1949年から2022年に出された付審判決定はわずか22件で、9件で有罪、13件で無罪・免訴が確定した。これまで罪に問われたのは警察官や裁判官、刑務官らで、検察官の例はない。」

大阪高裁の刑事裁判決定、検事が50分間責め立て「人格攻撃というほかない」…プレサンス事件(読売)

「村越裁判長は決定で、田渕検事が(2019年12月)8日の取り調べで元部長を約50分間にわたり責め立てたとし、「人格攻撃で、検察官に迎合する虚偽供述を誘発しかねない」と指摘。9日の発言も「恐怖心をあおる脅迫的な内容」とし、2日間の取り調べは陵虐行為にあたり審判に付すべきだと結論づけた。その上で「取り調べが録音・録画されていたにもかかわらず、検察が問題視して適切に対応した形跡がみられないことが問題の根深さを物語っている」と述べた。」

この事件自体は、会社(プレサンス)の用地取得のために、経営者が個人として、会社のガバナンスや内部統制の対象外で、土地所有者(学校法人)の関係者に巨額の資金を貸し付けていたというものですから、上場会社として適切だったのかは疑問ですが、だからといって、横領事件の黒幕だみたいなストーリーは、無理があったのでしょう。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事