セブン&アイが北米責任者に「年77億円」払う理由 業績連動で膨張、報酬額は井阪社長の22倍に
セブン&アイ・ホールディングスのジョセフ・マイケル・デピント取締役の2023年度役員報酬が77億円に達していたという記事。
北米子会社の取締役としての報酬がほとんどだったそうです。
「77億円の内訳をみると、セブン&アイの取締役としての報酬はわずか2200万円。残りのすべては、同氏がCEO(最高経営責任者)を務めるセブン&アイの北米コンビニ子会社、セブンーイレブン・インク(SEI)取締役としての報酬となっている。
SEIからの報酬はなぜここまで膨らんだのか。SEIの報酬体系が、業績連動型となっていることが一つの要因だ。
セブン&アイの井阪隆一社長CEOの報酬は、7割が業績連動型報酬となっている。一方でSEIでは9割以上が業績連動型報酬だ。SEIでは短期(直近1年)、長期(直近3年)での業績・企業価値向上度合いによってインセンティブを設けており、今回の査定対象期間は短期が2022年、長期が2020年~2022年だった。また円安も報酬額を引き上げる要因となった。」
実績がある人のようですが...
「デピント氏はアメリカの競合コンビニチェーン首脳を経て、セブン&アイ・ホールディングス発足前の2002年にSEIに入社した。翌年にはバイスプレジデント(副社長)に就任しており、以来20年以上、SEIの陣頭指揮を執ってきた。
SEIはセブン&アイ完全子会社となった2005年には店舗数6000弱、営業利益300億円台と、グループの1事業に過ぎなかったが、2023年度には店舗数1万3122、営業利益4139億円とグループ最大の中核事業となった。その最大の功労者がデピント氏であることは間違いない。」
特に、スピードウェイという会社の買収(2021年)により、規模拡大を達成したことが大きいそうです。
それにしても、社長の報酬が3.4億円であるのと比べると、アンバランスです。
「5月28日に開催された定時株主総会でも、セブン&アイの取締役の報酬総額が10億円の枠に収まっているため、報酬が議題になることはなかった。株主からの質問も、国内コンビニ事業に集中し、海外事業やそれを担う事業会社のマネジメントに対する質問はゼロだった。
取締役メンバーの実質的な報酬がここまで多額であることを、どこまでの株主が認識していたか。今回のデピント氏の破格の役員報酬は、株主のガバナンスを海外子会社まで及ぼすことの難しさを表しているともいえそうだ。」
同社の2024年2月期有報で7-Eleven, Inc.の役員報酬の決め方を見てみました。
スピードウェイの取得で計画を上回る業績を達成した結果が反映されているといっています。
セブン&アイ取締役デピント氏、歴代2位の役員報酬77億円…北米コンビニ事業の好調で(読売)
「デピント氏は02年に入社し、米セブンCEOとして米国事業の成長をけん引してきた。東京商工リサーチによると、開示が義務づけられた10年3月期以降で、ソフトバンクグループ副社長を務めたニケシュ・アローラ氏の103億円に次いで2番目に高い役員報酬額だという。」