会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

資金の回収効率CCC 車部品27社、悪化9割 6月末、都市封鎖で納入進まず(日経より)

資金の回収効率CCC 車部品27社、悪化9割 6月末、都市封鎖で納入進まず(記事冒頭のみ)

自動車部品大手が在庫増でキャッシュ・コンバージョン・サイクル(記事では「仕入れ代金を払ってから製品を売って現金を回収するまでの期間」と定義)が悪化しているという記事。

「半導体不足など部品の供給制約を受けて各社が在庫を積み増す中、中国のロックダウン(都市封鎖)の影響もあって車メーカーへの納入が進まず、2022年6月末のキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)は27社中、3月末から9割の企業で悪化した。原材料や物流費などコスト転嫁が遅れて通期純利益の下方修正は2割に上るなど、厳しい状況が続いている。」

2022年3月期の売上高が2000億円以上の上場会社27社を調べたそうです。

3月末時点では70日だったのに対し、6月末では80日になったそうです。

キャッシュ・コンバージョン・サイクルが悪化したから業績が悪くなったというよりは、生産・出荷が計画どおり進まず売上が伸びない、在庫も増える(生産しても売上先が受け入れてくれない、不足していない部品の仕入れを止めるわけにはいかないし、工場の操業もストップできない、むしろ自動車メーカーでの生産回復を見込んで作りだめしておくなど)(→キャッシュ・コンバージョン・サイクル悪化)ということでしょう。もちろん、キャッシュ・コンバージョン・サイクルが悪化すれば、資金繰りに影響するほか、金利負担も増え、在庫増が原因であれば、在庫の保管費用も増えるので、利益にもマイナスですが、それが利益減の主要要因とはいえないのでは。また、コストの転嫁は、別の問題でしょう。

CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)(グロービス)

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