会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

四半期レビュー基準の期中レビュー基準への改訂案の公表(金融庁)

「四半期レビュー基準の期中レビュー基準への改訂及び監査に関する品質管理基準の改訂について(公開草案)」の公表について

金融庁は、「四半期レビュー基準の期中レビュー基準への改訂及び監査に関する品質管理基準の改訂について(公開草案)」を、2023年12月21日に公表しました。

「当審議会(企業会計審議会)においては、四半期レビュー基準について、改正後の金融商品取引法における中間財務諸表に対するレビューに加えて、一本化後の四半期決算短信におけるレビューも含め、年度の財務諸表の監査を実施する監査人が行う期中レビューの全てに共通するものとする方向で改訂の検討を進めることとし、このたび、監査部会において、「四半期レビュー基準の期中レビュー基準への改訂及び監査に関する品質管理基準の改訂について(公開草案)」をとりまとめたので、これを公表し、広く各界の意見を求めることとした。」(前文「一 経 緯」より) 

基準の中身はほとんど変わっていませんが、四半期決算短信におけるレビューを想定してか、準拠性に関する結論の表明や特別目的の期中財務諸表に対する結論の表明に関する規定が追加されています(第一 2、第二 2、第三 1、第三 14)。

「今回の改訂においては、四半期レビュー基準を期中レビュー基準に名称変更するとともに、現行の四半期レビュー基準で規定している適正性に関する結論の表明の形式に加えて、準拠性に関する結論の表明の形式を期中レビュー基準に導入し、併せて、レビュー実務における混乱や期中財務諸表利用者の誤解等を避けるため、特別目的の期中財務諸表に対する結論の表明の位置付けを明確にすることとした。」(同上)

そのほか、前文において、不正リスク対応基準との関係について、ふれていますが、現行実務と変わるものではないと思われます。

「三 不正リスク対応基準との関係

期中レビューについては、年度監査と同様の合理的保証を得ることを目的としているものではないことから、不正リスク対応基準は期中レビューには適用されない

なお、期中レビューの過程において、期中財務諸表に不正リスク対応基準に規定している不正による重要な虚偽の表示を示唆する状況を識別した場合等には、監査人は、必要に応じて、期中レビュー基準に従って、追加的手続を実施することになる。」

監査に関する品質管理基準の改訂は、「第十六 中間監査、期中レビュー及び内部統制監査への準用」において、「四半期レビュー」ということばを「期中レビュー」に変更し、「本基準は、中間監査、期中レビュー及び内部統制監査について準用する。」とするものです。

適用は、2024年(令和6年)4月1日以後開始する会計期間に係る期中財務諸表の期中レビューからですが、改正法附則による経過措置に従います。

また、「改正後の金融商品取引法第 24 条の5第1項の表の第2号の中欄に掲げる事項を記載した半期報告書又は同表の第3号の中欄に掲げる事項を記載した半期報告書に含まれる中間財務諸表については、引き続き、中間監査基準に準拠した対応を行う必要がある」(前文「四 実施時期等」3)とのことで、従来からある中間監査は残ったままとなります。

2023年12月14日開催の企業会計審議会監査部会の事務局資料に、もう少し詳しい説明や適用時期の具体例が記載されています。

(金融庁会議資料より)

これによると、四半期見直しの法改正の影響を受けるのは、2024年9月期からですが、2024年9月期~11月期は、第3四半期の四半期報告書がなくなるだけであり、今回の期中レビューが適用されるのは、2024年12月期の半期からとなります。

四半期決算短信におけるレビュー(原則任意)への適用時期は、ふれていないようです。

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