富士フイルムホールディングスが、米ゼロックスに対して損害賠償を求めて提訴したという記事。
「両社が合意した富士フイルムによるゼロックスの買収計画を一方的に破棄するのは契約違反だと主張し、10億ドル(約1100億円)超の支払いを求める。米国時間18日に米ニューヨーク州連邦裁判所に訴えを起こした。
ゼロックスは5月、富士フイルムによる買収に反対していた大株主で投資家のカール・アイカーン氏らと和解し、富士フイルムとの合意を破棄した。富士フイルムはなお買収を進める考えで、訴状でゼロックスの決定を「言語道断」と主張。裁判を通じて契約履行を迫る。」
ゼロックス側の言い分は...
「一方、ゼロックスは富士フイルムによる提訴を受けた声明で、合意破棄は富士ゼロックスの不正会計や富士フイルムの管理上の誤りが理由だと主張。「取締役会は契約上の正当な権利を行使したという絶対の自信がある」と反論した。」
不正会計が反論材料のひとつになっているようです。富士による買収の対価として、富士ゼロックスへのゼロックスの持分を増やすという買収スキームですから、富士ゼロックスの不正会計を問題にするのは、理屈がないわけではないのでしょう。
買収に合意したゼロックスの役員はすでに大半がいなくなっており、買収計画をそのまま進めるのは難しそうにも思われますが...
「今年1月の買収合意に賛同したゼロックスの取締役の大半は既に退任している。ゼロックスが7月末に開く株主総会では、大株主が推薦した取締役の選任などが議題になる見通し。」
ゼロックスコーポレーションに対する訴訟提起に関するお知らせ(富士フイルムホールディングス)(PDFファイル)
富士フイルム、米ゼロックスを損賠提訴 見えぬ解決の糸口、計画白紙も(SankeiBiz)
「富士フイルムHDは、損害賠償という形でゼロックスに「あいくち」を突き付けたが、それでもゼロックスの態度は一向に変わらない。というのも、買収計画を推進してきたゼロックスの最高経営責任者(CEO)が5月に退任、買収反対派のゼロックス大株主の米著名投資家、カール・アイカーン氏らが送り込んだ新経営陣が運営を担うからだ。」
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