会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

スルガ銀に立ち入り検査 金融庁、シェアハウス投資で(朝日より)

スルガ銀に立ち入り検査 金融庁、シェアハウス投資で(記事前半のみ)

シェアハウス投資で多くのオーナーに融資をしていたスルガ銀行に、金融庁が立ち入り検査に入ったという記事。

「スルガ銀行はシェアハウス建設資金の多くを融資してきた。融資の可否を審査するための書類は貯蓄や所得が水増しされ、融資条件に合うように見せかける改ざんが繰り返されていた。

金融庁は3月、スルガ銀行に対し銀行法に基づく報告徴求命令を出して詳しい説明を求めてきたが、誰が改ざんを主導したかは不明のままだ。立ち入り検査で、不正を見抜けなかったガバナンス(企業統治)の甘さや幹部を含む組織的関与が明らかになれば、業務改善命令や業務停止命令などの厳しい行政処分を検討する。」

金融庁、スルガ銀に緊急検査 シェアハウス融資で役員に不正行為の疑い (日経)(記事冒頭のみ)

「かぼちゃの馬車は9日に東京地裁に民事再生法の適用を申請し、経営破綻したスマートデイズ(東京・中央)が運営するシェアハウスだ。所有者の建物を借り上げ、女子学生らに転貸する「サブリース」と呼ばれる事業を展開。長期の賃料保証をうたい、会社員らの投資を勧誘した。空室を埋められず、1月に賃料の支払いを止めた。

スルガ銀行は1棟で1億円前後する土地・建物の資金を約700人の投資家に融資。融資額は1千億円規模に上るとされる。」

日経は、「同行の役員が不正に関与していた例もある」と金融庁がみていると書いています。

1千億円の融資に対する引当金をどうするかという問題が出てきますが、監査人には契約どおり取り立てるという説明をし、対外的には法的手段はとらないと説明するというような二枚舌は通用しないでしょう。

また、銀行の本業である融資業務の手続きで、役員が絡んだような不正があれば、内部統制報告や内部統制監査上も、不備があったとせざるをえません。

監査人はきちんと対応しないと、地銀の監査はなれあいだということになってしまうでしょう。

<スルガ銀立ち入り>ずさん融資、被害拡大(Yahoo)(毎日新聞配信)

「スルガ銀は、1980年代に法人向け融資中心の従来型業務から、「リテール(小口)バンキング」に切り替え、個人向け融資に事実上特化するなど独自のビジネスモデルを展開してきた。

 不動産向けのローンでは、建物の耐久年数を大幅に超える長期融資など、投資用物件への融資メニューも積極的に展開。早い審査も好評で、大手行では最短でも2週間かかる審査を5営業日で終わらせるほどだった。

 金融庁幹部は「融資の回答が早いうえ、期間は長くて金利は高い。地方銀行の中で注目株だった」と語る。地銀の再編を進めたい森信親長官も、講演でスルガ銀の名前を挙げながら「大きくなることが唯一の解決策ではない」と、高収益のビジネスモデルを評価していた。」
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