東京商工リサーチによると、2019年9月の「チャイナリスク」関連倒産は2件だけでしたが、大きな倒産が1件あったため、負債総額は200億4,100万円(前年同月1億1,200万円)にもなったそうです。
「9月12日に負債約200億円を抱えて、上海国際(株)(東京都)が東京地裁に民事再生法の適用を申請、負債を押し上げた。中国国内の取引で詐欺的行為に巻き込まれ、多額の売掛金を回収できず、資金繰りに行き詰まった。」
「上海国際は中国の政府系企業が株主に名を連ね、大手商社の審査担当者は「民事再生の真意はどこにあるのか」、「今後も政府系企業の破綻の可能性はあるのか」など、事態の推移に警戒を強めている。」
上海国際株式会社
上海市人民政府の外部機関として三国間貿易を手掛ける
再生手続き開始決定受ける
負債200億円(帝国データバンク)
「当社は、1993年(平成5年)6月に設立。中国・上海市人民政府の外部機関である上海海外公司の日本の駐在機関として、三国間貿易を中心に輸出入貿易を手掛けていた。主に化学繊維原料、プラスチック原料などの石油化学製品を取り扱い、2018年12月期には年売上高約1798億円を計上していた。
しかし、売掛金の回収難によって仕入先への返済が滞り、今回の措置となった。今後は、スポンサー企業を募り、再生を図る方針。
負債は、債権者約80名に対し約200億円。」
会社のウェブサイトより。
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会社概要(上海国際)
「上海国際株式会社(以下『上海国際』と略)は上海市人民政府の政策決定と上海実業(集団)有限公司の出資により、1993年8月に東京で登記設立しました。2002年12月には上海市人民政府と中華人民共和国商務部の批准を受け、上海実業(集団)有限公司・上海工業投資(集団)有限公司・上海儀電(集団)有限公司・上海化学工業区発展有限公司の増資により、大口国際貿易・実業投資・株式投資・不動産投資およびリース・プロジェクト入札等多種の経営モデルを一体化した総合商社となりました。」
資本金は4億9千万円です。会計監査人監査は免れていたのでしょう。
東京商工リサーチと帝国データバンクの両方の記事を読んでも、倒産の理由があいまいです。ちょっと不気味です。
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