風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

内輪揉めは歴史 160号

2007年09月15日 09時27分25秒 | 随想
平安時代後期の源平合戦は天皇家の末裔の桓武平氏が壇の浦の戦いで清和源氏に敗れて滅亡した内輪揉めである。

桓武平氏の平清盛とその一族(平家)は権力を掌握して、栄耀栄華を極め格差社会の退廃的な世間になる。世直しの平家打倒の挙兵を後白河法皇の皇子以仁王と源頼政がすると、伊豆では源頼朝が、木曾では源義仲が出兵する。最初に都に到着し、平家を追い出したのは義仲で、力を持ち始めた義仲に法皇や貴族たちは危機感を持つようになり、今度は頼朝の命を受けてやってきた源範頼、義経軍に義仲が敗れる。

義経は、摂津国一ノ谷において鵯越の断崖を駆け降り背後から襲い平家軍を撃破。都落ちの平家軍と讃岐屋島の合戦、長門壇の浦で戦い、源氏が勝利する。平家一門はその多くが戦死または入水自死し、源平合戦は幕を閉じるのである。

有能な義経は、猜疑心の強い頼朝に追われ平泉で敗北して、逃避行の末、モンゴルに渡りジンギスカンに変身したとする説がロマンチックである。悲劇的結末は好きでない。「いい国作ろう」1192年に源頼朝の鎌倉幕府が誕生する。

敗北した平家一族はは安住の地をも求めて、人里離れた山奥へ落ち延びていった。その平家の落人集落は、いずれも秘境で温泉が湧いている。平家一族は生き抜くど根性がある。
かつては秘境中の秘境と言われた奥会津の檜枝岐温泉は、尾瀬探勝の基地であり、栃木県の湯西川温泉や栗山村の川俣温泉は「平家落人」が観光資源である。
長野県栄村の秋山郷の屋敷温泉は一軒宿であり、世界遺産の合掌集落で有名な富山県五箇山村の平村や上平村、隣村の岐阜県白川郷も落人伝説を伝えており、それぞれ五箇山温泉、平瀬温泉がある。五箇山の哀調を帯びた民謡、麦屋節は落人の心情を歌ったものだという。断崖絶壁である徳島県祖谷渓谷のかずら橋の手前約6キロの断崖上に祖谷温泉がある。

「美しい国・日本」に変えようとした安倍一族は裸の王様となり政変に揺れる日本である。保守政党の改革派と保守派の戦いであるが、内輪揉めである。内輪揉めの権力闘争は、人間の本能であり、絶えず繰り返すのが歴史で、自然なのである。
敗北した安倍一族は地方に落ち延び、地方を活性化することを実践すれば、「美しい国・日本」を再生したことになり、何時の日か国民の人気を獲得し、権力者に復活できる。

「人生あざなえる縄の如し」であり、「待てば海路の日和あり」であり、「人間万事塞翁が馬」である。

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