

仙台弁で「いずい」という方言がありますがご存知ですか?微妙な違和感を表していて言葉として好きな方言です。「豆の上に眠る」も何らかのちょっとした違和感、厚い座布団の下に小さな豆があり、その座布団に座った時の豆かどうかは分からないが下に何かあると感じた時の「あれっ!」という違和感を表した題名の湊かなえさんの本です。最後の謎解きが意表を突いていて「ずっと一緒に住んでいた、姉だと思っていた人が赤ちゃん取り違えの別の親の子供で、その姉が神隠しに会い、記憶喪失の状態で2年後に戻ってきたが、座布団の下に豆があるようにいずい、何か違う、お姉ちゃんでなく別の人のような気がする。でも父も母もお姉ちゃんとして扱っている。なんか変だ。」そんな妹を主人公とした「かなえワールド」です。いくらなんでも何年も一緒に暮らした姉が2年経って記憶喪失だとしても別人かどうかは直ぐに分かりそうなもので、最後のどんでん返しとしては面白いですが、設定に難がありすんなりと驚きの終わり方でのミステリーには程遠いものでした。せっかく最後まで読んだのに、時間泥棒されたような感じ。