米澤穂信の短編集「満願」を読み終えました
人間の意外な裏側のドロドロした世界を巧みに表現している

警察官が自分の失敗を隠そうとして拳銃を利用した殺人を起こし、ちょっとした手違いで自分が死んでしまったり

いろいろ親切に話をしてくれるお婆さんが実は凶器のお地蔵さんに興味を持った人たちを殺した犯人でその話を聞いたが故に主人公が殺されてしまったり

学生時代の下宿のうら若きおかみさんと一緒に買ったダルマが、後のそのおかみさんが犯人の計画的殺人の証拠かなと気がついてしまうなど

事件など起こしそうもない一見ひ弱な人たちが次々に殺人事件を起こしてしまう

最後にひょっとしてあの時のあのことが・・・と思わせる書き方は絶妙なテクニックだと感心しました

穂信さんの小説はまた読んでみようと思います