昭和四十八年「日本沈没」というテレビドラマが話題になった。海底火山活動と大地震で日本の沖積平野の大都市が、毎週の放映日毎に一つづつ海面に沈むという深刻な話だった。当時はそれはあり得ないことと思っていたから楽しめた。
しかし、これを夢物語と一笑に伏すことはできない事態が今ある。地球温暖化である。これによって平均海面高が高くなれば都市面積は減ることによって水害被害は大きくなり、不動産の高騰といった . . . 本文を読む
今年は八・九月と二つの大きな台風に見舞われた。今回の台風の爪後で、私たちが身近で目にするのは道路の端が欠けるなどの被災であるが、一旦、中山間部や谷あいに入ると大量の土砂流出、橋梁流出、河川氾濫などの凄まじさに驚く。交通止めの道路も多い。関係者は、これら復旧に力を尽くしている最中であると思う。
わが国は急峻な地形、脆弱な地質、地震の多発、山間部には多くの急渓流を抱え込み、その人口は平野部(都市部 . . . 本文を読む
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という諺(ことわざ)がある。六年前に阪神大震災を経験したわが国だが、これを身近には感じていない。
昨今、トルコ地震や台湾地震など、被災規模の大きな地震が伝えられている。わが国当局者も東海・京浜地域を最優先に対応していると思うが、その要諦(ようてい)は住民の行動にかかっていると思う。
「天災は忘れた頃にやってくる」という言葉もある。忘れたころだけに、心の準備不足によっ . . . 本文を読む
1.水難事故の事例二例
平成11年8月14日に丹沢山系の丹沢湖に流入する玄倉川(くろくらがわ、神奈川県)で18人のキャンプ客が増水し水深1.6mにも及ぶ濁流で流され、13人が犠牲になった水難事故があった。原因の降雨は台風ではなく、温帯性の低気圧だった。
そして翌平成12年8月6日には谷川山系・湯檜曽川(ゆびそがわ、群馬県)では夏休みのスポーツ合宿の生徒を引率してきた指導者1名が増水した渓流の . . . 本文を読む
阪神淡路大震災から、早くも五年以上経ち、わが国は今、伊豆諸島中心の頻発地震に悩まされている。
"群馬県は地震に対し大丈夫か?"という問いに対し、専門家の方でも大丈夫と言える方は少ないのではないか。
群馬県は地震に強いという考えがある。土砂層・粘土層と岩盤層では後者の方が被害は少ない。大正期の関東大震災の被害が大きくなったのは、その支持地層がローム層であったが大きな要因である。
しかし、西暦 . . . 本文を読む