『その名はワインの銘柄(らしいよ)』
「・・・ヘブン」
音声認識のロックか・・・。しかし、こんな単純な暗号でいいのか? ・・・脳筋な軍人共の考える事だ、こんなものか。
俺は今、軍による作戦行動中の洞窟に単身進入している。目的は、軍の一部の過激派による暴走を食い止める為だ。・・・敵は『WORKS』。軍部の高官『レオ・グラハート』の私設部隊だ。
依頼人の情報によると、WORKSはこの地下でとんでもない計画『MOTER計画』を遂行中で、これを食い止めないと大変な事に為るらしい。・・・詳しくは聞いていないのだが、面白そうな展開だ。
依頼人の手引きにより、軍の作戦に紛れて侵入したのはいいのだが・・・隕石の落下地帯の中心は隠れるところが無いみたいだ。強引に突破するしかないのだろうか?
ん? 連中・・・慌しく為って来たみたいだな。もしかして見つかったか?
・・・いや、どうやら俺以外にも動いている連中がいるみたいだな。・・・WORKSの作戦にケチをつけるとなると・・・黒い紙か総督府といった辺りだろうな。まぁ、どちらでも構わないか。この騒ぎに便乗させてもらうとしますか。
奥に進むにつれ、エネミーの妨害も激しくなってきた。・・・どうなっているのだ? ・・・どうやら連中、エネミーを手なずける事に成功したらしいな。ということは、上のエネミーの大量発生はWORKSの仕業か。レオ・グラハート、一体何を考えている?
・・・何故お前がここに居る!?
依頼人が先回りをして待ち構えていた。そんなつてがあるのならば、俺も同行させてくれ。まぁ、ここまで来れるだけの実力があるか測っていただけかも知れんがね。
依頼人の言うことには、この先にいる『少女』を助けてほしいという事だ。ついでにレオ・グラハートの企みを台無しにしてくれとの事。・・・WORKSも堕ちたものだな。お前らの存在など事のついで扱いだとよ。
ふむ、どうやら上の騒ぎも沈静化したらしいな。敵の攻撃がおとなしくなって来た。・・・今の内に奥へと進ませてもらおう。
これが『少女』なのか? ・・・俺には巨大な芋虫にしか見えない。赤いからメスなの・・・か? いや、違うだろうな。これが最後の門番か。ではこいつを退治して、囚われのお姫様を助け出すとしますかね。
・・・まさかの展開だな。『芋虫』の正体が、助けるはずの『少女』だったとは。おまけにこの娘、グランスコール号のあの娘だったとは、な。やっと合点がいったよ。パイオニア1の唯一の生き残り、体に仕込まれた発信機、そしてこのクーデター。この星は・・・いや、この移民計画そのものが『実験』だったのだろう。そして俺達は実験体なのだ。
だが、パイオニア1は全滅した。それは予定にあったとは思えないほどの人材の浪費だ。高名な博士達、優秀なハンターズ、最高の装備、そしてWORKSの主戦力も・・・。
そして事件は終わった。このクーデターの失敗により、レオ・グラハートは軍を追われ表舞台から退いた。WORKSはレオの娘が引き継いだらしいが、以前のような力はなくなり、無害な集団に成り下がっているらしい。
助けられた芋虫少女だが、どうやら元気なようだ。度々病院を抜け出しては周りの連中を困らせているらしい。・・・監視をしている連中にはいい気味だな。
人間、何は無くとも腹が減る。陰謀を企てる者もそれに巻き込まれる者も。あの娘は、そんな何でも無い事を思い出させてくれた。
あの戦いの後、その舞台で戦っていた連中が取り囲むその真ん中で、彼女が言ったその言葉がこれだ
「お腹すいちゃった」
結局、この事件は何だったんだろうな。「お腹すいちゃった」の一言で収束するようなクーデターなんて初めて聞いたよ。全ての事件がこれで落ち着くのなら平和でいい、そう思う。・・・そんな事を考えていたら俺まで腹が減ってきた。
ま、いいか。考えるのは苦手だ。うまい飯を食って、暖かいベットがあれば十分だ。明日は明日の風が吹く。人生なんてそんなもんさ。
「・・・ヘブン」
音声認識のロックか・・・。しかし、こんな単純な暗号でいいのか? ・・・脳筋な軍人共の考える事だ、こんなものか。
俺は今、軍による作戦行動中の洞窟に単身進入している。目的は、軍の一部の過激派による暴走を食い止める為だ。・・・敵は『WORKS』。軍部の高官『レオ・グラハート』の私設部隊だ。
依頼人の情報によると、WORKSはこの地下でとんでもない計画『MOTER計画』を遂行中で、これを食い止めないと大変な事に為るらしい。・・・詳しくは聞いていないのだが、面白そうな展開だ。
依頼人の手引きにより、軍の作戦に紛れて侵入したのはいいのだが・・・隕石の落下地帯の中心は隠れるところが無いみたいだ。強引に突破するしかないのだろうか?
ん? 連中・・・慌しく為って来たみたいだな。もしかして見つかったか?
・・・いや、どうやら俺以外にも動いている連中がいるみたいだな。・・・WORKSの作戦にケチをつけるとなると・・・黒い紙か総督府といった辺りだろうな。まぁ、どちらでも構わないか。この騒ぎに便乗させてもらうとしますか。
奥に進むにつれ、エネミーの妨害も激しくなってきた。・・・どうなっているのだ? ・・・どうやら連中、エネミーを手なずける事に成功したらしいな。ということは、上のエネミーの大量発生はWORKSの仕業か。レオ・グラハート、一体何を考えている?
・・・何故お前がここに居る!?
依頼人が先回りをして待ち構えていた。そんなつてがあるのならば、俺も同行させてくれ。まぁ、ここまで来れるだけの実力があるか測っていただけかも知れんがね。
依頼人の言うことには、この先にいる『少女』を助けてほしいという事だ。ついでにレオ・グラハートの企みを台無しにしてくれとの事。・・・WORKSも堕ちたものだな。お前らの存在など事のついで扱いだとよ。
ふむ、どうやら上の騒ぎも沈静化したらしいな。敵の攻撃がおとなしくなって来た。・・・今の内に奥へと進ませてもらおう。
これが『少女』なのか? ・・・俺には巨大な芋虫にしか見えない。赤いからメスなの・・・か? いや、違うだろうな。これが最後の門番か。ではこいつを退治して、囚われのお姫様を助け出すとしますかね。
・・・まさかの展開だな。『芋虫』の正体が、助けるはずの『少女』だったとは。おまけにこの娘、グランスコール号のあの娘だったとは、な。やっと合点がいったよ。パイオニア1の唯一の生き残り、体に仕込まれた発信機、そしてこのクーデター。この星は・・・いや、この移民計画そのものが『実験』だったのだろう。そして俺達は実験体なのだ。
だが、パイオニア1は全滅した。それは予定にあったとは思えないほどの人材の浪費だ。高名な博士達、優秀なハンターズ、最高の装備、そしてWORKSの主戦力も・・・。
そして事件は終わった。このクーデターの失敗により、レオ・グラハートは軍を追われ表舞台から退いた。WORKSはレオの娘が引き継いだらしいが、以前のような力はなくなり、無害な集団に成り下がっているらしい。
助けられた芋虫少女だが、どうやら元気なようだ。度々病院を抜け出しては周りの連中を困らせているらしい。・・・監視をしている連中にはいい気味だな。
人間、何は無くとも腹が減る。陰謀を企てる者もそれに巻き込まれる者も。あの娘は、そんな何でも無い事を思い出させてくれた。
あの戦いの後、その舞台で戦っていた連中が取り囲むその真ん中で、彼女が言ったその言葉がこれだ
「お腹すいちゃった」
結局、この事件は何だったんだろうな。「お腹すいちゃった」の一言で収束するようなクーデターなんて初めて聞いたよ。全ての事件がこれで落ち着くのなら平和でいい、そう思う。・・・そんな事を考えていたら俺まで腹が減ってきた。
ま、いいか。考えるのは苦手だ。うまい飯を食って、暖かいベットがあれば十分だ。明日は明日の風が吹く。人生なんてそんなもんさ。