goo blog サービス終了のお知らせ 

読んだ文庫をつらつらと…

備忘録として、6(5+1)段階評価で

西の魔女が死んだ

2008年10月31日 | ★★★★★★(10傑)
梨木香歩(新潮文庫)
第44回小学館児童出版文化賞受賞作

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

塩狩峠

2008年10月30日 | ★★★★★★(10傑)
三浦綾子(新潮文庫)

結納のため、札幌に向った鉄道職員永野信夫の乗った列車は、塩狩峠の頂上にさしかかった時、突然客車が離れて暴走し始めた。声もなく恐怖に怯える乗客。信夫は飛びつくようにハンドブレーキに手をかけた……。明治末年、北海道旭川の塩狩峠で、自らを犠牲にして大勢の乗客の命を救った一青年の、愛と信仰に貫かれた生涯を描き、生きることの意味を問う長編小説。

龍時01-02

2008年10月30日 | ★★★★★★(10傑)
野沢尚(文春文庫)

2001年、スペインU-17とのサッカー親善試合に急遽招集された無名の高校生、志野リュウジ。世界の壁を感じた彼は、単身スペインに渡ることを決意する。両親との葛藤、友情や淡い恋などとともに、選手の目線から驚くべき緻密さでゲームシーンを描いた本邦初の本格サッカー小説シリーズ第一弾、待望の文庫化。解説・金子達仁

怪魚ウモッカ格闘記 インドへの道

2008年10月30日 | ★★★★★★(10傑)
高野秀行(集英社文庫)

あの高野秀行がまた怪獣探しに挑む熱血記!
ネットで噂のインドの怪魚。これは人類史に残る発見かも!! 夢と野望に満ちた挑戦がまた始まった。幾多の難問をクリアしつつ高野は進む。勇猛果敢、獅子奮迅、爆笑の痛快探検記。(解説/荻原 浩)

燃えよ剣

2008年10月30日 | ★★★★★★(10傑)
司馬遼太郎(新潮文庫)

(上)
幕末の動乱期を新選組副長として剣に生き剣に死んだ男、土方歳三の華麗なまでに頑な生涯を描く。武州石田村の百姓の子“バラガキのトシ”は、生来の喧嘩好きと組織作りの天性によって、浪人や百姓上りの寄せ集めにすぎなかった新選組を、当時最強の人間集団へと作りあげ、己れも思い及ばなかった波紋を日本の歴史に投じてゆく。「竜馬がゆく」と並び、“幕末もの”の頂点をなす長編。
(下)
元治元年六月の池田屋事件以来、京都に血の雨が降るところ、必ず土方歳三の振るう大業物和泉守兼定があった。新選組のもっとも得意な日々であった。やがて鳥羽伏見の戦いが始まり、薩長の大砲に白刃でいどんだ新選組は無残に破れ、朝敵となって江戸へ逃げのびる。しかし、剣に憑かれた歳三は、剣に導かれるように会津若松へ、函館五稜郭へと戊辰の戦場を血で染めてゆく。

邂逅の森

2008年10月30日 | ★★★★★★(10傑)
熊谷達也(文春文庫)
第131回直木賞、第17回山本周五郎賞受賞作

秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。鉱山で働くものの山と狩猟への思いは断ち切れず、再びマタギとして生きる。失われつつある日本の風土を克明に描いて、直木賞、山本周五郎賞を史上初めてダブル受賞した感動巨編! 解説・田辺聖子

五年の梅

2008年10月30日 | ★★★★★★(10傑)
乙川優三郎(新潮文庫)
第14回山本周五郎賞受賞作

友を助けるため、主君へ諫言をした近習の村上助之丞。蟄居を命ぜられ、ただ時の過ぎる日々を生きていたが、ある日、友の妹で妻にとも思っていた弥生が、頼れる者もない不幸な境遇にあると耳にし──「五年の梅」。表題作の他、病の夫を抱えた小間物屋の内儀、結婚を二度もしくじった末に小禄の下士に嫁いだ女など、人生に追われる市井の人々の転機を鮮やかに描く。生きる力が湧く全五篇。

博士の愛した数式

2008年10月30日 | ★★★★★★(10傑)
小川洋子(新潮文庫)
第1回本屋大賞、第55回読売文学賞小説賞受賞作

[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。

夜のピクニック

2008年10月30日 | ★★★★★★(10傑)
恩田陸(新潮文庫)
第2回本屋大賞、第26回吉川英治文学新人賞受賞作

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。

クライマーズ・ハイ

2008年10月30日 | ★★★★★★(10傑)
横山秀夫(文春文庫)
週刊文春 推理小説ベスト10 2003年度第1位

1985年、御巣鷹山に未曾有の航空機事故発生。衝立岩登攀を予定していた地元紙の遊軍記者、悠木和雅が全権デスクに任命される。一方、共に登る予定だった同僚は病院に搬送されていた。組織の相剋、親子の葛藤、同僚の謎めいた言葉、報道とは──。あらゆる場面で己を試され篩に掛けられる、著者渾身の傑作長編。 解説・後藤正治