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読んだ文庫をつらつらと…

備忘録として、6(5+1)段階評価で

熊の場所

2008年10月30日 | ★★★★★☆(最高!)
舞城王太郎(講談社文庫)

猫殺しの少年「まー君」と僕はいかにして特別な友情を築いたのか(『熊の場所』)。おんぼろチャリで駅周辺を徘徊(はいかい)する性格破綻(はたん)者はゴッサムシティのヒーローとは程遠かった(『バット男』)。ナイスバディの苦学生であるわたしが恋人哲也のためにやったこと(『ピコーン!』)。舞城パワー炸裂の超高純度短編小説集!

テロリストのパラソル

2008年10月30日 | ★★★★★☆(最高!)
藤原伊織(角川文庫)
第114回直木賞、第41回江戸川乱歩賞受賞作

ある土曜の朝、アル中のバーテン・島村は、新宿の公園で一日の最初のウイスキーを口にしていた。その時、公園に爆音が響き渡り、爆弾テロが発生。死傷者五十人以上。島村は現場から逃げ出すが、指紋の付いたウイスキー瓶を残してしまう。テロの犠牲者の中には、二十二年も音信不通の大学時代の友人が含まれていた。島村は容疑者として追われながらも、事件の真相に迫ろうとする――。小説史上に燦然と輝く、唯一の乱歩賞&直木賞ダブル受賞作!

不夜城

2008年10月30日 | ★★★★★☆(最高!)
馳星周(角川文庫)
第18回吉川英治文学新人賞、第15回日本冒険小説協会大賞受賞作
このミステリーがすごい! 1997年版第1位

アジア屈指の大歓楽街――新宿歌舞伎町。様々な民族が巣喰うこの街で、日台混血の故買屋・劉健一は中国人黒社会の中で器用に生きぬいていた。だが、かつての相棒・呉富春が歌舞伎町に戻ってきたことから事態は一変した。富春は一年前、上海マフィアのボス元成貴の片腕を殺し逃亡を続けていたのだ。健一は元に呼び出され、三日以内に富春を連れてこいと脅される。同じ頃、夏美と名乗る謎の女が健一に仕事を依頼してきた。彼女が売りたいと口にした意外なものとは――。生き残るために嘘と裏切りを重ねる人間たちを、濃密な筆致で綴った危険な物語。(解説 北上次郎)

太陽の子

2008年10月30日 | ★★★★★☆(最高!)
灰谷健次郎(角川文庫)
第1回路傍の石文学賞受賞作

ふうちゃんは、神戸生まれの女の子。おとうさんとおかあさんは沖縄出身で、神戸の下町で琉球料理の店「てだのふあ・おきなわ亭」を営んでいる。やさしい常連さんたちに囲まれて明るく育ったふうちゃんだが、六年生になった頃、おとうさんが心の病気で苦しむようになる。おとうさんの病気の原因は何なのか?ふうちゃんは「沖縄と戦争」にその鍵があることに気づきはじめる……。戦争は本当に終わっているのだろうか。なぜおとうさんの心の中でだけ戦争は続くのか?今、日本人が本当に知らなくてはならないことがここにある――。著者渾身の長編小説!

破線のマリス

2008年10月30日 | ★★★★★☆(最高!)
野沢尚(講談社文庫)
第43回江戸川乱歩賞受賞作

首都テレビ報道局のニュース番組で映像編集を担う遠藤瑶子は、虚実の狭間を縫うモンタージュを駆使し、刺激的な画面を創りだす。彼女を待ち受けていたのは、自ら仕掛けた視覚の罠だった!?事故か、他殺か、1本のビデオから始まる、超一級の「フー&ホワイダニット」。第43回江戸川乱歩賞受賞の傑作ミステリ。

CHEAP TRIBE―ベイビー、日本の戦後は安かった

2008年10月30日 | ★★★★★☆(最高!)
戸梶圭太(文春文庫)

炭鉱労働、安保闘争、『ノストラダムスの大予言』や『エクソシスト』の大流行、某ヨットスクール事件に、バブル崩壊と援助交際……。戦後日本を象徴するチープな事件をモデルに、運命に翻弄され、転落の一途をたどる主人公・沼田永吉の人生を描く。日本の昭和は、これでよかったのか? 霞っ子クラブと著者との座談会を収録。

アヘン王国潜入記

2008年10月30日 | ★★★★★☆(最高!)
高野秀行(集英社文庫)

ゲリラとアヘン栽培! 7か月の仰天本格ルポ。
ゴールデン・トライアングルの村に住み反政府ゲリラと共に播種から収穫まで7か月間アヘン栽培。それは農業か犯罪か。タイム誌も仰天の世界初ルポ。東南アジア民族抗争の発火点が明らかに!(解説/船戸与一)

神様がくれた指

2008年10月30日 | ★★★★★☆(最高!)
佐藤多佳子(新潮文庫)

出所したその日に、利き腕に怪我を負ったスリ。ギャンブルに負けて、オケラになったタロット占い師。思いっ切りツイてない二人が都会の片隅でめぐりあった時、運命の歯車がゆっくり回り始めたことを、当人たちはまだ知らない。やがて登場するもう一人がすべてを変えてしまうことも――。「偶然」という魔法の鎖で結ばれた若者たち。能天気にしてシリアスな、アドベンチャーゲームの行方は。

ドミノ

2008年10月30日 | ★★★★★☆(最高!)
恩田陸(角川文庫)

一億円の契約書を待つ、締切直前のオフィス。オーディション中、下剤を盛られた子役の少女。推理力を競い合う大学生。別れを画策する青年実業家。待ち合わせの場所に行き着けない老人。老人の句会仲間の警察OBたち。 真夏の東京駅、二七人と一匹の登場人物はそれぞれに、何かが起こる瞬間を待っていた。迫りくるタイムリミット、もつれ合う人々、見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、運命のドミノが次々と倒れてゆく! 抱腹絶倒、スピード感溢れるパニックコメディの大傑作! 解説・米原万里

第三の時効

2008年10月30日 | ★★★★★☆(最高!)
横山秀夫(集英社文庫)
このミステリーがすごい! 2004年版第4位、週刊文春 推理小説ベスト10 2003年度第6位

04年「このミス」第4位の名作!
時効の発生は事件発生から15年。しかし容疑者が事件後海外に滞在したため、7日間のタイムラグがある。F県警はこの間に容疑者を追いつめようと…。サスペンスとドラマ、警察小説の傑作連作集。

グラスホッパー

2008年10月30日 | ★★★★★☆(最高!)
伊坂幸太郎(角川文庫)

「復讐を横取りされた。嘘?」元教師の鈴木は、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。鈴木は正体を探るため、彼の後を追う。一方、自殺専門の殺し屋・鯨、ナイフ使いの若者・蝉も「押し屋」を追い始める。それぞれの思惑のもとに――「鈴木」「鯨」「蝉」、三人の思いが交錯するとき、物語は唸りをあげて動き出す。疾走感溢れる筆致で綴られた、分類不能の「殺し屋」小説!