東京でカラヴァッジョ 日記

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パウル・クレーの新収蔵作品ほか - 2024年1月の石橋財団コレクション選(アーティゾン美術館)

2024年01月17日 | 展覧会(西洋美術)
石橋財団コレクション選
2023年12月9日〜2024年3月3日
アーティゾン美術館
 
 
 6階展示室の「マリー・ローランサン」展の鑑賞のあと、5階および4階展示室の石橋財団コレクション選を巡る。
 
 今回、特に見た作品。
 
 
1 日本の洋画3選
 
佐伯祐三(1898-1928)
《広告貼り》
1927年、73.4×60.2cm
アーティゾン美術館
 パリのアパートの入口の周りに多数貼られた広告。画面左下の人物は、作品名と描かれたハシゴから、ここで広告を貼る仕事をした人だと分かる。
 
 
長谷川利行(1891-1940)
《動物園風景》
1937年頃、45.5×52.7cm
アーティゾン美術館
 動物園、ということは、上野恩賜公園動物園が描かれているのだろう。豊かな緑、簡素な人物描写。賑わっていることが分かる。
 
 
中村彝(1887-1924)
《自画像》
1909-10年、80.6×61.0cm
アーティゾン美術館
 中村22歳頃の自画像。レンブラントからの強い影響が明らか。
 
 
 
2 「新収蔵作品」表示のある作品3選
 
パウル・クレー(1879-1940)
《双子》1930年、60.6×50.8cm
《小さな港》1937年、35.8×63.5cm
アーティゾン美術館
 
 2019年に個人のコレクターが所蔵していたクレー作品24点をまとめて収蔵したアーティゾン美術館。
 2020年にこれらを一挙公開する特集展示を行っているが、この2点は含まれていない。
 この2点は同じ個人のコレクターの所蔵作品で、実は一挙公開した24点のほかにも収蔵していただろうか。それとも、別ルートからの収蔵なのだろうか。
 アーティゾン美術館のサイトのコレクションページには、この2点はまだ掲載されていないようだ。
 
 
ジョージア・オキーフ(1887-1986)
《オータム・リーフII》
1927年、81.3×53.3cm
アーティゾン美術館
 紅葉した1枚の葉っぱが画面いっぱいに描かれる。
 
 
 
3 フランス印象派の女性画家作品2選
 
エヴァ・ゴンザレス(1849-83)
《眠り》
1877-78年頃、81.0×100.0cm
アーティゾン美術館
 寝室のベッドで目を瞑って横たわる若い女性。モデルは画家の妹。
   若い女性の朝の目覚めを描いた代表作《朝の目覚め》(ブレーメン美術館)の対画と考えられているとのこと。
 
 
マリー・ブラックモン(1840-1916)
《セーブルのテラスにて》
1880年、56.8×64.5cm
アーティゾン美術館
 当時住んでいたセーヴルでの戸外制作時のお気に入りのテラスでの作品。モデルは、ファンタン・ラトゥール夫妻と画家本人とする説、いずれの女性も画家の妹とする説などがあるようだ。
 
 
 
 アーティゾン美術館のコレクション展示は、いつ見ても充実していて楽しい。


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