投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

朝鮮日報 鮮于鉦(ソンウ・ジョン) 花札からDSまで、任天堂の歴史




記事入力 : 2008/06/15 17:05:27

【コラム】花札からDSまで、任天堂の歴史(上)

 世界で一番「任天堂」に忠誠を尽くしている人々がいるとしたら、それは韓国人ではないだろうか。韓国だけでなく、世界中の子供たちがポケットモンスターやスーパーマリオブラザーズといったゲームに夢中になっているが、創業時の任天堂の主要事業だった花札を、通夜をしている家にまで持ち込み、夜通し打っているのは世界中で韓国人しかいないからだ。


 日本の超大手ゲーム機器メーカー・任天堂は、よく知られているとおり花札の製造から出発し、世界の頂上に立った企業だ。日本の株式市場ではトヨタ自動車・三菱UFJ銀行に続き株の時価総額が第3位(8兆円)で、松下・ソニー・ホンダと肩を並べている。こうしたことからも、日本経済において任天堂やゲーム産業が占める地位は想像に難くない。これほどまでに成長を遂げた任天堂だが、今も日本で花札を製造・販売している。1セットで1000円から2000円ほどだ。韓国とは違い、日本で花札はあまり人気がないためそれほど利益はないが、家業を忘れてはいないのだ。


 花札からゲーム機へ。任天堂が歩んできた「飛躍的」な歴史を見ると、日本にある二つの強固な社会的基盤に気付かされる。一つはハードウェアの技術力だ。最近韓国でも高い人気を呼んでいる携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」の原型は、1980年に発売された「ゲーム&ウオッチ」だった。テレビにつないで使わなければならなかったゲーム機を、小さな液晶画面を取り付け、いつでもどこでもゲームが楽しめるようにしたものだが、液晶画面が小さいため、当時はゲーム機として十分な機能が果たせなかった。本格的な液晶技術が使われた製品が登場したのは、89年に発売された「ゲームボーイ」からだ。ゲームを楽しむのに十分な、大きく鮮明な液晶モニターを取り付けた。これは当時、世界最高を誇ったシャープの液晶技術のおかげだ。


記事入力 : 2008/06/15 17:05:36
【コラム】花札からDSまで、任天堂の歴史(下)

 二つ目に気付かされる日本の社会的基盤は、ソフトウェアの文化力だ。シャープの技術力が生かされたハードウェア「ゲームボーイ」は96年、「ポケモン」というゲームソフトと結びつき、記録的なヒット作となった。ソフトウェアとしてのポケモンも、マンガ・アニメ・映画・キャラクター産業にまで浸透し、今や1‐2兆円規模という市場を形成している。


 本来、ポケモンは任天堂が自社開発したものではなく、工業高等専門学校出身のゲームフリーク、田尻智氏の作品だった。彼が任天堂に提出したソフトウェア企画書が了承され、今日のポケモンが誕生したのだ。田尻氏は日本でマニアやフリークを意味する「オタク」とされる人物だ。子供のとき、夢中になった昆虫採集をゲーム作りに生かした後、自分と同じような「ゲームオタク」のための同人誌を作っているうちに、自らゲーム企画の世界に足を踏み入れるようになった。ポケモンに登場する数多くのキャラクターは、彼が幼いころ、東京郊外で採った昆虫にヒントを得ている。


 オタクではないが、任天堂社員だった横井軍平氏と宮本茂氏が生み出した「スーパーマリオ」「ドンキーコング」「ゼルダの伝説」といったゲームソフトも、現代日本の文化力をありありと反映した製品だと言えよう。


 花札からゲーム機へとつながる任天堂の歴史は、技術力と文化力が結びついたとき、どれだけ大きな付加価値が生み出されるかを示している。任天堂株の時価総額8兆円からシャープ株の時価総額1兆8000億円を差し引いた6兆2000億円は、日本の技術力の上に日本の文化力をプラスした付加価値と言ってもいいだろう。任天堂を通じて考えてみると、日本はすでに技術力よりも文化力としての価値の方が大きな国に成長しているのかもしれない。そして実は、任天堂が普及させた花札一つをとって見ても、韓国における日本の文化力は、その破壊的なパワーを十分に見せつけているのかもしれない。


東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員


http://www.chosunonline.com/article/20080615000021
http://www.chosunonline.com/article/20080615000022





>これほどまでに成長を遂げた任天堂だが、今も日本で花札を製造・販売している。1セットで1000円から2000円ほどだ。韓国とは違い、日本で花札はあまり人気がないためそれほど利益はないが、家業を忘れてはいないのだ。

大事なことですよね。

何年か前に将棋の駒を買ったら任天堂の製品でした。「そうだそうだ、そうだった。任天堂ってこういう製品を作る会社だったよな」と、しばし任天堂という文字を見つめながら、自分が子供のころのことを思いだしました。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「Weblog」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事