住職のちょっといい話

北海道からお届けする住職のちょっといい話

登別大谷高校 宗教宿泊研修…

2006-04-30 20:43:54 | 旅…
 今年も打ちのめされて帰ってきました。

 高校生というのは正直なもので、興味のない話や自分に関係のないことには耳をかさないものです。(皆そうですが…)
 あたかも聞いているかのように見えて、実は聞き流されていることのなんと多いことか…
 
 なんとか興味を引こうと笑い話を加えても、笑いが違いすぎる!我々にとっては面白い話も、高校生には通用しません。休み時間、高校生達の笑い声に誘われて耳をかたむけると、笑えない!!言葉と世代の壁だろうか…

 この研修を私は「宗教的人間の獲得」を促すことをテーマに取り組んできました。それは立派な人になるのでもなくスーパーマンになるのでもありません。
 食事の際に手を合わせ「いただきます、ごちそうさま」と言えて、トイレを使用したらスリッパをならべてこれる、そういう人になって欲しいのです。

 口先だけの大人のなんと多い世でしょうか?一生懸命生きている青く小さな草たちを雑草と呼び、故郷の自然を壊しまくり、学校の学びを学歴に変えてきた人達の同じ口が、今度は「愛国心」を叫びだしました。雑草という名の草はないんですけど…

 私も大人の一人ですから、高校生や小さい人達を前にすると、打ちのめされます。

室蘭そして登別…

2006-04-21 06:25:37 | 旅…
 今週は室蘭に行ってきました。法要の合間を縫って「地球岬」へ…
 強風のなかではありましたが、春を感じました。
 
 最後の法要を勤めた後、「さぁ帰ろ」と思い車をスタートさせると、法要会場の従業員の人達が身を挺してストップを促していました。「何事だ?」と思い、車を止め尋ねると、なんとパンクでした。ガッガリしました。でも、従業員の心配そうな眼差しと言葉に励まされ、なんとかスペアタイヤに履き替え、無事に?帰省したのでした。

 おかげで、夏タイヤに強制的に交換です。私は今日は札幌に行き、明日は帯広に行かなければなりません…中山峠に日勝峠です。雪は大丈夫なのだろうか?
 
 そして、来週はいよいよ私のライフワークであります。登別大谷高校の宗教宿泊研修が行われます。新一年生を対象に、大谷と名のつく学園の建学の精神を学んでもらう、1クラス一泊二日の研修です。今年は3クラスだから三泊四日になります。
 もう係わって10年以上経つのですが、毎年この時期は、何を語ろうかと頭を悩ます日々を送っています。なぜなら、最初で最後の出会いになるかも知れないから…
 報告は次回に…

興部(おこっぺ)の旅…

2006-04-18 03:01:56 | 旅…
 先週、興部(おこっぺ)に行って来ました。北海道は広いですね!
 友人が住職をしているお寺の開基100年の法要に招待されて、長距離も省みないで行って来ました。

 その友人は札幌の普通の家庭で育ち、バンド活動を通して或るお寺の住職に出会い、それがきっかけで坊さんになるようにスカウトされ、縁あって興部のお寺の住職として迎えられたという、異色?というか不思議?というか、とにかくイイ奴なんです。

 興部の人達は、気さくであったかな感じでした。「いい処だね」と尋ねると、友人は「いろいろあるんだよ」とやさしく言っていました。ひとは生きていく場が決まると、落ち着くのではなく苦労できるんだなぁとあらためて教えられた気がします。

 興部に入寺して3年を向かえた友人に、エールを送るつもりで伺ったはずが、私の方がたくさんの元気を頂きました。ありがとう!!

空しいって…

2006-04-09 22:51:25 | 思うこと…
 或るお寺の掲示板です。ずいぶん前から知っていた言葉でしたが、今更ながらドキッとしてしまいました。

 3月に若い坊さんを対象にした研修会に、スタッフとして参加した時、「空しいってどういうことですか?」と質問され、「金庫の前で餓死するようなものです」と答えたのを覚えています。
  
 質問者は納得していた様子でしたが、考えてみると、その金庫には何が入っていたのでしょうかね?お金を貯めることに必死になって餓死したのか、実はお金など入っていなかったのか、お金はあるけど食料不足により買うことができなかったのか、それともお金も食料もありながら「生きるという意味」が見つからなかったのか…

 そもそも、金庫は金品だけをしまっておくものではないはずです。他人に犯されたくない貴重なものを保管するところですから、自分にとって大切にしているものをしまっておく場所なのでしょう。(思い出だったり、夢だったり)
 
 人間のもつ閉鎖性から、金庫の中身のもつ本来のはたらきや輝きを奪い、その前で生きる意味を失い終わっていくということは、自分の大切なものを守るあまり何重にも鍵を掛け、不信と欺瞞のなかで心を閉ざしつづけるあり方なのでしょう。それは自らの輝きまでも失う姿です。大体が与えられたものの中にいるにもかかわらず…

 「給食費を払っているのだから『いただきます』とは言わせないで下さい」
 いろいろな考えがあっていいと思いますが、なんか空しい…
 
 あっ!4月8日は花まつりだったなぁ~。