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奥崎謙三死す

2005-06-28 23:12:21 | 親台右翼
偶然だが、昨日27日の『東方日報』にあった高砂義勇隊の短期シリーズの中に、戦時中、日本軍兵士が捕虜などの人肉を食べていたという(日本人以外には)よく知られる話が出てきて、久しぶりに思い出した名前がある。奥崎謙三。元日本軍兵士。

奥崎氏は「過激派」「アナーキスト」などと呼ばれる事もあったようだが、彼が何者だったのかを知る人は、恐らく本人を含めて誰もいないだろう。60年代末、昭和天皇をパチンコで撃とうとして逮捕され、その後も元上官を訪ねたおり息子に発砲して懲役12年の判決を受けている。反天皇、反軍国主義がエスカレートしたとも言えるが、左翼とも少し違うように思う。或いはただのキチガイなのかも知れない。いつだったか、最後にこの人の事を思い出して調べた時は確か、超能力だか超常現象だか妙なものにハマっていたと思う。

その奥崎氏を久しぶりに思い出した直後に発見したのは、何たることか、他でもない本人の訃報であった。85歳という高齢では決して不思議ではないが、折しも、かつて奥崎氏がパチンコ玉で狙った人の息子が戦死者の慰霊でサイパンを訪れている正にその時である。「天皇慰霊の旅」を伝える山のような記事のその蔭に埋もれるように、ひっそりと。何と皮肉な運命のめぐり合わせであろう。

私がこの人の名を知ったのは、80年代、サブカルチャー世代の若者を中心にヒットしたドキュメンタリー『ゆきゆきて、神軍』というカルト映画を見た時だ。彼の名を知る人の多くも、恐らく同じようにして知り、同じような印象を抱いたに違いない。今となってはもう映画の細部を思い出すことは出来ないが、元上官を訪ねて詰め寄る時の、悪鬼のごとき凄まじい形相が忘れられない。

訃報には全て、この映画の話が出て来るが、核心の部分にはどのメディアも触れていなかった。毎日の記事によると死ぬ直前まで病院で「バカ野郎」と叫んでいたそうだ。

私が折に触れてこの人の事を思い出していたのは「傍から見れば私もこう見えるのだろうか?」 そう、フッと考える時であった。


映画「ゆきゆきて、神軍」の奥崎謙三さん死去 (朝日)
奥崎謙三氏死去 「ゆきゆきて、神軍」出演 (共同)
「ゆきゆきて、神軍」の奥崎謙三さん死去 (日経)
訃報:奥崎謙三さん 85歳 死去=映画「ゆきゆきて、神軍」に出演 (毎日)
奥崎謙三氏=映画「ゆきゆきて、神軍」主人公 (読売)

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