原っぱ夕景

最近いろんな事が妙に懐かしくなった昭和生まれのおっさんの埒もない独り言にお付き合い下さい。

暗闇でドキドキ その⑨ THE ROCKY HORROR PICTURE SHOW

2022-05-15 21:16:00 | 日記
まいど!にゃんこふです。

さ〜て、いよいよ念願の「ロッキーホラーショー」のサントラ盤の入手が間近となりました。
と、その前にちょいと訂正を。
今まで記事のタイトル並びに記事中において「ロッキーホラーショー」の英語表記を「The Rocky Horror Picture Show」と小文字混じりにしてきましたが、本来は「THE ROCKY HORROR PICTURE SHOW」と大文字での表記でした。何度も繰り返して観てきたのになんで間違ったのかな。いや〜思い込みって怖いな〜。

渋谷の「SUMIYA(すみや)」で「ロッキーホラーショー」のサントラ盤の取り寄せを依頼してからは、毎日毎日郵便受けをドキドキしながらチェックするのが日課となりました。こんなに郵便受けが気になったのって、中学生の頃に文通してた時以来でしたね(笑)

文通とかペンフレンドなんて、もはや死語ですが、文通ってみんな普通にやってたんですよ。今のメールやツイッター、LINEみたいな位置付けかな。
時間はかかりますが、知らない土地の知らない異性と交流する手段なんて文通しかなかったですから。
相手の情報源は、雑誌の文通欄(!)のコーナー。趣味や好きなタレント、スポーツ、作家などなど、色んなカテゴリーから選ぶ事ができました。

私の場合、「中一コース」か「中一時代」だったと思います。
もちろん、こちらから文通希望の手紙を書いても断られたり、返信がなかったりする事も多いんですが、上手くいくと楽しい文通ライフが始まります。

私は、今でもそうなんですが、字が下手っぴいなんです。文章書くのは得意な方だったので、手紙を書く事は苦にはならなかったんですが、字がね…。
断られたパターンは字が原因だったかも知れません。
まだワープロなんか影も形もない時代でしたからね。一通の手紙を書くにも時間をかけて丁寧に書いたもんです。でも、字の下手さは特に改善もされませんでした(笑)

使用する便箋や封筒も気を使いました。
茶封筒に縦書きの普通の便箋じゃ、なんかカッコ悪いと思ったんでしょうね。
それで当時出始めてたキャラクターもの…スヌー○ーとかミッ○ーとか考えたんですが、買うのが恥ずかしくて。
それに友達にそんなモノ買ってる所見られたら、何を言われるか分かりませんからね。

おっと、また脱線しちまったぜ!と言う訳で話を戻します。

待望のハガキが届いたのは、あの日から3週間ほど経った頃でした。
その日もアパートに帰ってまず郵便受けをチェック。
すると中に1枚のハガキが!
裏を見ると紺色のスタンプで「SUMIYA」のロゴが押されています。そして、その上には手書きの文字で…

「ロッキーホラーショー サウンドトラックLPレコード入荷しました」

私は部屋に入る事なく、渋谷へと向かいました。

当時の私は杉並区阿佐ヶ谷という所に住んでいたのですが、中央線から山手線に乗り継いで大体1時間位で渋谷駅に到着しました。
嬉しくて半ば走ってた気がしますが、転ぶ事もなく無事「SUMIYA(すみや)」にたどり着きました。
店内に飛び込みレジへ直行して、勝ち誇ったかのように(なぜ?)ハガキを店員さんに突き出しました。
「こ、これ届いたんですけど!」
店員さんはハガキをチラッと見て後ろの棚をごそごそ、1枚のレコード取り出しました。
「はい、これですね」
店員さんの手には、私が夢にまで見たレコードが!!!
って、実はこのジャケットは初見でした(笑

会計を済ませてレコードを受け取り、店の外に出るとすっかり暗くなってました。
でも渋谷の街を彩り始めた照明、とりわけ逆三角形のKENWOODの黄色いネオンサインが私を祝福してくれる様に輝いていました(うん、たぶん気のせいだね 笑)

そして私は来た時の倍のスピード(うん、これも気のせいだね 笑)で阿佐ヶ谷のアパートへと急いだのです。
とにもかくにも無事アパートへと帰り着いた私。
当時私が住んでいたのは、四畳半一間、トイレ共同、もちろん風呂なし、でも一応南向きの角部屋。
部屋にあるのは机と本棚(一応学生ですので)、そして工学部の友人が格安で組んでくれたコンポのステレオ。
部屋に入って机の上に「SUMIYA(すみや)」の袋を置いて深呼吸をひとつ。時計を見ると8時ちょっと過ぎ、すぐレコード聴きたいけどお腹も減ってるし、銭湯にも行って汗も流したい…
よし、ここまで待ったんだから後1時間位どうって事ない!まずは飯食って、銭湯に行こうっと。
さっぱりして銭湯から戻り、ちゃぶ台(食卓です)の前に座って買ってきた缶コーヒーで一服しました。
さていよいよレコードを袋から取り出す「開封の儀」。

赤地に映画のキャラクター達がコラージュ風にレイアウトされたジャケット。
輸入盤らしく全体がぴっちりビニールでパックされています。慎重に封を切ってレコードを取り出すと、なんともチープな作りでした。
普通LPレコードって二つ折のジャケットで、ライナーノートとか歌詞の冊子みたいなのが入ってて、レコーディング中のアーティスト写真なんかが内側にたくさん掲載されてるって感じなんですよね。
でも、この「ロッキーホラーショー」のレコードは違いました。まずジャケットは二つ折のじゃなくて、袋状になってて中にレコードが入ってます。せめて歌詞カード位入ってて欲しかったのですが、それもなし。
代わりに入ってたのは、この映画にコロンビアという役で出演してるリトル・ネルさんのレコード宣伝の安っぽいチラシが1枚だけ…。

でも、もうそんな事はどうでもいい!とにかく早く聴かねばああああ!

to be continued 

暗闇でドキドキ その⑧ The Rocky Horror Picture Show

2022-05-08 20:54:38 | 日記
まいど!にゃんこふです。


やった!
とうとう探し求めていた「ロッキーホラーショー」のレコードを見つけました。
…見つけたのですが…
ここでちょいとした問題が発覚したのです。
いえ、問題って言うと語弊があるかも知れません。
どちらかと言うと「ロッキーホラーショー」に対する私の知識不足に起因するものだったのですが…。

私が渋谷の「SUMIYA(すみや)」で見つけたレコードは間違いなく「THE ROCKY HORROR SHOW」のレコードでした。ただし「Original Roxy Cast」というモノ。

実はこれを見つけたすぐ後で、もう1枚の異なる「THE ROCKY HORROR SHOW」のレコードを見つけたのです。
最初の1枚とは全く異なるかなりポップなデザインのジャケットで、こちらには「ORIGINAL LONDON CAST」と言う表記があります。

最初は頭の中に「?」が大量発生し、かなり混乱してしまいました。
今だったらスマホでググれば、難なく解決する話なんですけどね。当時は、この2枚を前に真剣に考えこんでしまいました。

で、考えた末に出た結論。
私が観たあの映画、元は舞台で上演されてた作品なのではないのだろうか?
「ORIGINAL LONDON CAST」とあるのは、英国ロンドンで上演された際のキャストによるレコーディング盤。
「Original Roxy Cast」は、う〜ん「Roxy」ってなんだろ?
でも、まあ上演された地名もしくは、劇場の名前であろうと結論づけました。

後にこれは正解だったと分かるのですが、そうなると映画のサントラ盤の存在がますます気になってくる訳です。
ここで気を取り直して、再度ミュージカルのラックでの捜索を再開しました。
が…残念ながら、サントラ盤を見つける事はできませんでした。

取り敢えず見つけたこの2枚を購入する事も考えましたが、やはりここは初志貫徹。まずは映画のサントラ盤のゲットを目指す事にしました。そして2枚のレコードをラックの人目に触れない隅っこに戻し(笑)レジへと向かいました。

レジでは男の店員さんが何やら書類に目を通していましたが、私に気付き顔を上げました。

「いらっしゃいませ」
「あ、あの、ロッキーホラーショーのレコードってありますか?」
「あれ?ラックにありませんでしたか?」
「あ、あの舞台版じゃなくて、映画の方なんですが…」
「ああサントラ盤ですね。う〜ん、今は在庫切れですが、お取り寄せできますよ」

そう言ってにっこり笑う店員さんには、後光が差していました(笑)

「お、お願いします」
「大体2週間から1ヵ月程で入荷すると思いますが、よろしいですか」
「あ、は、はい。大丈夫です、待ってます」

入荷したらハガキで連絡してもらう事にして店を出ました。
まだ現物を手にしてはいないものの、嬉しさのあまり口元が緩んでしまいます。

この日はレコード探し以外に目的もなかったので、渋谷の街をぶらぶらして帰る事にしました。
青山界隈とは違って、普段から買い物や映画を観によく来てたので緊張する事もありません。地理的な事からすれば新宿の方が断然近くて便利なのですが、ちょっと苦手だったんです新宿。

まだ109もハンズも文化村もなかったんじゃないかな…とりあえずハチ公口から三千里薬局を右手に見つつスクランブル交差点を渡ってセンター街へ。平日なのに人でごった返す通りを抜けて西武百貨店のある井の頭通りに出ます。ここにも小さい映画館が2軒ありました。西武の地下1階の雑貨屋さんと本屋を覗いて地上に出て、今度は井の頭通りを宇田川町方面へ。

少し歩くと右手に細い坂道があります。坂と言っても道は階段状だったような。
そう、ここがスペイン坂。なんでもスペイン風の内装やメニューで有名だった喫茶店(レストラン?)があった事が、その名の由来だとか。当時はまだあったのかな?ちょっと記憶にありません。
小さな間口の雑貨屋さんとかカジュアル系の服屋さんが両サイドに並んでたのは、なんとなく憶えてます。
そこにあった「大中」って言う中華雑貨屋さんで、なぜかカンフーシューズ(笑)を衝動買いした記憶があります。もっとも購入後は一度も履きませんでしたが(笑)

そうだ!当時のスペイン坂と言えば、ラブホテルですね(笑)。
坂を上りきった左手にありました。PARCO目の前ですよ、すごいですね。
というか、宇田川町界隈は元々その手のホテルや旅館が多い土地柄だったそうで、若者の街なんて呼ばれる前は、間違いなく大人の街であったようです。

PARCOと言えば、私バイトしてた事があるんですよ。
と言ってもファッション関係じゃなく、当時テナントして入ってた甘味処。調理と接客やってました。
土地柄か芸能人の方の来店も多く、当時人気の女性アイドルにみつ豆作ってお出しした事もあります。名前は出しませんが、うん、めちゃくちゃ可愛いかったです。良い匂いもしたし(笑)

PARCO横を抜けて公園通りへ。左に行けば渋谷公会堂やNHKのある代々木方面へ、右に行けば渋谷駅方面に戻ります。

途中、山手教会があり、その地下には伝説のライブハウス(小劇場)「ジャンジャン」が営業してました。
当時ロングランで上演してた「授業」っていう芝居を観た事があるのですが「不条理劇」なんて言われる通り、私には難解すぎてよくわかんなかったです。
でも、定期的にやってた某バンドのライブには良く行きましたね。エレキの音をあんな間近に聴いたのは初めてでした。だって「ジャンジャン」って本当に小さい小屋なんです。キャパシティは100人位だったでしょうか。お古い所ではよしだたくろう氏のライブ盤の舞台がここでしたね。

昔を思い出しながら色々書いてるうちに渋谷に行きたくなってしまいましたが、この歳になるとなかなか難しいですね。
まあ、若い頃の記憶をネットでググった情報で補完しながら一人楽しむ事にしましょう。

ようやく念願のサントラ盤を入手できる運びになりましたが、またまた話が脱線してしまいました。

という訳で、次回「サントラ盤ゲットだぜ」編でキミと握手!ってなんだこれ?(笑)

to be continued 



暗闇でドキドキ その⑦ The Rocky Horror Picture Show

2022-05-05 17:52:42 | 日記
まいど!にゃんこふです。

青山の小洒落た輸入雑貨のお店の中、
目を血走らせて壁を指差す男と怯えるように立ち竦む女性店員さん…。

てな訳で前回の続きです(笑)
情報誌「ぴあ」で得た情報で訪れた青山の輸入雑貨のお店で、念願の「ロッキーホラーショー」のレコードを見つけた私。

「そ、そのレコード下さいいぃっ!」

その時の店員さんの表情、今でも憶えてます。あの時は驚かせて本当に申し訳ありませんでした。
私の指差す壁を首だけ捻じ曲げるように見る店員さん。私の方に向き直ると、ようやく営業スマイル(ややひきつってはいましたが)を浮かべ、言いました。

「申し訳ありません、店内のレコードやポスターは全てディスプレイ用で売り物ではないんですよ」

もちろん私は食い下がりました。あの連日のレコード店通いを脳裏をよぎります。

「そ、そこをなんとか」
「ごめんなさい」

失意のうちに店を出る私。
私の記憶にはレコードのジャケットが鮮明に残っていました。しかし、同時にわずかな違和感を感じていたのです。
その時は違和感の理由がなんなのか分かりませんでしたが、取り敢えず気を取り直して、もうひとつの情報にあった渋谷東邦生命ビルの「SUMIYA(すみや)」へ向かう事にしました。

あ、そうだ!前回の投稿で「青山の鈴丹」と書いてましたが、あれ「青山ベルコモンズ」でした。

地下鉄で渋谷へ。
今はなんだか凄い事になってるみたいですね〜。
当時ももちろん「NOWなヤング」の街でした。
道玄坂方面には雑居ビルが並び、映画館もたくさんありましたね。
でも、目指す東邦生命ビルは反対側の宮益坂の方。
こちらも商業地区ではありますが、オフィスビルが多かったような気がします。
こちら側には東急文化会館があり、パンテオンはじめ映画館も複数入ってました。
そうそう、ここの屋上にはプラネタリウムもありましたね。なんでも創業時の計画では、屋上水族館なんて話もあったそうです。

現在は「渋谷ヒカリエ」っていうすんごいビルが建ってるそうで、もう私の知ってる渋谷駅周辺とは完全に様変わりしてるようですね。

おっと、東邦生命ビルへ行かなくちゃ。
でも、ここも名前が変わってるんですね。「渋谷クロスタワー」おお、なんかカッコいいぞ。
さて、気を取り直して本題へ。
2階だったか3階だったか曖昧なんですが、外に面したわかりやすい場所に「SUMIYA(すみや)」はありました。

「あった、ここだ」

なんか普通のレコード屋と違い、えらくシンプルな店構え。
店内に入ると、目に付いたのは壁に貼られた映画のポスターの数々。
そう、この店こそ映画音楽サントラ盤の聖地と言われ、2008年惜しまれつつも閉店した伝説(?)のお店だったのです。

店内には輸入レコード屋っぽい感じでジャンル毎にラックが並んでいます。
しかし、目指すジャンルはひとつ「ミュージカル」です。

実はこの所のレコード屋巡りで、とあるスキルに目覚めてました。
それはラックに入ったレコードを両手を使って素早くチェックする事。

とある輸入レコードの店で、いかにもロック好きですってお兄さんがやってるのを見て真似してたのですが、いつのまにか身についてました。
後日友人とレコード屋に行った際には

「おおっ!にゃんこふ、カッコいいじゃん」

なんて言われました(笑)。

おっとまた脱線してしまった。

さて自慢(笑)のスキルを駆使してミュージカル映画のラックを漁る事5分。

ありました!!!!

さっき青山の雑貨屋さんの壁にあったあのジャケット!
白地にエアブラシで大きく描かれた女性の顔、大きく見開かれた目、額に書かれた「Rocky Horror Show」のタイトルロゴからは血が滴っています。
裏面は女性の後ろ頭が描かれ、キャストやスタッフの名前が書かれています。

しかし、ここで青山で感じた違和感が再び。
そう、映画のサントラ盤なら劇中のシーンの写真が使われてるはずなんですが、そうした物が一切ないのです。
もちろんジャケットに写真を使ってないサントラ版もないではありません。
タイトルロゴだけのアルバムもあります。
記憶では中学生の頃買った「ウェストサイドストーリー」なんかが確かそうでした。

それよりもまず頭に浮かんだのは高校生の時に買ってしまった「燃えよドラゴン」「ドラゴン怒りの鉄拳」という両A面のEPレコード。
両方とも例の「アチョー!」って言うリーの気合い、怪鳥音が曲に組み込まれています。

確か友人と博多に遊びに行った時に、とあるレコード屋の店頭のワゴンセールで買ったものです。
当時はEPレコード1枚400円位だったのですが、そのレコードはなんと破格の100円。ジャケットをよく見もしないで即買いしました。
地元に戻り、友人宅で早速聴く事になったのですが…。

「何これ?」
「叫んでるのブルース・リーじゃないね」
「だれ?」

ここで初めてジャケットを確認。
まず映画のシーンやブルース・リーの写真なし…
サウンドトラックの文字なし…
演奏はムービーサウンドなんちゃらオーケストラ…
歌(「怒りの鉄拳」は歌詞付きです)は、聞いた事もない日本人歌手…
まあ作った方には大変失礼な言い方かもしれませんが…。

「なんじゃこれ、パチもんやんけえぇっ!」

そう、よくありますよね。
人気・流行にのっかったヤツ、それでした。もちろん、映画のシーンの写真なんてひとつもありません。
言い方変えれば「カバー」?
「いやん、バカ〜」

それでもブルース・リーや映画についての簡単な解説はありました。
なんかそれが余計に腹が立った若きにゃんこふでした。

い、いかんまた話が逸れてしまった。
「んふ、僕の悪い癖」
などと杉下右京氏の台詞を借りつつ次回へ。

to be continued

暗闇でドキドキ その⑥ The Rocky Horror Picture Show

2022-04-30 21:58:00 | 日記
まいど!にゃんこふです。

ロッキーホラーショーのサントラ盤探しを開始したにゃんこふですが、いきなり躓いてしまいます。

今から40年前というとまだレコードの時代。商店街なんかにもレコード屋が普通に営業してましたね。
まずは手近な店から始め、とにかくレコード屋を見つけたら飛び込んで探しました。
当時住んでた阿佐ヶ谷はもとより、中央線沿線の高円寺、中野、荻窪、吉祥寺、新宿…学生としての地元であるお茶の水、水道橋、神保町など、新譜を扱う店はもちろん、中古レコードや輸入レコードの専門店まで、もう何十軒回ったか憶えてない位です。
輸入盤の専門店は我ながらいい考えだと思ったのですが、回った店はほぼロックのレコードが中心。いかにロックミュージカルとは言え、さすがに映画音楽は畑違いだったようです。

しかし、若かったとは言え、たった1枚のレコードの為に、よくもまああんなに動き回れたもんです。
なにしろインターネットなどない時代ですからね〜欲しい情報を集めるにしても限界がありました。
そこでたどり着いたのが情報誌「ぴあ」。当時はまだ月刊誌だったかな?
映画、演劇、イベント等の情報はこれ1冊で間に合う便利な雑誌でした。
この雑誌の欄外にはネタコーナーの「はみだしyouとぴあ」とか、読者情報交換コーナーみたいなのがありまして、そこへ投稿した訳です。

「映画ロッキーホラーショーのサウンドトラックレコードを探しています」

そして、私の投稿は運良く次の号に掲載されました。
すると…その翌々日からハガキや封書が続々と送られてきました。
「ぴあ」恐るべし!

総数で60通前後だったと記憶していますが、その多くが「私も探しています!手に入ったらダビングお願いします!」でした(笑)中にはカセットテープ同封の封書もありました。

「あのね、私まだ現物を見た事もないのよ…」と苦笑してしまいましたが、もちろん、いくつかの有力情報も頂きました。

「青山の鈴丹裏の○○という輸入雑貨の店の壁に飾ってありましたよ」
「渋谷の東邦生命ビルのSUMIYAに行かれてみては?」

実は、この2通以外にはあまり現実的な情報はありませんでした。
中でも驚いたのはレイトショーでロッキーホラーを上映しているNYの映画館の住所を書いた手紙があった事。

「この映画館、または周辺のレコード屋なら必ず売ってるはず。行って私の分も買って来て下さい」

あのね…私は仕送りなしでバイト掛け持ちしてる学生なの、NYどころか国内旅行さえまともに行った事がないんだぞ、ふんとにもう!

それはさておき、入手した情報を元にまずは青山へGo!

当時すでに日本有数のお洒落タウンだった青山界隈、上京1年足らずだった私はこの街を歩くだけで妙に緊張したのを憶えてます。
コソコソとまるでゴキブリのように(笑)壁伝いに鈴丹前から脇道へ。
なんの店だか分からないけれど、間違いなくお洒落な感じの店が道の両側に並んでいます。ドキドキしながら歩いていると情報にあった店を見つけました。

雑貨屋との話でしたが、外観からは何を売っているのか全く想像できません。
窓越しに店内を窺う私の姿は、側から見ればさぞ怪しく見えた事でしょう。それでも勇気(?)を振り絞って店の扉を開けたのでした。

なんというか、それまで見た事のないような物が店中に溢れています。
今なら特に珍しくもない品揃いなのでしょうが、当時の私の目には紛れもなくキラキラ輝くお洒落なモノに映りました。

いやいや、目的は件のレコードなのだ!気を取り直して情報にあった「壁にたくさんの輸入盤のLPレコードがディスプレイされており、店奥左にあるレジの後ろ…」に従ってレジを目指して足早に歩を進めました。
レジの所に座って雑誌を見ていたお姉さんが驚いたように立ち上がったのは、きっと私から出ている妙な気配を感じたからでしょうね(笑)。

しか〜し、私は発見していたのです。立ち上がったお姉さんの右肩辺りに見えた1枚のレコードを!!!

to be continued 



猫島「小倉北区藍島」のこと

2022-04-10 21:03:00 | 日記
まいど!にゃんこふです。

趣味と言うのもおこがましいんですが、釣りが好きだったりします。
と言っても、釣り船で沖に出たり、瀬に渡るなんて本格的なものではありません。
近場も近場、家から20分程度の距離にある小さな漁港の防波堤で、4〜5時間小魚に遊んでもらう程度の釣りです。
それでも一時期とある島に渡って(と言っても乗船時間は20分弱です)釣りを楽しんでました。

島の名は「藍島(あいのしま)」。
北九州市小倉北区にある小さな島です。折からの猫ブームも相まって一時「猫島」として注目された島でもあります。

でもまあ、なんと言うか…個人的な見解ですが、漁港と呼ばれる場所には多かれ少なかれ猫が居着いているものです。まして小さな島の漁港なら尚更の事。
それに、漁具に悪さをするネズミを捕ってくれる猫は、決して邪険にされる事もなく漁師さんにも大事にされてますからね。
漁船から水揚げされる魚のおこぼれ貰ったりしてるので、漁港の猫は町の野良猫に比べて、体格も毛艶も良かったりします。

でも、数が増え過ぎてしまうと、やはり弊害を生む事になります。「藍島」でも猫の保護団体が入り、増え過ぎを抑制する為に一定数の雌猫に対して避妊処置がとられたようです。その詳細についてはよく知らないのですが、5〜6年前に行った時は漁港周辺で見かけたのは10匹位でした。

日曜は休み!と言う仕事ではないので、釣りに行くのは平日なのですが、それでも昼過ぎに着く連絡船には猫さん目当ての人が結構乗ってました。
皆さん猫さんの餌や猫じゃらし的な物を手に笑顔で連絡船から降りてきます。
多分私も同じような顔してたんだろうな(笑)

お迎えに出てくれたのは3匹位だったかな。連絡船の待合所周辺は、この猫さん達の縄張りなんでしょうね。

漁港から釣り場となる防波堤への道にもポツポツと猫さん達がいます。
皆んなフレンドリーで呼べば寄って来てくれますし、餌の入った袋をかしゃかしゃやると鳴きながらダッシュでやって来ます。
主な釣り場となる防波堤にも数匹いましたね。ここらにいる猫さんは、キャットフードよりも釣り人の獲物が目当て。
小アジなんかを放ってやると頭からバリバリ食べちゃいます。少し大きめののクロ(メジナ)なんかをやると、その場では食べないで持って帰ったりするんですよ(笑)
サクラ耳なので仔猫が待ってるって訳じゃないと思うのですが、やっぱり大きな魚は自分ちでゆっくり食べるんでしょうね。

あ、そうそう漁港で釣りしてると猫さん以外にもある生き物との出会いがあります。
それは鳥。いいえ、雀や鶺鴒(セキレイ)みたいに小さくて可愛い鳥じゃありません。

その名は「青鷺(アオサギ)」。
この鳥に遭遇するのは猫島じゃなくて、ホームグラウンドの漁港なのですが、初めて見た時はとにかくその大きさに驚きました。
姿を現すのは釣りを始めてしばらく経った頃。小さな鯵がぼつぼつ釣れ始めると、バサバサッと大きな羽音と共にやって来ます。
釣れた魚を直に狙うような事はありません。大体2m位離れた所にじっと立ってるんです。小アジを投げてやるとだだっと駆け寄って、基本頭から丸呑み。そして呑み終わると(笑)またキープディスタンスして、次の魚をじっと待ちます。
あまり釣れない時間が続くと「けっ下手クソめ」てな感じで別の釣り人の所に飛んで行きます。
まあ、攻撃(笑)してくるような事は無いのでいいのですが、後ろにじっと立たれてると、それなりのプレッシャーを感じてしまいます(笑)

猫に癒され、鳥に圧をかけられ、足に這い上ってくるフナムシに悩まされながらも「一生幸せでいたかったら釣りをしなさい(釣りを覚えなさい)」という格言を信じて、今日も釣りに行くにゃんこふなのでした。