*** june typhoon tokyo ***

BONNIE PINK@NHKホール

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 NHKホールに<BONNIE PINK LIVE 2008 “Pump It Up!”>を観に行ってきました。今回はニュー・アルバムを引っ提げてのツアーではないので(福岡・名古屋・大阪・東京の4会場4公演のみ)、どんな構成をしてくるのかが見ものでして。
 今日は休みをこのためにとっていたのですが(ウソ)、そういう時に限っていろいろあって、やや出遅れ気味。なのに、代々木第一体育館方面からサクッと歩いて行こうと思っていたのが、曲を聴きながらボケーッと歩いていたのか、左折すべきところを左折せずに直進してしまった結果、NHK放送センターをほぼ一周してしまうという失態までやらかしてしまう羽目に。さらに、会場をNHKホールと解かっておきながら足が勝手にC.C.レモンホールに向かってしまったため、大慌てで戻る失態も。こんなところで迷ったことなんて一度もないのに。とはいえ、開演にはキッチリ間に合いまして、事なきを得たのでした。 
 座席は2階席だったのですが、左側のほぼ最前列だったので、ステージにかなり近く感じる距離でよく見えました。そういう意味では、かなりいい席だったかもしれませんナ。

 NHKホールといえば、年末の紅白歌合戦の会場でもありますが、今回のバンド・メンバーはほぼBONNIEが紅白に出場した時にバック・バンドとして一緒に出場した同士でもあります。
 で、MCの時に「NHKホールといえば、紅白以来ですねぇ」という話が出た時の会話。

奥野:「家族らに『今度紅白出るから』と言ったんですけど」
ボニー:「ソロで出る?」
奥:「いや、バックバンドでって言ったけど、大阪のおばちゃんだから、『BONNIE PINKの時に出るよ』って言ったら、なんか“色”がついてる人と一緒にやるとだけ憶えてたらしく」
ボ:「あ、ピンクね」
奥:「で、紅白観てる時指差したのが『オレンジオレンジやー!』って」
ボ:「オレンジオレンジも違うけど(笑)」
奥:「『あれ、真哉君あんな髪型とかしてたんかなぁ』とか。いないっちゅーねん(爆)」
ボ:「それで、BONNIE PINKを見逃した?」
奥:「いや、その後に、『あ、これやこれや』って言って見てたけど…その後で『バニーピンクか』とか言ってました」
ボ:「それも違ってるし(笑)」

 アイゴンはボニーの前に20歳くらいの時に一度紅白に出場してたらしい。「もちろんソロじゃないんですけど、モックン…の「東へ西へ」って曲の後ろで弾いてたんですよ」とか。

 あと、メンバー紹介する時に、最初Tシャツが青色だった八橋に「今日は…ボニー・ブルーですね」ってボニーが言い出したのをきっかけに、ボニー・イエロー(NANA)、ボニー・レッド(白根)、ボニー・ホワイト(高桑)とか、明らかにゴレンジャー世代の発言をし始めたり。(笑) 黄色い衣装のNANAに「黄色…といえば、カレー。カレー好きですよね?」とむちゃぶり。というか、黄色→カレー好き=キレンジャーという“アラフォー”世代の話題に突入しまくり(今日はボニーはアラフォー、アラフォー言っていたけど、まだ35歳だからアラフォーでもないと思うんだけど)。で、アイゴンの時に「ボニー…ブラックか…そんなのいたっけ」なんてまた無駄口ループ(笑)を投げかけるもんだから、「ここに黄色あります」とアイゴン。なのにボニーは「それじゃぁ黄色が2人に…」なんていうから、アイゴンは「NANAちゃんはグリーンでボクがイエローでいいじゃないですか」とフォロー。どうしてもゴレンジャーにしたいらしいボニー。すると突然アイゴンに「カレー好きですよね」と振るボニー。そこですかさず「好きですよ。加齢臭なんで」と、見事な受け方を披露。「そっちの“カレー”か…」とつぶやくボニー。んー、なんて結束力が強いバンドなんでしょうか。(爆)
 赤シャツを着ていた白根に「シャイだからマイク向けてみよう」と意地悪するボニーに、白根は「燃えてますかー!」と気合の一言。その後に「ボクは燃えてないんですけどね…」とボソボソ。ボニー・ピンク・バンドはいつもはドラムはアンソニー・ジョンソンなんだけど、やはりアンソニー同様、ドラムになる人は、ライヴ中に一回は叫ぶんだろうかね。謎。(笑)

 ま、そんなこんなで、アットホームな雰囲気のステージもありました。
印象的だったのは、「背中」の時に観客席に背を向けて始めたのと(今回の衣装は肩・背中が露出してありました)、「Forget Me Not」での人差し指天に突き上げつつのジャンプ、「Quiet life」の出だしのピアノを間違えて「ええ曲やのにぃ…」と泣きが入りながらやり直したり、アラフォーという時にかんでしまったり、とかかな。
 新曲の「chain」はデビュー曲「オレンジ」以来のクリスマス・ソングとのこと。本当は手と手を繋ぎ合わせ大きな円になっていって欲しいという壮大な愛の鎖を歌ったということだが、ダブルミーニングとしては、「chain」のシングルを買った人が、誰かに勧めて、その人がまたCDを買って…というチェーンメールならぬチェーンCDでよろしくということだった。(爆)グッズもいろいろあるんですが、私としたらグッズよりCD買って欲しいわ、と本音をつい漏らしてもいましたな。(笑) すぐに、「こんなこといったら、事務所に怒られちゃう」とフォローしてましたけどね。

◇◇◇

Bonnie_pink_ring_a_bell00 試金石。
 今年初め4カ月ばかり休養していたことで制作活動が遅れたのが原因かどうか定かではないが、新譜アルバム・リリースのないままのツアーの今回。福岡、名古屋、大阪、東京の大都市4ヵ所のみの公演は、地方のファンにとってはやや寂しい感じの日程となったか。昨年は日本武道館公演も経験、映画『嫌われ松子の一生』の主題歌「LOVE IS BUBBLE」のヒットから資生堂「アネッサ」CM曲「A Perfect Sky」が大ブレイクし、さらには国民的番組『紅白歌合戦』の出場という流れは、彼女の歌手人生においても絶頂期と呼べる時期であったことは間違いない。従来のファン以外にも注目されたなかで、今後の歌手人生を占うためにも試金石となるツアーだったといえる。
 蛯原友里出演のCM曲「A Perfect Sky」の大ヒットにより、一昨年の公演は追加公演が出るほどの盛況。ベスト・アルバム『Every Single Day』はこれまでの彼女のベストセラーを軽く越え、ようやくその認知度が知れ亘るなかで、新たに獲得したファン層をどう活かすか。一時期からは比較的自由でマイペースな創作活動を基本理念に据える彼女(それでも完全に自由ではなく、さまざまな制約があるとは思うが)が、大ブレイクという成功を獲得した一方で、それを維持しなければならないという営業面でのプレッシャーがのしかかっていることも事実。自己作風を維持したい気持ちとさらなるヒット曲生成への外部的圧力、これらは彼女だけに訪れるものではないが、それらにどう対応するかが課題の一つであることは確かで、推し量る意味でも、従来のように最新リリース・アルバムに縛られない、比較的にテーマ設定の自由度が高いライヴ・ツアーは、大いなる意義があったのではないか。

 ツアー・タイトルこそシングル「鐘を鳴らして」のカップリング「Pump It Up!」が冠されているが、曲構成を見ると、デビューからリリースしたアルバムなどからまんべんなく選曲されている印象。武道館公演などでも初めて彼女のライヴに来た観客が6割ほどいたことを考えると、「A Perfect Sky」あたりから彼女を知った人たちがかなり多い訳で、その人たちにとっては、CDなどで過去作を聴くことはあっても、実際生で過去作を体感する機会がそれほどないはずだ。その意味からも、過去作からまんべんなく選曲するというスタンスは、新規ファンに対してのアプローチとして間違ってないと思うし、古くからのファンに対しても、久々に聴ける曲があって感慨に耽るといった効果も得られると思える。そのベクトルはいいのだ。
 ただ惜しむらくは、各アルバムから数曲をピックアップしたのはいいが、ライヴの展開としてやや曲間の流れがぎこちない感じも受けたところか。楽曲それぞれに問題あるということはないが、1つ1つを淡々と演奏していく感じが、なんというか序盤の期待感、中盤の意外性、終盤へのグワーッと盛り上がるクライマックスへの高揚感みたいな、空気のうねりを生むことに多少欠けた印象をもってしまった。定番曲を含めたマイナー・ベスト的な選曲という見方もあるが、それほどマイナーな曲ばかりという訳でもない。むしろ、セレクトというよりも、その配置(もちろん、その配置、流れを意識するゆえの選曲も必要だが)のバランスが考慮されていてもよかったか、というのが思うところではあった。
 まぁ、ファンというのは過度の期待をするもので、それがビッグ・ヒットの後ならなおさら。パフォーマンスという観点からすれば、彼女のヴォーカル・ワークは充実したものであったし、さらにそれを支えている強力な実力を持ったバックの演奏は、いつもながら高い質と安定感をキープしていて不安要素は何一つなかったのだから。

 当日、クリスマス・ソング「Chain」のリリースが情報解禁され、さらに新年早々のアルバム・リリースに向けて、さらなる創作活動をするという。そうなれば、またアルバムを冠したツアーが行なわれると思うが、絶頂後の安定期を迎えるためにも、ステージ構成をより深めたライヴへさらなる発展を願うところだ。


◇◇◇

<SET LIST>

01 Tonight, The Night (Album from 『Present』)
02 Your Butterfly (Album from 『evil and flowers』)
03 Anything For You (Album from 『Thinking Out Loud』)
04 1・2・3 (Album from 『Even So』)
05 Communication (Album from 『Just a Girl』)
06 Private Laughter (Album from 『Even So』)
07 I just want you to be happy (Album from 『Even So』)
08 under the sun (Album from atami『Under The Sun』)
09 Present (Album from 『Present』)
10 Quiet Life (Album from 『evil and flowers』)
11 背中 (Album from 『Blue Jam』)
12 You Got Me Good (Album from 『Golden Tears』)
13 Forget Me Not (Album from 『evil and flowers』)
14 Wildflower (Album from 『Present』)
15 鐘を鳴らして (The Latest Release SINGLE)
16 Last Kiss (Album from 『Present』)
17 So Wonderful (Album from 『Golden Tears』)
18 Pump It Up! (The Latest Release SINGLE)
19 A Perfect Sky (Album from 『Every Single Day』)
20 Heaven's Kitchen (Album from 『Heaven's Kitchen』)
≪ENCORE≫
21 Chain (Acoustic Ver.)(NEW SONG)
22 Ring A Bell (「鐘を鳴らして」English Ver.)
23 LOVE IS BUBBLE (Album from 『Every Single Day』)

<MEMBER>
BONNIE PINK(Vo/G/Key)
會田茂一(G)
八橋義幸(G)
高桑圭(B/Band Master)
奥野真哉(Key)
Nana(Per)
白根賢一(Dr)


◇◇◇

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 ふと、自分は「どうしてボニピンの曲が好きなのか」なんてことを考えたりして。
どちらかというとロック寄りな曲が多い気がするし。ポップな部分に共鳴するのは当然だからいいとしても、ブラック/ソウル好きが触れる要素があるのかと。
 でも、ときどき、ソウルっぽい要素がチラチラ垣間見られたりするんだよなぁ。ややマイナーなラインのメロディとか、陰影のあるヴォーカル・スタイルだったりとか。基本的にはノれる曲の方が好きだから、それはそれでポップやロックなどその調子に関わることなく気に入ることが多いのだけど、ちょっとネガティヴというかダークというか、そういう濃密さやエロティックな部分が感じられると、共鳴する部分があるのかもしれない。一時期のジャパニーズR&Bシンガーに多かったでしょ、そういうところが。(笑) ヒットしてしまうとそういう部分が失われていってしまう例がよくあるんですが(クリスタル・ケイとかSoweluとか。クリには当初から大いに期待していたのでポップ全開になりつつある今でも追いかけてますけど…苦笑)、そのあたりを持ち続けていると個人的に感じちゃってるんだと思う。だから、「Heaven's Kitchen」や「Do you Crush?」とかは他の人ほどのめり込まない気もするし(もちろん好きじゃないということではなくて)、逆にフェイヴァリットの1つが「泡になった」のような曲だったりするのも、その濃密さを特に感じているからかもしれない。ネガティヴ過ぎるのも嫌なんだけども。(笑)
 そういう意味で、その濃密さ=日本的ソウルネスが感じられる人に食指が動いたりするんだろうな、と。だから、宇多田ヒカルも好んで聴くし、嶋野百恵なんてその最たるものなんだけど……、まぁそんな話はまた別の機会にでも。(苦笑)

 ということで、本日の独断と偏見で選んだMVS(Most Valuable Song)は「Last Kiss」で。だって「Tonight, The Night」が初っ端だったりするし。いや、そういう展開でいいんですけどね。(笑) あと、『Golden Tears』の曲は好きなんだなぁと実感……と思って、今さっきCD棚探してみたんですが見当たらないんですけども。(汗;) 最近、こういうのが多くて困るなぁ。(なんだ、この締めは)

 当日はともさかりえ、篠原ともえ、坂本美雨、山田タマル、スカパラの大森はじめらがいた模様~。

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