*** june typhoon tokyo ***

FC東京×鹿島@国立【天皇杯】

■ 元日国立ならず

 
 名義上ではアウェイ側に陣取ったが、ここは“俺たちのホーム”国立だ。相手はマルキーニョスや岩政が出場せずとも強力な元王者、鹿島。失うものはない。準々決勝の奇跡的な同点劇から息を吹き返した東京が、初の元日国立を目指して戦った。
 
 39分、リカルジーニョからのクロスを平山が豪快なバイスクル・シュート。バーに当たったところを椋原が詰めてゴール! 結果平山のシュートの時点でゴールインが認められて、平山の先制弾で東京が先制し、前半を終える。

 だが、鹿島はしたたかだった。後半、決定機に追加点を奪えずにいると、鹿島は本山を投入。アクセントが生まれると、試合序盤からマークが外され気味だった野沢のヒールパスから宮崎のダイレクトクロス、それを大迫がヘディングで決めて同点。東京は鈴木に代えて石川を投入するが、それほどパスが石川へ渡らない。リカルジーニョは足を痛めたようで、攻めあがるタイミングがあったものの、いつもの豪快な直進ドリブルは見せず、スローダウンして見方へのパスを選択、自分で打てるチャンスも消極的だった。この時点でリカルジーニョに代えて大竹や松下あたりを投入するかと思いきや、椋原に代えて大黒。リカルジーニョは足の影響からかクロスの精度も低かったので、何故残したのかは不可解なところ。延長戦のことも考慮したのだろうが、大黒の投入も89分と遅く、やや決断が鈍ったのかもしれない。

 延長に入ると、疲弊した東京守備陣を鹿島が襲う。とはいえ、鹿島もそれほど躍動していた訳ではなく、シュートやパスのミスも多かった。ただし、ここぞというところでの動きはさすがで、95分に野沢を止めに行った米本が2枚目のイエローで退場。1人少ない状態で残りを戦わざるを得なくなった。

 結果としては、選手交代の迷いが米本の退場によりさらに後手を踏むことにつながり、110分にようやくリカルジーニョに代えて大竹を投入。鹿島の攻撃を受ける一方となったが、必死で猛攻を食い止める。延長戦もロスタイム、ほぼ終了と思われたが、本山から大迫へ出されたのち、ゴール前の混戦で興梠がゴールを決めて逆転。同時に笛が吹かれ、FC東京の2010年は幕を閉じた。

 前半からミスも多く見られたが、それを補って余りある献身的なチェイスや気概が今日の試合にはあった。今年の東京であれば、前半で疲弊し後半で大失速するパターンだが、同点にはされたものの、平山や鈴木が前線から追い、今野やキムヨングンもよくカヴァーをした。そういう意味では、この試合に賭ける気持ちを見せてもらったと思う。しかしながら、最後の最後で失点してしまうということは、それでも何かが足りないということだろう。10人の戦いということもあるが、目前のPK戦突入に気を許した結果もあるのではないか。常にチームとして個々の選手が意識を通じ合わせ、ゴールという目標に向かって一致団結出来る……そのような意識を常に宿らせていられるか、否か。鹿島は断続的ではあってもそれをここぞというタイミングで実行する一方で、東京は目の前の事態への対処で視野を奪われ、巧者・鹿島に屈した。タレントは豊富であると言われる東京が、勝ちきれない試合を多くし、J2降格という憂き目にあったのは何故か。その答えの一つがこの試合にもあったのではないかと思う。

 とにもかくにも、2010年のFC東京は終わった。これからチームを去るもの、新たに加わるもの、さまざまな出入りがあるなかで、2011年のJ2開幕を迎えることになる。何が必要で何が欠けていたのか。個々もそうだがチーム全体でその原因を突き止め、真の戦う集団として来季を突き進んで欲しい。


◇◇◇
 

天皇杯 準決勝

2010/12/29 国立競技場

FC東京 1(1-0、0-1、0-0、0-1)2 鹿島

【得点】
(東):平山(39分)
(鹿):大迫(67分)、興梠(120+1分)
 
観衆:25,120人
天気:曇のち晴


<メンバー>

20 GK 権田修一
33 DF 椋原健太 → 39 FW 大黒将志(89分)
03 DF 森重真人
06 DF 今野泰幸
17 DF キムヨングン
10 MF 梶山陽平
07 MF 米本拓司
02 MF 徳永悠平
16 MF リカルジーニョ → 19 MF 大竹洋平(110分)
11 FW 鈴木達也 → 18 MF 石川直宏(72分)
13 FW 平山相太

01 GK 塩田仁史
08 MF 松下年宏
22 MF 羽生直剛
24 FW 重松健太郎 
 
 

◇◇◇
 
Fctokyo2010122901
鹿島ゴール裏。

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東京ゴール裏。

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“元”王者が牙を剥くか。

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東京、ユルネヴァ中。

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選手がピッチへ散る。

Fctokyo2010122906
試合開始直前の円陣。
死に物狂いで元日国立を奪い取れ!

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平山のスーパーオーヴァーヘッドで先制!!!!!
国立でのヤツは何か“もって”いる。

Fctokyo2010122908
延長戦へ。

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タイムアップでPK戦間近、興梠のゴール。そのまま笛で終戦。
ピッチへ倒れこむ東京の選手達。

Fctokyo2010122910
試合終了の整列。
元日は清水×鹿島の決戦に。
 
 
◇◇◇

試合前のコンコース、どこかで見た顔だなぁと思ったら村林社長だった。
サポーターの声に低姿勢に対応していたのが印象的だった。
ひとまず、お疲れさまといいたい。

平山のオーヴァーヘッドゴール
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それにしても、平山の国立ゴール度は半端ない。
国立がホームだったら降格しなくて良かったかも。(苦笑)
 
 
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最後のワンプレーを教訓に、胸に刻みつけて来季へ向かおう。
 


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