勝利という条件をクリアして、準決勝進出決定。
台風接近で開催も危ぶまれる中、ルヴァンカップ準決勝へ向けての雨中の決戦は、FC東京がアウェイゴール2得点と無失点により、2戦合計1勝1分け、3対1で、次のステージへ駒を進めた。
勝利しかない状況がかえってシンプルになったというのだろうか。FC東京は前半から攻撃を仕掛ける積極性を見せていた。ユ・インス、中島翔哉という若い選手たちがゴールへ向かう場面など、スロースターターというかなかなか素早い攻撃に出ない試合が続いていただけに、こういった姿勢は評価出来る。ただその一方で、チャンスを決め切れないでいると、相手へ一瞬にしてその流れが行ってしまうことも少なくない。25分、福岡のダニルソンのCKを濱田が頭で合わせてネットを揺らした場面は、福岡の接触プレーでのファウルによってノーゴールとなったが、このゴールが決まっていたら、試合展開は全く異なるものとなっていた。
その後、30分にエリア外中央で梶山が相手の一気に詰め寄ったプレッシャーをかわしてパスを出すと、前にスペースが開いたところを田邉がフリーでテクニカルな浮き球ミドル。これが相手GKの手をかすめてゴール右上隅に決まり先制。2戦合計で福岡を上回ることに成功。前半を1対0で折り返す。
後半序盤から得点を獲りに来た福岡の勢いに受け身になり、55分前後から福岡にシュートチャンスを与える場面が散見。この後も福岡の攻勢が続き、トータルで放ったシュートはFC東京が6本に対して、福岡がそのほぼ倍の11本。もちろん、シュートの質としては福岡はエリア外からの枠外ミドルが多く、東京は枠内シュートを多く放っていたことを考えると、単純にシュート数の比較をしても意味はないが、立ち上がりの10分など、大きく試合が動き出しやすい時間帯に相手のボールを支配されていることは、あまりいいことではない。この日の福岡は決定機となる場面が少なからずあったが、そこでの精度やそこに至るまでの展開でのミスが自チームに流れをもってこれなかった要因の一つだったと思う。逆に、東京として考えれば、福岡の精度の低さやミスに助けられた場面もあったということ。シュートを打たせない守備や連係というものを再度確認し、修正していく必要がある。東京は今季リーグでは2敗、先日のルヴァンカップ準々決勝第1戦もアウェイゴールをぶち込まれてドローで終わるなど勝てていない福岡だったが、冷静に考えれば、リーグ最下位のチーム。このあたりで押し込まれたり、劣勢が続いているとすれば、先に進める力がないということなのだから。
東京はその後、73分に中島が中央で受けたスルーパスを右サイドの東へはたくと、その東が切り返したところで後ろから追いかけてきたダニルソンのファールを誘発。獲得したFKを東が相手GKとDFの間を走るライナー性のクロスを送ると、福岡DF3人が戻りながら足や身を投げ出すも届かずボールがファーへ流れるところを、後方左から走り込んできた高橋秀人が頭で合わせてゴール。2戦合計3対1、さらにはアウェイゴール2発で、福岡は3点を取らないと東京を上回れない状況となり、ほぼ試合を決定づけることに。その後の福岡の攻勢も跳ね返し、無失点の2対0で試合終了。合計スコア3対1でFC東京の準決勝進出が決定した。
森重、丸山、ネイサン・バーンズが代表で、さらには怪我でムリキを失ったFC東京だったが、ボランチに梶山を入れてゲームメイクさせたのが今回は奏功。ユ・インス、中島らがアグレッシヴに攻守に動いたこともあり、吉本一謙、高橋のCBへの負担も多少なりとも軽減した結果、攻守ともに結果を残せたということになろうか。
ただ、次の準決勝の相手は浦和。今回同様、代表で上述の森重以下の出場が見込めそうにない状況だ。近年、浦和には勝てずにいるだけに、ここでそろそろ負のイメージを払拭したいところ。特に第2戦はアウェイ・埼玉スタジアムでの試合となるだけに、まずは初戦ホームを何とか勝利で終わりたい。少なくともアウェイゴールをさせないよう、注力しなければならない。1ヵ月後までは時間がある。リーグ戦でしっかりとチーム力を構築、上昇させていき、良いコンディションで浦和を迎え撃ちたい。
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【YBCルヴァンカップ 準々決勝第2戦】
2016年09月04日／レベルファイブスタジアム／19:04キックオフ
観衆：8,060人
天候：曇一時雨、無風
気温：25.7度／湿度：79％
主審：扇谷健司／副審:西尾英朗、清野裕介／4審：榎本一慶
福 岡 0（0-1、0-1）2 FC東京
得点：
（福）：
（東）：田邉草民（30分）、高橋秀人（75分）
≪スターティングラインアップ≫
47 GK 秋元陽太
06 DF 室屋成
29 DF 吉本一謙
04 DF 高橋秀人
02 DF 徳永悠平
10 MF 梶山陽平
27 MF 田邉草民
17 MF 河野広貴 → 橋本拳人（63分）
38 MF 東慶悟
39 MF 中島翔哉 → 羽生直剛（84分）
32 FW ユ・インス → 前田遼一（72分）
≪サブスティテューション≫
31 GK 圍謙太郎
22 MF 羽生直剛
34 MF 野澤英之
37 MF 橋本拳人
48 MF 水沼宏太
09 FW 平山相太
20 FW 前田遼一
≪マネージャー≫
篠田善之
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【YBCルヴァンカップ】
≪準々決勝≫
第1戦 2016/08/31(水)19:30△FC東京 1-1 福 岡（H・味スタ）
第2節 2016/09/04(日)19:00〇FC東京 2-0 福 岡（A・レベスタ）
≪準決勝≫
第1戦 2016/10/05(水)19:30 FC東京×浦 和（H・味スタ）
第2節 2016/10/09(日)14:00 FC東京×浦 和（A・埼 玉）
≪決 勝≫
第1戦 2016/10/15(土)13:05 未 定×未 定（埼 玉）
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