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おさな子

2015-06-20 18:06:07 | 日記・エッセイ・コラム
今回は私自身の記憶について書く。小学2年か3年のとき、海で溺れかけた記憶である。
房総の海で波乗りをしていたとき、大波にさらわれたのである。体が海底をゴロゴロ沖の方に転がっていくのがはっきりわかった。突然寄せ波が来て私の体は浜に打ち上げられた。立ち上がると水は踝くらいの高さだった。音(波の音も)は何も聞こえず、すべてがとまっているようだった。その先の記憶は何も残っていない。不思議だったのは水をまったく飲んでなかったことである。その間どれくらいの時間がたっていたのかわからないが、呼吸を全然していなかったのである。口にも胃にも肺にも鼻にも水はなかった。

おさな子

2015-06-13 14:02:06 | 日記・エッセイ・コラム
エレベータの中へ、乳母車に乗った幼児が入って来た。丸顔に眉は逆八の字、丸い目は鋭く、私は「将来日本を背負ってたつ。」と呟いた。これを聞いて周囲の数人が頷いた。母親は「そんな」と謙遜の表情。そのまま扉が開き、皆散っていったが、少し離れたところから「日本を背負って立つか」という父親の何か嬉しそうな声が聞こえてきた。

おさな子

2015-06-06 09:54:01 | 日記・エッセイ・コラム
ある日混んでいるエレベータに母親が女の子を抱いて乗ってきた。女の子は激しく泣き叫んでいた。たまたま私とその子が向かい合ったとき、私は「どうしたの、そんなに大きな声を出して?」とその子に声をかけた。その子は、すっと泣き止み、まぁるい目を真丸にして私を見つめ、それから母親の胸に顔を伏せてしまった。その背中に私は「ママのいうことを聞いて良い子だね。」と声を重ねた。やがてエレベータの扉が開き、皆散っていった。

おさな子

2015-05-30 19:25:23 | 日記・エッセイ・コラム
町を歩いていたとき、向こうから歩いてきた母子連れがあった。そして、私の直ぐ前で男の子が何かに躓いて転んだ。一瞬泣き顔になったその子に、私は「僕、強いな!」と声をかけた。するとその子はスット立ちあがり、母親を従えて堂々と歩き始めた。(と私の目には映った)


おさな子

2015-05-23 23:27:42 | 日記・エッセイ・コラム
孫がまだ幼かったころ、ある日遊びに来てさんざんおもちゃで遊んで帰っていったことがある。帰ってから、散らかったおもちゃの後片付けをしたところ、20個ほどあった木製の小球がひとつも見当たらないのである。そして数日過ぎた後、偶然ソファのカバーの布の重なって袋状の襞になっているところから小球がまとめて出てきたのである。二人でせっせとそこに玉を仕舞って帰っていったのである。この片付けの才能に感嘆したものだった。