goo blog サービス終了のお知らせ 

じょいじょぶろぐん-JOYJOBLOGUN-

JOYJOBメンバー他では言わない自身の秘密?!を毎日更新

Re.1998.1.22

2009-01-22 13:12:41 | 旧メンバーブログ
重い沈黙 闇に乗せて

タクシードライバー
届いていますか 会話の風景

タクシー約4万9000台が大都会・東京の街を走りまわる。

運転手のひとりである片岡さんは、このごろ、
肩越しのやりとりで変化を感じ取っている。

かつてはタクシーはぐちの吹きだまりだった。
それが不況が長引いて、ぐちも会話も消えてしまったんじゃないか


肉屋の配達員、バーテン、旋盤工
さまざまな業種を経験した後の、1983年
この業界に飛び込んだ。

大学卒の初任給が13万円だった時代に、
20万円という給料にひかれた。

ちょうど、円高不況の直前だった。
「あのころは、まだすぐに何とかなるという感じで、
 元気があった。」


やがて、かつてなかった活況の時代が街をつつみこんだ。
客もおもしろいようにたくさんいた。

終電がとっくに終わった午前1時台に、タクシー帰宅する
サラリーマンも大勢いた。

「上司が無理やり働かせる。」
「サービス残業ばかりだ。」
景気がよくても、ぐちをさんざん聞かされた。
泥酔客の嘔吐にも、よく困らさせた。

ぐちも時代を反映する。
バブル経済が崩壊して、矛先は政治に向けられた。

「橋龍は何をやってるんだ。」
「消費税が上がってから、商売あがったりだ。」

不況下のなかで、運転手になる人は増えている。
中高年層や女性、異業種からの転身が多い。

都内一の台数を抱える日本交通では、
年に600人は新たに入社する。

研修は、法令や地理の勉強が中心だ。
接客はマナーなどの約3時間だけに過ぎない。

多摩地域を走るベテランの運転手がもらした。

「みんな初乗り料金の660円ばかりだといらいらして。
 なかには腹のたつお客さんもいる。」

「でもね、お客さんから思いがけない面白い話を
 聞かせてもらうと、いらだちもどこかに消えちまうんだよ・・」

不特定多数との客の出会い。
すさんだ気持ちにさせられることもあれば、安らぐこともある。

(朝日新聞 1999年1月22日 届いていますか 会話の風景より
 一部抜粋)

今月、大阪でタクシー運転手が襲撃される事件が相次いだ。
車内という密室した空間で、お客との距離が近いタクシーは、
バス、電車、新幹線、飛行機など、ほかの乗り物と比べると、
襲撃しやすいこともあるのだろう。

テレビでたまに特集を組まれるように、決して
タクシー運転手は裕福な人が多いわけではない。
むしろ、最低限の生活をギリギリでしてる人も少なくないだろう。

ノリ自身、タクシーの思い出というと、
いくつか思い出すのもある。

修学旅行で乗った大阪のよくしゃべるタクシー運転手
急いで病院に行った時に無言で到着すると、
「母のおつりはいらないです」と緊迫した状況のタクシーも
心に残っている。

タクシーに乗るとき、乗客の心情というのは様々である。
だからこそ、タクシー運転手など、自分に全く関係のない人に
ぶつけられる想いがあるように感じている。

親しい人だと言いづらくて、全く関係のない人、はじめての人なのに
こんなことまで、しゃべってしまったという経験はないだろうか?

運転手は乗客だけでなく、想いも車にのせて、走っている気がする。

愚痴もこぼすことが少なくなり、自分の中にためてしまい、
うつ病になる人も少なくないのだろう。

タクシー運転手が襲撃されることが今後少なくなること、
そして、ちょっとした愚痴をもらすことのできる車内の空間で
あることを願うばかりである。






最新の画像もっと見る

コメントを投稿