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JOCV(青年海外協力隊)スウェーデン在住OB・OGの会

現在スウェーデン在住のJOCV参加経験者の女性2名が、2015年に偶然出会った結果生まれたブログです。

いよいよ春の到来(らしい)

2018-04-08 21:26:29 | ネットワーク
 日本では春が訪れる時期の気候を三寒四温と言いますが、こちらストックホルムもほぼ似たような状態です。今日は市内では日中の気温が15度にまで上がり、最近までの寒さで縮こまっていた春一番の可憐な花スノードロップも、ようやく頭を持ち上げました。明日も朝の最低気温が4度で日中は9度くらいまで上がりそうなので、とりあえず暖かさが続くようですが、春の気候は油断がなりません。先週は朝の出勤時の気温が毎日零下5度とか6度でしたが、こういう気温がぶり返さないという保証はないのです。

 昨日はスウェーデン人の友人の60歳の誕生日パーティに招待されていました。モルドヴァ出身の私の友人のご主人なのですが、彼らが最近引っ越したアパートの住人が共同で所有する多目的室があって、そこで手作りのパーティでした。友人たちがみんな何か食べ物を持ち寄ったのです。私は友人からのリクエストで、春雨の中華風サラダを作って持って行くことになっていました。最近着物を真面目に着始めた私は、お祝いの集まりなので赤い鮫小紋の着物に、母が若い頃に使っていた作り帯を締めて出かけました。実は着物は着崩れてくるし、帯の締め方もちょっと変で、帯揚げは本当は帯からあまりはみ出していない方がいいのに、いくら帯の中に詰め込んでも上がってきてしまって、とても変だったのですが、幸い日本人は私一人だけ。誰も私の着物の着方がちょっと変だなどとはわかりません。「素敵ね」とか「エレガントね」などと言われて喜んでいて、着付けがなかなか上達しない私です。上の写真に写っているのは、みんなロシア語を話す友人たち。私には東欧出身の親しい友人が多いのです。

 さて前回の投稿で、最近はよく映画を見ていることをお伝えしましたが、その後も週末には続けて映画を見に行きました。一本はダイアン・クルーガーの「女は二度決断する」。これは実に重い映画でしたが、良い映画だと思いました。ダイアン・クルーガーがとても良い演技をしていました。これから見ようと思っている人がいるといけないので詳しいことは書きませんが、お勧めの映画です。

 その翌週、復活祭の月曜日に見に行ったのが「マグダラのマリア」。この映画は復活祭の連休の間に見ようと取っておいたのでした。こちらは特に熱心に勧めたいと思う映画ではありませんでした。今年はユダヤ教の過越の祭とキリスト教の復活祭が同時期になったのですが、私は過越の祭の方により強い興味があります。この映画を見て、キリストを磔にしたのはローマ人なのに、ローマがカトリックの本家本元みたいになってるなんてすごい歴史の変遷だなどと考え始め、少し真面目に旧約聖書でも読もうと、以前アマゾンからKindle版で買ってあった旧約聖書を読み始めました。するととにかく様々な人物が出てきて、その多さといったらロシア文学の比ではなく、誰が誰の息子さんで誰と結婚して何という名前の子供が生まれたのかなど、ちょっと油断をすると関係が全然わからなくなってしまいます。でも読み物としては面白いですね。

 割と最近、Facebookで青年海外協力隊OBOGのグループというのに加えていただいたのですが、このメンバーが2000人を超えたのだそうですね。そしてつい昨日のこと、あるインドネシアの看護隊員OGが投稿してらして、昭和63年1次隊と自己紹介されていました。私も同じ隊次なのですが、私たちは訓練所が違ったので(彼女は駒ヶ根で私は今は無くなってしまった広尾)会うことがなかった旨コメントを書いたら、そこから対話が始まり、なんと今年の夏私が帰国する時に会おうということに。車で成田まで迎えに来てくださるという申し出までいただいて、なんだか一度も会ったことがない人のような感じがしません。面白いですね。

 今年も桜の季節に帰国できず、職場が引っ越しをするために秋の紅葉の時期にも帰国できないので、暑くて蒸し蒸しする夏に帰国予定です。桜の時期には毎年すごいホームシックになり、今年は特にそれがひどくて、桜が咲いている1週間は毎日人知れず涙ぐんでいました。桜の季節が終わったらそれも無くなりました。こちらにも桜があり、毎年日本人会が桜祭りを行うのですが、ソメイヨシノではありません。やはりソメイヨシノが一番恋しいですね。

最近見た映画

2018-03-10 13:21:30 | ネットワーク


 今日はもう一本投稿します。3週末に渡って映画を見に行きました。まず3週間前の週末は、スターリンが亡くなった後の権力抗争をコミカルに描いた”スターリンが死んだ”。これはコメディと言ってもすごいブラック・コメディで、確かに笑える場面もたくさんあるのですが、銃殺の場面などもあり、笑ってばかりもいられない映画でした。

 その翌日見に行ったのが”ザ・ポスト”。主演がトム・ハンクスとメリル・ストリープですから、きっと良い映画に違いないと予想はできました。民主主義とか報道の自由とか、大切なものが危機にさらされている時に、それを守るために身の危険を覚悟して決断をするという、私の周りのスウェーデン人の間では垣間見られない強い態度に好感を覚えました。

 翌週末は、私の好きな自然歴史博物館の中にあるコスモ・ノヴァという映画館で、”美しい惑星”という45分ほどの短い映画を観賞。国際宇宙ステーションの内部や、そこから見た地球の映像、温暖化によって変わりつつある地球の映像の時系列的比較など、とても興味深い映画でした。上の写真に写っている女性宇宙飛行士も登場人物の一人で、この写真は日本語版ナショナル・ジオグラフィックから取ったものです。とても興味深かったのは、地球上の都市の夜の様子を写したもの。もちろん大都市の周りは明るく輝いています。朝鮮半島の夜の光景がとても印象に残っています。韓国はソウルがとても明るく、全国的に明かりが散らばっていますが、北朝鮮は平壌の周辺だけが少し明るく、残りは真っ暗。違いが強烈に浮き彫りになっています。この映画はチャンスがあればお勧めです。

 先週見に行ったのは、アカデミー賞をいくつもさらった"The Shape of Water"。私はファンタジーものが結構好きなので見に行ったのですが、正直なところそんなに騒ぎ立てるほど素晴らしい映画だとは思いませんでした。

外は雪、でもそろそろ夏休みの準備

2018-03-10 11:39:04 | ネットワーク


 寒い日が続いた2月が終わり、3月に入っても寒い日が続いていたのですが、一昨日当たりから雪の中にも何となく春の気配が感じられるようになって来ました。春になるとやって来る、首に白い輪の模様がついた鳩のつがいを2日前に見たと、夫が言っていました。昨晩はドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲を聴きに行くためにバス停でバスを待っていたら、なんとクロウタドリが歌の練習を始めているのが聞こえてきました。クロウタドリは市内でも普通に見かけられる鳥で、オスは全身が真っ黒ですが鮮やかなオレンジがかった嘴を持っていて、春から夏にかけて高いところにとまって高らかに歌を歌います。とても愛らしい鳥です。

 さてご存知の方も多いかと思いますが、スウェーデンでは夏休みが最高4週間まで連続して取れます。小さい子供さんがいる親御さんは、この標準の夏季休暇に加えて親休暇というものを取ることができるので、4週間以上連続の休暇も可能になります。もちろん希望すれば自動的に許可されるというわけではなく、職場の状況によってそれが実現できない場合もあると思いますが、権利としてはあるということです。

 夏休みの期間というのは大体において、夏至祭が終わった後から7月一杯ですが、私の職場では8月の最初の週も夏休みモードに入れられていて、治療のために予約を入れる患者さんの数を制限しています。病院なのでみんなが一斉に休むわけにはいかないので交代で休むのですが、私の職場は救急の患者さんが来るところではないので、毎年夏に2週間ほどセクションが閉鎖になります。私がここに勤務し始めた2016年以前には、7月の最後の2週間を連続で閉鎖していたらしいのですが、2週間も連続で治療が受けられないのは子宮頸癌の患者さんにとって良くないというドクターたちの主張により、7月の半ばの第29週を閉鎖して翌週は再開し、その翌週にまた閉鎖するという飛び石閉鎖になりました。その場合、飛び石の間の週も休暇の希望を出して連続4週間休む人もいれば、飛び石の前後に休みをつける人もいます。概ね4週間連続で取るよりも、夏は2−3週間だけにして、残りは別の機会に取りたいという人も多くいます。

 今年もどうやら飛び石閉鎖になりそうなのですが、まだどの週が閉鎖になるかは正式には決まっていない状態です。それは3月末までにははっきりし、3月末には夏の休暇の予定がすでに確定するという次第です。スウェーデン人が休暇、特に長期休暇である夏休みにかける情熱はものすごく、そのエネルギーを仕事に費やせばもっと良い仕事ができるのに。。。とつい考えてしまう私は、22年もスウェーデンに住んでもやはり日本人です。私自身はというと、今年はチベットのカイラス山まで行く予定なのですが、こちらが夏休みの間はチベットの気候が良くないので、5月31日にストックホルムを出発し、6月1日(奇しくも私の誕生日)に北京について翌日ラサまで飛んで、北京を出るのは6月15日という日程で全て予約しました。本当は数日早く出発したかったのですが、5月29日と30日に新病院に引っ越すにあたって様々な趣味レーションが行われるのでそれに参加せざるを得なくなり、出発を31日まで延ばしたのです。

 私の勤めるカロリンスカ大学病院は、数年前から工事が始まって新しく建てられた病院の建物に順次引越しをしていて、最近は引越しにまつわる具体的な準備などのミーティングが時々あります。私の直属の上司などは毎日のようにミーティングで留守で、いくら病院全体が引っ越すとはいえ、一体何をそんなに話し合うことがあるのだろうと訝ると同時に、ミーティングが大嫌いな私はそんな上司が気の毒にさえなります。もし私が毎日ミーティング漬けだったら、精神を病んで自殺でもしでかしてしまうのではないかと思うくらいです。

 ところがこの新しい病院、当初の建設予算からべらぼうに予算が跳ね上がって、連日メディアで非難轟々の有様だったのですが、すでに引越しを済ませた部署がいざその新しい建物を使い始めてみると、信じられないような不出来が続々と暴露され、これも連日メディアの笑い草の記事になっています。患者さんの安全を確保するためのアラームがうまく作動しないとか、手術室の何かがきちんと作動しないなどというレベルは愚か、入院患者さんのシャワー室の床の傾きが間違っていて、水が排水溝に流れずに逆に流れて部屋が水浸しになるなどという、信じられない基本的な設計ミスまでが暴露されました。建築に関して特に教育を受けていない私でも、水は高いところから低いところに流れるという常識は持っており、もし私がこのシャワー室の建設を任されたら、絶対に水が排水溝に流れるようにできる自信さえ湧いてきます。本当にひどい状況です。

 この新病院の建設にあたっては、いわゆるコンサルタントという人々がたくさん関わってきたのですが、コンサルタントからの、業務請負の詳細を記載した請求書もなしに莫大なお金が支払われていたという、信じられないほど杜撰な会計も暴露されました。ちなみに私はスウェーデンで”コンサルタント”とか”エキスパート”などと名乗る人たちは全然信用しないことにしています。そんな暴露が次々になされる中で、看護スタッフのお給料は一行に満足いくレベルで上がらず、私が勤務する癌クリニックでも、経験を積んだ優秀な看護師が続々と辞めてしまうという危機状態です。

 ここで少し説明しますと、カロリンスカ大学病院はストックホルム県政府が経営しており、私は日本風にいえば地方公務員とでもいうのでしょうか。この県政府に雇われている看護スタッフのお給料の乏しさは以前から話題に事欠かないのですが、それでも北欧で最大の大学病院という誇りも手伝うのか、劣悪な労働条件と乏しいお給料でも健気に勤務し続けてきた看護師が、続々と辞めて行くのです。看護師不足は深刻なので、他で仕事を探すのは容易で、経験のある優秀な看護師なら、私立病院に移れば日本円にして4万円から7万円くらいのお給料アップも珍しいことではないので、そうしない手はないという雰囲気です。私が勤務している放射線科では、看護師たちは放射線看護師として特別な教育を受けており、放射線治療を行う病院の数はストックホルム圏では限られているので、それを理由に辞めずに頑張ってきた看護師も多いようですが、放射線看護師ではなくて普通の看護師として勤務できる病院はいくつかあるので、つい最近放射線科の看護師がごっそり辞めて、現在危機状態です。

 私は職場まで歩いて15分くらいで通えるので、たとえお給料が安くてもここは辞められないなぁと考えてきました。ところがここにきていくつか出来事が重なって、気分としてはカロリンスカを辞めようかなぁという方に傾き始めてきました。癌クリニックはとても面白いので、仕事の内容を考えれば辞めたくはないのですが、組織上の問題や、長期的展望に立ったビジョンが見られないこと、放射線機器の購入に伴い賄賂が流れたというもっともらしい噂、未来へのビジョンを持って頑張っているドクター達を排除するような態度など、嫌なことが重なってきたので、これからは近くにある別の病院の求人にも目を配ろうと今朝決心しました。
 

もう2月

2018-02-04 13:38:36 | ネットワーク
 つい先日元旦を迎えたような気がしますが、気がついたらもう2月になっています。日本では記録的な寒さの冬らしいですが、ここストックホルムは今までのところ比較的平穏な冬日が続いています。早朝の最低気温が零下6度くらいになったことはありますが、それも稀なことで、最近は雪がちらつく日が続いているとはいえ、深く積もっているわけでもありません。今も窓の外では牡丹雪が舞っていますが、おそらくそれほど積もることはないでしょう。

 先週の日曜日、1月28日はストックホルム日本人会の新年文化祭でした。ただの新年会ではなく、新年文化祭とうたっている通り、様々な文化的催しがあります。その一つが以下の写真にある和太鼓の演奏。私は和太鼓が大好きで、機会があれば是非習いたいと願っています。実は時々有名な和太鼓の先生がストックホルムに来て、1日の集中訓練を受けて翌日は東アジア博物館で演奏するというプログラムがあり、私は1度申し込みをしたことがあります。ところが運の悪いことにちょうど演奏の日に別件の大切な用事が入ってしまい、結局キャンセルすることになりました。和太鼓も魅力ですが、昔から岩手県の鹿踊り(ししおどりと発音)に興味があり、これこそ心の底から習ってみたいものですが、スウェーデンではまずチャンスはないでしょう。



 この文化祭では、他にも書道家による書道の実演、弦楽四重奏、ピアノ伴奏によるオペラ歌手の歌、尺八演奏、日本人会会員によるコーラス、弓道の実演などがありました。子供たちのためには、日本の子供の遊びなどのコーナーもあり、他都市から家族で参加した友人の子供さんたちは、けん玉で遊んで楽しそうでした。最後にはお餅つきもあり、子供達が杵でお餅をつきます。子供の頃に実家でお餅つきをしたのを懐かしく思い出します。実家には子供用の小さな杵があって、大人たちがあらかたついたところで、私たちもぺったんぺったんつくことができました。つきたてのお餅に母が煮ておいた小豆やきな粉、大根おろしなどをつけて食べたのは、本当に楽しい思い出です。OGのFは日本人会役員なので、作務衣のようなものを着て、頭には頭巾を被ってとても忙しそうに走り回っていました。大勢の人でごったがえす会場で2回ほど顔を合わせたのですが、ゆっくり話などする時間はありませんでした。

 この文化祭からの帰り道、家の近くのベーカリーでセムラという、季節限定のスウェーデンのお菓子を買って帰りました。セムラは本来は復活祭の前に脂肪断ちをする前に、生クリームたっぷりのお菓子を食べる習慣によってできたお菓子らしいです。私がスウェーデンに来たばかりの頃は、本当に復活祭の近くにならないと売り出されず、店頭に並ぶ期間がとても短かったのですが、それがだんだんと早まって新年早々には売り出されるようになって呆れていたら、今ではなんとクリスマスが終わるや否や売り出され始めます。なんかもう季節感なんかどこかに飛んで行ってしまいます。1月中にセムラを買うのだって早すぎるのですが、どこのベーカリーにも並ぶようになると買いたくなるのが人間の心理。それで私たちも買ったという次第です。



 写真を見ていただけるとわかるとおり、簡単に言ってしまえばカルデモンを入れて焼いた丸いパンの頭の部分を切り取って、中にアーモンドクリームと生クリームを挟み、上に粉砂糖をふりかけたものです。私たちが買ったベーカリーは割と最近できたのですが、パンがとても美味しいという評判を聞いていたので、是非ここで買ってみようと思ったのでした。お店に入ってみると、なんと残っているセムラはたったの4個。私たちの前には数人が列に並んでいて、その人たちがセムラを買ったら、私の順番が来る時には無くなってしまうという不安がつのりました。案の定私の前の前の人でセムラは売り切れ。私の前の人もセムラを買いたかったようです。ところが嬉しいことに、レジの後ろの厨房では、女性がセムラ作りに精を出しています。結局しばらく待ってセムラを買うことができました。とても質の高いアーモンドクリームをたっぷり載せた上に、細かく刻んだアーモンドもたっぷりふりかけ、その上に生クリームを載せています。セムラは普通温めたミルクの中に置いて食べます。値段は日本円にすると1つ600円くらい。特別安くもありませんが、年に1度くらいしか食べないと思えば高くも感じません。セムラに関しては、毎年新聞に様々なベーカリーの評価が載ります。どこそこのアーモンドクリームは絶品だとか、どこそこのはパンが乾いてパサパサした感じでいただけないとか。安いお店のものは240円くらいで買えるものもあるし、セブンイレブンでも買うことができますが、そういうのは大抵アーモンドクリームが美味しくなくて、パンもパサパサです。

 話は変わって、オランダ在住のOBのSさんが定期的にメールの添付でニューズレターを送ってくれるのですが、今回のニューズレターに目を引く情報がありました。Sさんの大学時代からの友人で、癌で亡くなった方の本”森のひみつ”が山形大学出版会から出版されているというのです。これは普通の人が森に行く時に役立つ本らしく、私は自分でも欲しいと思った上に、高校時代からの親友に是非読んで欲しいと考えました。日本に住んでいた時には、この友人とたまに奥多摩や秩父の山や森に植物図鑑を持って出かけて、植物の名前を調べたりしながら散策していました。彼女は子供さんたちも成人した今、週末には一人で奥多摩やもっと先まで軽い山登りに出かけるそうなのです。11月に私が帰国した時には、私が山登り用の靴を持って行かなかったこともあり、簡単に行ける八王子の高尾山に一緒に行きました。それで今日はこの”森のひみつ”を一冊は彼女の住所に送り、一冊は私の実家に送るような手配で購入しました。ストックホルムには森らしい森がないので残念ですが、帰国した時には奥多摩や奥秩父の森に行きたいと思っています。

最近の様々なこと

2018-01-27 11:49:25 | ネットワーク
12月の冬至が一番暗い日であることは、北半球共通のことですが、スウェーデンのように緯度が高い国では、冬の暗さはひとしおです。私などは朝の出勤時間が7時前、帰路につくのが午後4時過ぎなので、真冬は陽の目を見ない日もたくさんあります。その暗さに変化が出てきて、朝の出勤時に空がうっすらと明るく、帰りも夕日が落ちきっていない間に歩くことになるので、春が少しずつ近づいてきているのだなぁと感じる今日この頃です。私は暗いから気持ちが沈むということはなく、冬でもいたって精神的に元気なのですが、最近この精神状態に変化の兆しが現れて困ったことになりました。

私の職場はブラキー療法という特殊放射線治療を施すセクションで、主に前立腺癌と子宮頸癌の治療を行うのですが、咽頭部の癌の治療や乳幼児の癌の治療も時々行います。私が乳幼児の治療に関わることはなく(そのための特別な訓練を受けていないので)、主に前立腺癌と子宮頸癌の治療チームに入って仕事をします。問題はこの子宮頸癌の治療。私は最初のうちは自分でも気づかなかったのですが、子宮頸癌の治療室で仕事をする時に、精神的に気分が悪くなることが頻繁になってきました。これを自覚したのは昨年の10月で、自分自身の体調が悪かったこともあるのですが、患者さんがかなり出血した折に、治療室で突然冷や汗が出て失神しそうになってしまったのです。

私は血に弱いということはなく、大量の血液を見ても普通は全く動じないのですが、子宮頸癌の治療室で患者さんがちょっと出血すると、とても気分が悪くなるのです。前立腺癌の患者さんが治療中に出血しても全く気にならないのに、とても不思議です。それで自分なりにこの状況を分析してみました。おそらく私の深層心理の中で、男性は女性である私とは根本的に異なる動物で、つまり女性である私とは似ても似つかないものなので、彼らが出血したところで、それがあたかも自分に起こっているかのような感覚が湧かない。けれども同じ女性の体から出血するのを見ると、あたかも我が身に起こっているかのような感覚になってしまう。これがとりあえず分析結果の第一。第二に、私には子宮癌で45歳の若さで亡くなった伯母がいるのです。当時私はまだ子供でしたので、伯母の病気が子宮頸癌だったのか子宮体癌だったのかは知らないのですが、転移癌となって伯母が随分苦しんで亡くなったことは覚えているので、その忘れられた記憶が戻ってきたのかもしれません。このままでは今の職場で仕事を続けるのは難しいので、配置換えが可能かどうか月曜日にチーフと相談することにしています。

病気の話が続きますが、17日の水曜日の晩に、スウェーデンの南部のルンドという都市に住む研究所時代の友人から電話があり、私たちの共通の友人が脳溢血で倒れて、私が勤務する病院に運ばれたというニュースが入ったので、調べて欲しいとのことでした。翌日職場から、早速心当たりのあるセクションに電話をし、何度か電話を回された後で、その友人Jが入院している集中治療室の看護師さんと話すことができました。それから毎日仕事の合間をぬってJの様子を見に行っているのですが、やっと容体が安定したので、集中治療室から中間的な看護病棟に移されることになり、昨日の金曜日に移動が行われました。中間的看護病棟では様々なモニタリングの機器があり、Jは相変わらずモニタリングをされることになります。ここでは少しリハビリも入るようで、1日も早くいくつかの機能を回復して欲しいと願っているところです。

さて、前回の投稿でお知らせした私の腹部C Tの結果は異常なしとのことでした。それはそれで結構なことなのですが、そうなるとそれではこの原因不明の体重減の理由は他にあるだろうということになり、その原因追求の検査をするために、再来週家庭医と会うことになっています。甲状腺ホルモンをチェックした方がいいという助言も受けましたし、胃カメラをやった方がいいという助言も受けました。そんな中で、治療してあった歯がかけてしまい、歯科医にも予約を取らなければならなくなり、ここのところ踏んだり蹴ったりです。今年は低迷運であまりいい年ではないので、新年早々こんな感じです。

このようなことが続いて気持ちがクサクサしていて、さてもう少し元気になるにはどうしたらいいだろうと昨晩考えました。私は勉強が大好きで、大人になって就職してからも何かしら勉強したり習い事をしてきたのに、ここのところそれがなかったからいけないのではないかと思い立ち、ストックホルム大学で何か面白そうなコースがあったら取ろうと思って、早速ホームページで色々探してみました。もちろん私はヴァイオリンの個人レッスンを受けているので、全く習い事をしていない訳ではないのですが、やはり少しアカデミックな刺激が常に必要なのです。

それで天文学部のコースを調べたら、専門的な予備知識がない人で、天文学に素人的な興味がある人を対象にした、まさに私にはうってつけのコースがあることがわかりました。ところが受講希望の締め切りが1月19日で終わってしまっていたことがわかり、これもがっかり。やはり低迷運の年はこんなものでしょうか。もちろん来学期にもこのコースが設けられれば絶対に受講希望を出します。私は生まれ変わったら天体物理学者か天文学者になりたいと考えているので、今のうちから準備しておこうと思っているのです。

明日はストックホルム日本人会の新年会で、久々にもう一人のOGであるFに会うことができると思います。Fは役員なので裏方で色々忙しく働いていることでしょう。