毒両親と私は、まったく違う人格である。
毒両親がどんなに私の性格を支配し、考え方をコントロールしたからといって、毒両親とまったく同じ人間にしてしまうことはできないのだ。
虐待の連鎖は意識すれば止められる。
たとえ毒両親自身が過去に虐待を受けていた経験があったとしても、だからといってその子供である私が、毒両親の負の感情の連鎖に巻き込まれる筋合いは無い。
毒両親の辛い虐待経験を私が押し付けられる必要はないのだ。
虐待を次の世代にまで連鎖させようとする毒両親に、もはや同情の余地はない。
虐待の連鎖は犯罪である。
罪は裁かれねばならない。
毒両親への復讐は、天誅なのである。
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引き続き、私が受けた虐待の記録。私の経験と、のちに親族や毒親の知り合いから聞き出した情報をもとに作成している。
≪1990年代前半。福岡県大野城市。父シカユキ(保険会社社員・団塊世代)、母マリコ(専業主婦・団塊世代・家出中)、私(一人っ子)≫
- 私が9歳から10歳頃
この頃、家出していた毒母が、金がなくなって家に帰ってきた。
毒母マリコはこじらせたネグレクトと、毒父シカユキとの大喧嘩で1年前に家を出て行った後、少し離れた県内に住む知り合いの女性(美大の先輩らしい)を説き伏せ、家の一室を借りて「アトリエ」を自称し、相変わらず宮沢賢治の朗読と、オカリナの演奏ばかりを一日中やっていた。
・・・全身黒ずくめの、肥ったオバサン。
しかし毒母マリコは働くことがめっぽう嫌いなうえ、もともと金銭感覚がなく、衝動買いグセがあるため、毒父シカユキから生活費としてくすねた金も尽きるのが早かった。
知り合いの女性にも自称「アトリエ」の家賃を払っていたようだが、毒母マリコは働くのが嫌いなため収入はなく、貯金を切り崩して家賃を払っていた。
家賃は破格の1万円。知り合いの女性の善意であった。本当はタダで貸すつもりだったらしい。
・・・毒母がどのようにして、この知り合いの女性を説き伏せたのかはわからない。おおかた「酒乱の夫に殴られた」旨を悲壮感たっぷりに話して同情を引いたのだろう。
しかし、小学校低学年の子共を酒乱の男の元に残したまま、育児も家事も放棄して、ひとり芸術家気取りで、働きもせずに朝から晩まで訳のわからない朗読と楽器の演奏をやっている毒母。
はたから見れば完全に狂っているのだが、毒母の知り合いも、よく部屋を貸せたものである。考えて分からなかったのだろうか?完全に毒母のネグレクトに加担し、間接的に私を虐待している。
・・・子育てや夫の面倒、家事育児よりも自分のやりたいことを優先させる。当時流行っていたフェミニズムの影が見え隠れする。女の自立のためには子育てを放棄してもよいらしい(狂った日本のフェミニズムについては、また別枠で語る)。
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毒母が出て行ってからは、アルコール依存の毒父による、私への徹底した支配とコントロールが続いていた。
毒父は毎晩深酒し、その日のストレスを小学生の私相手にぶつけ、私に一日の活動報告をさせ、付き合う友人関係に口を出し、狂った家庭内のことを外へ漏らさないように口止めした。
毒父と同じような考え方を強制され、私の意見や感情は封印された。
私は毒父を喜ばせる道化であり、毒父をいなす「親」であった。私は子供として振る舞えなかった。
毒父は仕事から帰ってから風呂に入って寝るまで酒を飲み続け、私に「ドアホ、ドアホ」と罵声を浴びせ続けた。
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毒父の監視について。
・・・私の部屋はリビングであり、キッチンのすぐ隣であった。敷居のフスマは取り払われていた。リビングにはテレビが置かれており、キッチンのテーブルに座った毒父は酔っぱらって常にテレビを見ながら文句を言っていた。
リビングの端に私の机があり、泥酔した毒父は私を常に見張っていた。
私が宿題をするときは常に毒父の監視の目があり、毒父の見ているテレビはつけっぱなしだった。
宿題に関しても「今何をやっているか」を逐一、酔った毒父に報告しなければならなかった。
泥酔した毒父はあらゆることの揚げ足を取ってくるので、私は機嫌を伺いながら、できるだけ毒父をテレビに集中させ、冷や冷やしながら勉強し、終わったら何も言われないうちに風呂へ駆け込んだ。
・・・休日の日曜日は相変わらず毒父の「コンプレックス解消登山」に強制連行され、大人ペースの強歩レースで肉体を酷使させられた。
私は小学校低学年にも関わらず、月曜日から身体が痛くて、元気が出なかった。
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そんな狂った家に、狂った毒母が戻ってきた。金がなくなって自称「アトリエ」の家賃が払えなくなったのだ。
バブルがはじけた直後とはいえ、破格の家賃1万円で自称「アトリエ」を貸してもらっていた毒母。ちょっと働けばいくらでも稼げる額なのだが、毒母は絶対に働かなかった。
毒母は誰かに依存して金をくすねることしか出来ないのである。
ちょうど自称「アトリエ」を貸してくれていた知人女性の親から、毒母マリコは不審がられてもいた。
夫も子供もいるのに、単身家を出てきて家の一室になかば1年も居候している中年のオバサン。
誰が見ても疑問だし、不審なのは明らかなのだが、平気な顔をしてそんな生活を続けられた毒母マリコも異常である。
しかし、そんな異常な生活が長く続くはずもないのだ。
・・・結局働かずに金も無くなり、世間体も苦しくなった毒母マリコは、一応、世間的な体裁として家族の姿を保とうと考えた。でなければどこへ行こうとバッシングされるからだ。
仮でいいから「夫を支えて子育てもしながら芸術をやっています」という世間体を作らねばならなかった。でなければ誰もこんな肥った中年オバサンに同情などしてくれない。同情してもらえなければ、毒母マリコは誰にも依存できないのである。
ただ今さら夫シカユキにたかっても、もはや金はくれないだろう。この点はある程度シカユキの機嫌をとって最低限の料理や家事をしていれば少額は貰えるようになるかもしれない。
再び家事育児をやるのは毒母マリコにとってはシャクだが、家に戻ったとしても、また以前のように自分の部屋に引きこもればよいし、必要のある時以外、夫シカユキにも子供にも顔を合わせなければよい。
子育ては無関心でもなんら問題はないだろう。夫シカユキには何も言われない。夫シカユキは自分が酒が飲めて、つまみが食えていればよいのだ。あとは風呂が沸かしてあって、着るものが洗濯してあり、次の日に朝飯が用意されていればよい。シカユキは自分さえ満たされていれば、あとはテレビに向かって文句を言うだけのただのデク人形だ。操るのは容易い。
子供が文句を言えば、張り倒して蹴っておけばいい。小学校低学年の男の子なんざ、まだまだ自分の腕力でどうとでもなる。以前のように自分のやりたい「芸術」ができることが優先だ。そのためには極力、家事育児をする時間を省き、自分の趣味に没頭できる時間を長く取らなければならない。
しかし先立つもの・・・金がいる。夫シカユキはもう金をそんなにくれんだろう。もらえる生活費をどう削って、自分の買いたいものを買おうか。
ああ、金が欲しい。宝くじでも買うか。1億当たればこんなところ出て行って、一生遊んで暮らす。
なんで働いて金を稼がなならんのか。働くことは絶対にしたくない。働いてたまるか。
これが毒母の心理である。ろくでなしだ。
かくしてネグレクトな毒母の利己的な夫への依存が、また始まる。
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毒父シカユキは簡単に毒母マリコの術中に落ちた。
マリコがシカユキに下手に出て「ぜんぶあんたの言う通り。私にゃなんも出来んけん、また養って。前んごと家事も子育てもするけん。」というような趣旨でも言ったのだろう。
暴君で威張り腐った毒父は、妻マリコが再び自分の支配下になることを大いに喜んだ。マリコの演技だとも知らずに。
シカユキは前よりは少ないが最低限の生活費もマリコに出すようになった。バカである。
毒母マリコにとっては、しめたものである。これで「家族を支えながら芸術をやっている」という体裁が整う。
だが、やはりシカユキからもらえる金の額が少ないことはシャクだった。
以前ほど荒い金遣いはできない。
シカユキがいないあいだ「金欠病だ。金欠病だ。」とマリコは連呼していた。
・・・マリコの機嫌はやはり常に悪いものとなった。
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かくして異常な家族が誕生する。
毒父シカユキのアルコール依存は依然として治らず、私への罵声、支配、コントロールが続いた。加えて休日の強歩登山が加わり、私への精神的なイビリと身体的なイビリの両方を課するようになった。毒母マリコは日曜日に邪魔なシカユキと息子が朝から山に出掛けて消えてくれるので、自分一人の時間ができてうれしいものだから喜んで送り出した。適当に作った不味い弁当。そして、水筒に嫌がらせのように玄米スープを入れていた。
毒母マリコに至っては、シカユキに支配されているように見せかけて、シカユキから狡猾に金をたかるだけのオバサンであった。家事はシカユキに文句を言われない程度の最小限に留め、部屋に引きこもって自分のやりたい「ゲイジュツ」に没頭した。子育てへのネグレクトは続き、小学校の授業参観や運動会などの行事にはほぼ参加せず「芸術活動で忙しい」といって行事に参加することを断った。
・・・狂った家族である。
私は常に苦痛を感じ、自分の無力に怒り、私に苦痛ばかり与える両親を憎悪し、理解してくれない周りを恨み、大人になったら必ず報いを受けさせようと誓った。
続く。
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