真っ赤に酔ったおっさんが楊枝をくわえてジャケットを肩にかけ電車に乗っていく。あぁ、俺も色々考えず気持ちよく帰ろう。。俺の隣には眼鏡をかけた高校生。夜遅くまで勉強かな?
何だかその空気の意味が分からずポカンとしてる当方に、たまたまそこにいたマニアの方の奥さんが、目に涙さえためながら当方に言ったのだ。「カンダイ、ヒロシマのことは本当にごめんなさいね。アメリカという国を私たちは誇りに思っているけれど、この国はまた、多くの過ちを犯してもきたの」と。
はっきり言って当方は、その場で原爆の話をしようなどとは全然思ってなかったし、彼らに謝罪や反省を求める気も皆無だった。しかし、一部とはいえ、「ヒロシマ」という単語にここまでの反応を示すアメリカ人は確実にいる。「アメリカ人は何の反省もなく原爆を正当化」などという話は正確ではない。
「私は広島の生まれではないので、その地に暮らす人の思いはハッキリ分からない。しかし一度終わった戦争の恨みを延々と引きずることは、あまり世の中に実りをもたらさない。私はそれを南北戦争後のアメリカ史に学んだし、多くの日本人も、決してアメリカを憎悪してはいませんよ」と、そう言って握手。
「With Malice Toward None…」と、そのとき何だか自然に口から出たな。「何人にも悪意を抱かず、すべての人に慈愛をもって、正義を固く守り、いま行われつつある事業に力を尽くしていこうではありませんか」という、リンカーン第2期大統領就任演説の言葉が。
当方がかつてアメリカに行き、現地の南北戦争マニアの方々とゲラゲラ楽しく話していた時のこと。当方が「日本ではマルクスの影響で、共産主義者どもがリンカーンのファンなんですよ。共産党の頭目、ミスター・フワなんて大のリンカーン狂で」と言うと「マジかい!」などとゲラゲラ笑う。
ただ「そして広島の元市長、ミスター・アキバもリンカーン信奉者で。皆さん、ヒロシマって分かります?」と当方が言うと、何か突然、空気が凍ったのだ。「??」となる当方を尻目に、「い、いや、そんな名前の町は知らねえなあ」と、中座してしまった人さえいた。
今、連続RTした言葉を隣の高校生に読んで欲しい。多くの人、多くの経験がツイッターにあふれている。あとは出会いの幸運だけ、
うまくいけば夜行便に乗れる(でも本音はもう一件誘って欲しかった
うまくいけば夜行便に乗れるよね、(でも本音はもう一件誘って欲しかった