昨日、台風19号の被害の影響で、東京ー長野間を全編成が
各駅停車の「あさま」で走る臨時ダイヤの始発で、信州上田
に向かった。二つの墓参りが目的である。
最初に、上田市隣の坂城町の禅寺に眠る両親の墓に向かう
予定だったが、途中駅での車両点検のため新幹線が数分遅れ、
しなの鉄道への乗り継ぎが悪くなり、先に上田市内にある、
学友の墓に向かうことにする。
学生寮で半年ほど同室になった同郷の友は、還暦直前に
病に倒れた。昨日が十三回忌の命日である。
その墓は上田駅から南西に約5キロ。鉄路の最寄り駅は、
台風で鉄橋が落下した、あの上田電鉄別所線の上田原駅。
別所温泉まで折返し運転される下之郷駅までの代行バス
も昨日から運行されるようだが路線バスの方が若干近い。
千曲川に近い県営球場(上田古戦場跡)で降り、国道
143号線を南下する。青木峠を越え松本まで53キロ。
越えて行く山並みの風景はやはり信州。
脇道に入り稲刈りの終わった田んぼの中を進むと20分ほど
で墓に着く。秋の彼岸の供花が枯れる脇に、野花を一輪さし、
線香をとハイライトを焚く。酌み交わした酒も勿論である。
故あって地元の上田市役所に勤め、総務部長から次期助役と
目されていたが、還暦を前にして無念にも病に斃れた。
ハイライトを喫いながら、人生を、恋愛を、そして安保を
語り合ったが、「人間は一日一日、死に向かって生きている
んだよなー」と、十九の若者らしくない彼の言葉を思い出す。
戻りは千曲川沿いを上田駅まで歩くことにする。しなの鉄道
西上田駅の方が近いが、落下した別所線の鉄橋も見てみたい。
何よりも今日の快晴はウォーキング日和である。
通ってきた田んぼを戻る。右端の浅間山には雲が掛かる。
逆の南側も見事に山が連なる。
産(ウブ)川に清野川が合流し、橋の先で千曲川に注ぐ。
左側の断崖は半過(ハンガ)岩鼻と呼ばれる奇岩。信州の北信
(坂城町)と東信(上田市)の境でもある。
河原に舞い降りたシラサギは何を見るのか。
国道143号線が右に折れて千曲川に向かう大きな交差点。
歩道の信号が手押し式信号と気が付くまで1分、押してからも
3分待ってやっと青になる。
千曲川沿いに出てからの続きは次回としよう。