以前掲載した記事で既報の如く、一つの試験的な試みとして、『仏祖正伝菩薩戒作法』を通して現代の授戒会(教授・正授道場)のあり方について考えてみることにしました

當寮(直壇寮@Net)も久しく更新をしておらず、放置状態はもとより、閉寮をも危ぶむ声もちらほらと頂いておりました

決して怠けていた訳ではないのですが、何分力不足の割に管理する寮舍が多く、検証に時間を要する當寮、並びに知殿寮@Net&首座寮@Netなどは次第に足が遠のいてしまっていたという訳です

遅々として作業が進まない現状に反省することしきりでしたが、どうか長い目で見守って頂ければ幸いです

さて、いよいよ當寮も冒頭に述べた企画を始めることにしましたが、まず初めに本企画の意図するところを述べておきたいと思います。
私が定期的な授戒会(直壇寮)隨喜を通して感じたことは、法式として授戒会を学ぶ際には、その基礎とも言える宗門古来の伝戒儀軌を押さえておく必要があるという事でした。
そこで、我々宗侶にとって一番馴染みが深い伝戒儀軌とは何か

さらに、拙僧は曹洞宗の僧籍を有するゆえ、今回の企画が何らかの形で宗門(宗侶)に還元を果たせればと思い、現行宗門法式の根幹を為す『行持規範』と『菩薩戒作法』の比較検討作業に重きを置く事といたしました。
もちろん、「一対一」を想定した伝戒儀軌と、「一対多(四衆)」を想定した授戒会では、比較する事自体に無理があるという方もいらっしゃると思いますが、儀軌の内容を比較すれば両者が密接な関係にあることも事実であります。
現行の授戒会が、未だに一部の宗侶にしか馴染みがない現状を鑑みますと、その両者を比較検討していく作業が、いずれは授戒会理解を深める一助となり、ひいては古規(『菩薩戒作法』)復古へのきっかけにもなり得ると感じます。
以上の様な事から、本企画は授戒会を入口にした衆生教化の考察というよりも、その前段階としての考察、つまり授戒会を催す側にある我々宗侶の参究を目的にしているという事をご理解願います。
まず催す側の我々(宗侶)が授戒会に対する理解を深める事により、授戒会が今以上に有効的に機能・展開する事を願ってやみません。
今後とも宜しくお付き合い頂ければありがたく存じます。また、理解が足りない点等ございましたら、遠慮なくご指摘賜り、適宜ご指導を頂きたくお願い申し上げます


『行持軌範』と『菩薩戒作法』の比較検討作業はこちらから一括閲覧できます。

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