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直壇寮@Net

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【対照表】正授戒文

2006-11-14 12:52:45 | 『仏祖正伝菩薩戒作法』
〈 『行持規範』 〉

戒師、香を挿み、戒尺三下して三帰戒を授ける。戒尺にしたがって、戒弟は合掌して「南無帰依仏」等を三唱三和する。唱和終わって戒師は次の文を唱える。
受三帰戒如斯 従今已後 如来至真等正覚 是汝等大師 更不帰依余道 此是先仏之所護持 曩祖之所伝来也 我今授汝等 汝等善護持
(三帰戒を受けしむること斯の如し。今従り已後、如来至真等正覚は、是れ汝等が大師なり、更に余道に帰依せざれ。此れは是れ、先仏の護持したまう所、曩祖の伝来したまう所なり。我れ今汝等に授く、汝等善く護持せよ)
唱文、終わって一同三拝。次に三聚浄戒と十重禁戒とを授ける。一戒ごとに、戒師問い、戒弟答えること次のごとし。戒師唱えて曰く、
第一摂律儀戒 此是先仏之所護持 曩祖之所伝来也 我今授汝等 汝等従今身至仏身 此事能持否
(第一摂律儀戒。此れは是れ、先仏の護持したまう所、曩祖の伝来したまう所たり。我れ今汝等に授く、汝等今身従り仏身に至るまで、此事能く持つや否や)
四衆、一同、合掌して「能持」と答える(随喜の衆も唱和する)。次に第二摂善法戒、第三摂衆生戒を同様にして授け終わって一同三拝。
次に十重禁戒を一戒一戒、前のごとく授け終わり、更に戒師は十六条戒を総体として持つか否かを問う。曰く、
上来十六条仏戒 謂三帰 三聚浄戒 十重禁戒 此是先仏之所二護持 曩祖之所伝来也 我今授汝等 汝等従今身至 仏身此事能持否
(上来十六条の仏戒、謂わゆる三帰、三聚浄戒、十重禁戒、此れは是れ、先仏の護持したまう所、曩祖の伝来したまう所なり。我れ今汝等に授く、汝等今身従り仏身に至るまで、此事能く持つや否や)
四衆一同、合掌して「能持」と答う(三問三答)。最後に戒師は「是事如是持」(是の事是くの如く持つべし)と唱う。一同三拝。戒師、壇を下り室中に設けた曲彔に倚る。

〈 『菩薩戒作法』 〉

次正授戒。
先三帰。〈 和尚合掌授之。教授并受者、皆合掌而受。〉
南無帰依仏、南無帰依法、南無帰依僧。帰依仏無上尊、帰依法離塵尊、帰依僧和合尊。帰依仏竟、帰依法竟、帰依僧竟。
和尚示曰、一受三帰戒如斯。従今已後、如来至尊正等覚是汝大師。更不帰依邪魔外道等。此是千仏之所護持、曩祖之所伝来也。我今授汝、汝善護持。
次三聚浄戒。
第一摂律儀戒。
千仏之所護持、曩祖之所伝来。我今授汝、汝従今身至仏身、此事能持否。三問。能持。三答。和尚問授、受者答受。
第二摂善法戒。〈 詞如先。〉
第三摂衆生戒。〈 詞如先。〉
次有十重禁戒。
第一不殺生。〈 詞如先。〉
第二不偸盗。〈 詞如先。〉
第三不貪婬。〈 詞如先。〉
第四不妄語。〈 詞如先。〉
第五不酤酒。〈 詞如先。〉
第六不説過。
第七不讃毀自他。
第八不慳法財。
第九不瞋恚。
第十不謗三宝。
上来十六条仏戒、謂三帰・三聚浄戒・十重禁戒。此十六条戒、千仏之所護待、曩祖之所伝来。我今授汝。汝従今身至仏身、是十六条事、能持否。三問。能持。三答。是事如是持。

〈 備   忘 〉

この部分における大きな儀軌の違いは両者において確認する事ができません。

「儀軌」と前置きしましたが、その「内容」については、検討すべき箇所が多岐に亘り、学会でも様々な問題提起が為されておりますので、拙ログでは敢えて触れないでおこうと思います。

あくまでも両者の「儀軌」の比較を中心に作業を進めていくつもりです。

その「儀軌」に話を戻しますが、ここでの多少の儀軌の相違等は、戒師の山風・家風により異ってきますので、当然の如くそれらは戒師の見識に委ねられる事となります。

また、『菩薩戒作法』における「邪魔外道等」という文言は、現代(『行持軌範』)では「余道」という表現に訂正されております。

この箇所は、時代の変遷に合わせて人権的見地から訂正が為された部分であると考えられます。

価値観が多様化している現代、誤解を招く様な文言等があれば適宜議論を重ねていく必要があるでしょう。

その際には、決して祖意を曲げる事なく、いつの時代においてもその精神が敷衍される様に注意を払うべきだと考えます。


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