児童虐待との戦いを制する 其の１０

ＡＣは必ず何らかの依存症に陥っているが、それは子供のころ愛情をもらわずに大人になり、それを生き残るために何かに依存している。けれどギャンブル依存の会ギャンブラーズアノニマスに出てみたが、必ずしも愛情をもらっていないから依存に陥っている訳では無かった。例えばある青年は競馬でたまたま初めて馬券を買いそうしたら７０万円の配当が付きそれからギャンブルから足を洗えなくなったと話していた。

競馬はどうか知らないが、パチンコなど依存症はコロナ真っ盛りでもパチンコをしに行くのだから、依存を自分で止めることが出来ない様だ。でもその人達が愛情に飢えているかどうかは分からない。今回書いたのはギャンブル依存の事だが横浜にある入所型治療施設ワンデイポートの代表のＮさんはギャンブルの人はお金を盗んでもやると話していた。

あと危険な依存である薬物もなかなか止められない。僕は一人の女性の薬物依存しか知らないが、物凄い量の鎮痛剤を服用してらりっていた。あとその女性の自傷行為も凄いものだったがあまりにも悲惨で書くことすら出来ない。このように依存は蔓延しているが対策を練っても根絶する事は出来ないだろう。

こういった話をクリニックの自助グループのファシリテーターは聞いているが、大学で立ての若い女性でもちゃんと自分の役割を果たしている。この若さでこの世界の事を取り仕切るハートの強さには驚かされた。でもある時その女性に感想を聞いたら、心の中では心臓が口から飛び出そうなくらい緊張しているのですよ、と話してくれた。健康は素晴らしい事だ。

薬物はどうか知らないがアルコール依存が最も多く、皆顔色が悪く少しずつクリニックに通う人がいなくなる。皆肝機能が悪くなり亡くなるのだろうか。断酒もまた難しくクリニックの近所でコンビニで買ったワンカップをがぶ飲みしている人もいた。

でも愛情が貰えなかった人にとっては、依存は生き残るために必要だったものなのでそんな自分を責めない事が大切だ。誰もが愛情をもらえる訳では無い。サザエさんやちびまる子ちゃんの世界は、一部の人のためにしか存在しないのが現実だ。

僕は依存症治療院に通院しているので様々な人を見て来た。やはりこころとからだの健康が一番大切だと思った。依存症患者は駄目な人のように思われがちだが、そうではなく依存症者の背景を見なくてはならないと思う。昔と違いカウンセリングをするところも増えたが、いい加減なところも多く見る目を養わなくてはならない。しっかり治療すれば時間は掛かっても依存は克服できる。

何度も言うが依存は自分を守るための物なので、依存に陥る自分を責めないで欲しい。