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空と海の狭間                        -horizon-

ここは半ひきこもり状態の管理人によるライトノベルの書評を中心とした自堕落日記サイトです。

BLACK BLOOD BROTHERS 3 特区震撼

2005年03月20日 | ライトノベル

1、2巻を読んだときにも感じたことだが3巻を読んでそれが確信に変わった。

「この作品そしてこの作者は富士見ファンタジアの看板を背負う器だ」と────。

そんなわけで今月の富士見の新刊さっそく読みました。本作品は富士見ミステリー文庫が生んだ傑作Dクラッカーズの作者であるあざの耕平氏の新シリーズ。

主人公は「銀刀」の異名を持つジローとその弟コタロウという2人の吸血鬼。この2人が特区と呼ばれる人間と吸血鬼が共存する都市に入るところから物語は始まり、そこで彼らはミミコという人間と吸血鬼の間をとりもつ組織の調停員と出会います。ミミコは彼らを特区に住まわせることを決意しますが吸血鬼にとって「銀刀」の異名は特別な意味合いを持っていて、特区全体を巻き込んだ事件に発展していく────。

とにかく中身が濃いというのが第一印象。これでもかというくらい特区や主人公の過去についての謎や伏線が張り巡らされ、それが回収される過程でまた新たな謎が提示されます。息を吐かせぬ展開とはまさにこのことを指すのでしょう、止め時が見つからずに一気に読んでしまいました。
圧倒的な文章力も魅力。特に戦闘シーンはDクラッカーズで培われた力をいかんなく発揮しています。
名台詞を一つ紹介。↓

さあ行け、葛城ミミコ。
特殊能力なんかいらない。牙も爪も不要。ここが、お前の戦場だ。

調停員として、何より人間として吸血鬼であるジローと本気で向き合う場面。鳥肌が立ちました。

3巻で兄弟の特区上陸による動乱は一応の終結はみていますがまだまだ話は始まったばかりでようやく舞台は整ったかといった感じ。あとがきによると次は短編集のようで。ドラマガの連載は読んでないんでこちらも期待。今後さらなる盛り上がりを見せるであろう本作、未読の方は今すぐ全巻揃えるべし。

春期限定いちごタルト事件

2005年03月19日 | ライトノベル


きょうも二人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。

紹介文からの抜粋。本作品を端的に表した一文です。小市民を目指すというのはつまり「ひたすら目立たないように生きる」ということ。彼らにとってはこれが平穏と呼べるものであり、また至上の幸福なのです。しかし彼らの前にはなぜか多くの「謎」が現れます。当然名探偵よろしく人前で推理することなどもっての他なので見て見ぬふりをしようとするのですが謎を解きたいという欲求に耐えられず……。
創元推理文庫から出版されているのでジャンルはミステリー。当然事件の謎を推理するのですがこの作品、人が死にません。密室トリックなどもありません。事件や謎といえば盗まれた鞄探しやおいしいココアの入れ方など。このへんが非常に日常的でミステリー特有の殺伐さが無くゆったりとした気分で読めます。
ライトノベルやミステリーといったカテゴリーに限らず物語の主人公という存在は多かれ少なかれ「主人公らしさ」というものを備えており、主人公自身もそれを認識している場合が多いです。しかし、この作品にはそれが無い。自然的というかノンフィクション的というか。そういった実際に有り得そうな話が逆に新鮮味を感じさせます。

ゼロの使い魔3 始祖の祈祷書

2005年03月19日 | ライトノベル

2巻読了時の感想↓

「1巻より面白くなってる……!」

3巻読了時の感想↓

「2巻より面白くなってる……!」

そんなわけで評価が右肩上がりの本作。1巻では主人公とルイズの出会いや生活を中心に書かれていましたが2巻以降は隣国との戦争などシリアスな展開が加えられ読み応えがあります。
もちろん1巻からのラブコメ要素も健在で三角関係や四角関係などさらにテンションが上がっています。つまり何が言いたいのかというと、

ル・イ・ズ! ル・イ・ズ!
ル・イ・ズ! ル・イ・ズ!
ル・イ・ズ! ル・イ・ズ!

声を大にしてこう叫びたいのです。
3巻のルイズの可愛さは正直言ってハンパじゃないです。この本を読んだ人全てが

「ぐはっ!!こ、これがツンデレ属性というやつなのか!?くそっ……なんて破壊力だ…!!」

と思ったに違いありません。これだけの威力を持つキャラを作り上げるとはこの作者、末恐ろしいぜ……!

ゼロの使い魔

2005年03月17日 | ライトノベル

MF文庫の人気シリーズ。おちこぼれ魔法使いルイズと使い魔として召還された主人公の二人によるラブコメ。
うーん話の展開がベタだなぁ。読む前に予想してた展開が全て当たってしまえるくらいにベタ。魔法学院なんてまんまハリーポッターだし。むしろあからさまに意識して書いてる節さえある。まぁイメージしやすい分読みやすさといった点から言えば高評価なんですけどね。
どうにも否定的なことばかり書いてきたがもちろん面白い部分もあります。いくつか挙げると、

ルイズが可愛い。
ルイズが可愛い。
ルイズが可愛い。

こんなとこですか。とにかくルイズのツンデレっぷりは最高です。
強気なキャラが好きな方は読んでみてください。きっと悶えます。



EME RED4 Mr.Cube

2005年03月15日 | ライトノベル

富士見ファンタジアの人気シリーズ。ジャンルとしてはありがちな異能力バトルもの。ですが、話の進み方が特徴的で3シリーズ同時進行なのです。BLACK・BLUE・REDの3つで、それぞれ過去編・現代編・番外編に分かれています。これにより過去編で出てきたあのキャラが現代編がいない、いったい何があったんだろう?みたいな他の小説では味わえない楽しみが生まれます。
それぞれの個人的評価は5段階でBLACKが4、BLUEが3、REDが2です。過去編であるBLACKが様々な伏線が貼られて本編といった感じなので。
今巻はREDということであまり期待してなかったのですがそこそこ楽しめました。まぁあくまでそこそこですが。一番気に入ったのは三色ショートのアリバイ。たった3ページの超短編ですがこういったシュールでブラックなオチは結構好きです。
今月また新刊が出るのですがまたRED・・・。そろそろBLACKとBLUE進めてくれよと思っていたところにあとがきで朗報が。どうやら今年最低5冊出すらしく、BLACKとBLUEも含まれてるそうなので期待。

よくわかる現代魔法  jini使い

2005年03月14日 | ライトノベル

桜坂洋さんの人気シリーズ第4弾。
この作品、タイトルや表紙などのイラストだけを見るとギャルゲーなどによくありそうな魔女っ娘ものを想像してしまいそうなんですが中身は意外にしっかりとした作りのSFだったりします。
タイトルの現代魔法というのは、呪文を唱えたり怪しげなサバトを開いたりするものではありません。コードと呼ばれるプログラムをコンピューターで実行させることにより魔法を発動させます。
このように、本作品ではコンピューターが密接に絡んできておりアセンブラやプログラム言語などその手の専門用語がよく出てきます。このあたりがSFの主成分でしょうか。専門用語が多く出てくる割にはとても読みやすいですね。これは主人公が魔法もコンピューターも知識がない少女だからですかね。
それから、この作品は2巻から面白くなるという感想をよく見かけますが私もそう思います。1巻も完成度は高いのですが世界観の解説にページの大半が割かれてしまっているので仕方ないかな。
個人的に一番好きなのは3巻。一ノ瀬弓子はぱんつはいてない。
とゆう訳で4巻ですが、あとがきの後の次回予告的なページで突如急展開になってますね。いや~早く続きが読みたい。
確か次の巻で第一部完結というのをどこかで見た気がします。うろ覚えなので信憑性は低いですが。

Missing 12 神降ろしの物語

2005年03月14日 | ライトノベル

大人気学園ホラー。ついに最終章です。
今回の怪異は携帯電話にまつわるもの。
前回の座敷童の物語は本筋の話としては武巳が稜子を助けるために空目の下を離れたりとかなり面白い展開だったのですがホラーとしてはいまいち怖さに欠けていました。
しかし今回は怖い、怖すぎる。呪いの物語や合わせ鏡の物語に匹敵するだけのものがあります。
それから次で完結はしなさそうですね。座敷童の物語のように3巻構成になるんでしょうか?

使用上のご注意。この本を深夜に読む場合は携帯の電源を切るかマナーモードにした方がいいです。突然着信音が鳴ったら確実に心臓が止まります。

ブルー・ハイドレード

2005年03月12日 | ライトノベル

海原零氏の作品です。銀盤カレイドスコープの作者と言えばわかりやすいでしょうか。
カレイドスコープはフィギュアスケートがテーマでしたが本作は潜水艦です。士官候補生の少年少女8人が深海をあてもなく彷徨う話です。なぜそうなってしまったのかはネタバレになるので避けますが、そこにさらに1人の少女が加わります。この少女が腹に一物を抱えていて、彼らをさらに迷走させていく・・・。
潜水艦について知識がない私でもかなり楽しめました。敵艦の位置や魚雷の軌道の読み合いが熱いです。
まだ始まったばかりといった印象なので今後要注目。

デュラララ!!×2

2005年03月10日 | ライトノベル

私の中では大分前から鉄板作家となっている成田良悟氏の新刊です。紹介の意味を込めて成田作品の特徴をいくつか挙げてみます。
①登場人物の個性が強い
これが最大の魅力かも。「個性的なキャラがいる」のではなく「全てのキャラが個性的」なのです。いい意味でみんな頭のネジが吹っ飛んでます。
②構成力が抜群
話の進め方が特徴的です。最初は登場人物それぞれが別の場所で別の意思を持って行動しているのですがある事件により様々な思惑が交錯しはじめ遂に・・・!といった感じ。つまり、「登場人物全てが主人公である」と言えます。
③読後の爽快感
これもいいですね。成田作品はB級映画と称されることがありますがこれは褒め言葉です。動きやセリフ回しがいちいちかっこいい。

そんなわけでデュラララ!!×2です。

舞台は池袋。女子高生やカラーギャング、情報屋や誰もが最強と認める男が集う街。そんな街で通り魔事件が起こる。それがきっかけで街全体が壊れていき・・・

個人的には成田作品の中でベスト3に入るほどの出来でした。「なんじゃそりゃあ!」という驚きの連続。最後に次巻の布石となるネタもでてきてもうたまりません。
成田作品に触れたことがない人にもぜひ読んでもらいたい。好き嫌いがはっきり分かれると思いますがこれが楽しめれば他の成田作品全てが楽しめること請け合いですんで。


新刊GET

2005年03月09日 | ライトノベル
3月の電撃文庫の新刊買ってきましたー。
とゆーわけで今日の戦利品↓

リリアとトレイズI そして二人は旅行に行った(上)著/時雨沢恵一 →bk1 
デュラララ!!×2 著/成田良悟 →bk1
ゆらゆらと揺れる海の彼方(4) 著/近藤信義 →bk1
じーちゃん・ぢぇっと! 著/ハセガワケイスケ →bk1

まずは最も楽しみにしていたデュラララから読みますー。