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空と海の狭間                        -horizon-

ここは半ひきこもり状態の管理人によるライトノベルの書評を中心とした自堕落日記サイトです。

ちーちゃんは悠久の向こう

2005年03月09日 | ライトノベル

2004年の小説新人大賞で4冠を達成した日日日(「あきら」と読みます)のデビュー作。
うーむ天才と呼ばれているだけあってかなり良い作品ですな。読者を物語に引き込ませるだけの文章力が新人とは思えないほど備わっています。
序盤のあらすじはこんな感じ。

妖怪や幽霊が好きなちーちゃんが幼馴染の主人公と共に学園の七不思議の一つを調べることになって・・・

上の文だけを読むとよくある学園ホラーものかと思うでしょうが一味違います。確かにジャンルはホラーに分類されるでしょうがこの作品の本質はそこではありません。私が思うに、

「日常と非日常の表裏一体性」

ではないかと。家族関係や友人との繋がり、学園生活などのいわゆる「そこに在るのが当然だと信じて疑わないもの」は実は非常に微妙なバランスの上に成り立っています。ゆえに些細なきっかけで崩壊すると。そういった綱渡り的な世界をこの作品は上手く描ききっています。
読後にいろいろと考えさせること請け合いのこの作品。お薦めです。

完全KO

2005年03月07日 | ライトノベル
復活の地Ⅲ読了。
完膚なきまでに叩きのめされたかのような衝撃を受けました。
2巻は政治的な話な多めだったのですが3巻では一般民衆達にスポットが当てられています。
大地震の傷跡が癒えぬまま再び震災の危機に晒され、人々は考えます。

「私たちそれぞれに出来る事はなんだろうか」と。

人一人が出来る事なんて大して多くない。しかし何もしなければまた住む場所が壊され、愛する人が失われてしまうかもしれない。だから行動しよう。
そうして立ち上がるさまには鳥肌が立ちました。

3巻での名台詞を2つほど紹介。
1つ目は摂政スミルの演説での即位宣言。

「私は私のいる帝都を帝都たらしめるためレンカ皇王に即位します」
「10日間です。その間だけ私が帝都を預かります。それから───私は退位し、レンカ皇室を廃止します」
「この街を、皆に渡します。・・・生かすか殺すか、お前たち次第です」

悩みに悩み抜いた末の一世一代の決断をした彼女に最大級の拍手を。
2つ目は主人公のセリフ。

「天災とは、戦える」

この作品の全てを集約したセリフですな。
とりあえず私から言えることは

買え、そして読め。話はそれからだ。

こんな感じかな。ライトノベル読者だけでなく多くの人々に読んでもらいたい作品です。

復活の地すごいよ

2005年03月06日 | ライトノベル
昨日に引き続き今日は「復活の地Ⅱ」を読了。
・・・いやホントすごいですねこれ。昨日も散々褒めちぎったけれどまだ足りない。1巻を読み終わった時点では「震災からの復興」というテーマで続いていくものだと予想していました。もちろん2巻もそれが主軸なわけですがさらに「国家再生」という壮大なテーマが絡んできます。植民地国が独立を求めて立ち上がったりします。さらには他の惑星国家が様々な思惑を持って介入し・・・と宇宙規模にまで発展します。こういった対外的な政治的な駆け引きもこの作品の魅力であると思います。

すげぇ、すげぇよ小川一水氏!!!

声高らかに叫んでみました。そのぐらいテンションが上がっています。
3巻で堂々完結な訳ですが大大大期待です。

初挑戦

2005年03月05日 | ライトノベル
ブログ初挑戦です。試行錯誤して何とか開設してみました。

初日なのでこのサイトについての解説を少々。
基本的にその日に読んだ本(9割方ライトノベルです)の感想を書いていこうと思っています。
感想については可能な限りネタバレは避けます。
これはいずれその本を読もうとする方に対する処置です。
またその日に読んだ本の感想以外にも管理人一押しの作品などを紹介していきたいと思います。

とゆーわけで記念すべき一発目は・・・

復活の地Ⅰ 小川一水 ハヤカワ文庫 です!!!!!

某掲示板で絶賛されたこの作品、半年ほど前に購入したのですが読むの後回しにしていました(爆
とりあえず一巻を読んだ時点での感想は、

な ぜ 今 ま で 読 ま な か っ た ん だ ろ う

という激しい後悔でした。
てゆーかむちゃくちゃ面白いですよこれ!!
大まかのストーリーとしては大震災により壊滅的な打撃を受けた人々が復興に向けて立ち上がるというものですがなんといっても登場人物たちが魅力的です。主人公はもちろん他の登場人物もそれぞれの信念を持って復興活動を行う様子はかなり痺れます。
二巻以降も非常に楽しみです。