№6 どん底復帰！憂い漂う・消える音《アート・ペッパー(as)》

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薬中逮捕・療養３年後のリターン！
どん底這いずり・生き抜いた｢憂い｣の音！
咽び泣く・消え去るロングトーンの｢わびさび｣が！

一句

　“　消える音　どん底復帰の　苦しさや　”

⑥『マーティ・ペイチ・カルテット』(56.8)
《Marty Paich Quartet/Art pepper》
アート・ペッパー(as,cl)、マーティ・ペイチ(p)、

バディ・クラーク(b)、フランク・キャップ(ds)。

《Art pepper Blog紹介》

④『The Return Of 』(56.8)　№4　３年療養！リターンの迫力《アート・ペッパー(as)》 - だらずだらじゃず・本音ジャズ

⑤『Art pepper Quartet』(56.11)　№5　色＆艶！音色に酔う《アート・ペッパー(as)》 - だらずだらじゃず・本音ジャズ

約３年後のリターン、④、⑤とは演奏が全く異なる。
強さの蘇りを観せたが、当⑥は｢弱さ・憂い｣で魅せる。

 

A#5｢Over The Rainbow｣にその個性が凝縮される。
高い音のロングトーンは｢ひ弱｣に｢消え去る｣音。
優しく綺麗に細い音を丁寧に操っていく。

麻薬中毒で逮捕され、３年間もの病院療養生活。
薬で金はスッカラカン、身体もボロボロ。
 

人生｢どん底｣を這いずり回り・生き抜いた・憂いの音。
アルトが咽び泣き・消え去るロングトーンの｢わびさび｣感。
脇役参加のペッパーだが、誰もが認める陰の主役。

　一句

　“　消える音　どん底復帰の　苦しさや　”

④、⑤のラス・フリーマンのピアノと当ペイチを比較すると。
フリーマンはいかにも西海岸の白人的知性溢れるピアノ。
軽く｢コロコロ｣とピンポン玉が弾む音。

 

ペイチの音は太く・ごっつく・重々しい音が動き回る。
ボーリングの玉の｢どすん｣感がある音。
だが、後ろ髪が引かれる・リズムの｢後ノリ｣感がある。
重く・匂う音はNYCよりのペッパーにベストマッチ、と思う。

 

♪～♪ 　ひ弱に｢消え去る｣ロングトーンの｢わびさび｣を味わって下さい。