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JASAファームでの出来事

(社)日本動物支援協会(JASA)=Japan Animal support Association=

ぽん先生のコラム~file3~

2013-01-18 | スタッフのつぶやき

冬だからしょうがないのですけどね。
せっかく雪かきしたのだから、少しは待ってくれてもいいのに。

昨日も今日も雪が降って、すぐに真っ白です。


明日はポニースクールなのですが、雪の状態によっては乗馬ができないかもしれません。
そうなった場合は、みんなで「そり遊び」をしましょう♪
あっ、あと雪かきも

大寒が近づいているせいか、今日は日中も寒さが厳しいです。
外で働く人も大変だけど、さすがにポニーたちも被災ワンちゃんたちも寒いよね?

「ムホー。」


でもクロゴマちゃんは‥‥


寝てるんかいっ!


さて、今回はいろいろ事情がありまして(ニヤリ)、ぽん先生のコラムをお送りしたいと思います。
では、お願いします。


はい、お久しぶり。
獣医師のぽんです。
先日、馬房の前の氷で思いっきり転びまして。
それでもって思いっきり腰を打ちまして。
今日現在、痛みのせいで自分で靴下をはくのが困難な状態です。
…痛いです。
皆さんも気を付けてください。
氷は滑ります。

さて。
馬の医学の話はこれで3回目ですかね。
ボクが獣医だと信じてくれる人がちょっとは増えてきましたかね。
今回からはワクチンについての話でもしましょうか。

まず。
ワクチンってなんでしょうね。
みんなの中にも秋頃になるとインフルエンザワクチンなんかで痛い思いをした人もいるんじゃないかな。
「インフルエンザワクチンを打つとインフルエンザにかからない。」
みんなのワクチンに対するイメージは、だいたいそんな感じじゃないでしょうか。
正解は…まぁ、だいたいそんな感じです。
…ってなくらいで説明を終わりにしちゃうと全然獣医っぽくないので、インフルエンザを例にしてもうちょっと詳しく説明しましょう。

インフルエンザは咳やくしゃみなんかでうつりますが(これを「飛沫感染」といいます)、この病気はインフルエンザウイルスという目に見えないほど小さな小さなもの(これを「病原体」といいます)がのどや口から体の中に入り込むことによっておこります。
このインフルエンザウイルスが体の中でどんどん増えて悪さをすることによって、熱が出たり咳が出たりするわけですが、こいつらをやっつけるために活躍するのが「白血球」です。
白血球にはいろんな役目を持つものがあり(例えば好中球とかリンパ球とかマクロファージとか)、これらが協力し合って働きます。
具体的にいうと、ウイルスが入り込んだ細胞を食べて仲間に「インフルエンザウイルスってこんなやつだよー!」と教える係、その知らせを聞いて「みんな戦闘態勢に入れ!」と指示する係、その指示を聞いてインフルエンザ攻撃専用の武器を作る係、そしてその武器で弱ったインフルエンザウイルスをやっつける係なんかがいます。
これを見てわかるように、ウイルスが体に入り込んでから最終的な総攻撃にたどり着くまでにいくつかの段階を踏まなくてはならないために、結構時間がかかります。

この時間を短くして、ウイルスが入り込んで来たらすぐに攻撃に取り掛かることができるようにしようというのが「ワクチン」の役目です。
具体的にはどういうことかというと…
まずインフルエンザウイルスの中身を壊して、病気を起こせないように殻だけにしてしまいます。
これがインフルエンザワクチンです。
(中身を壊して殻だけにしたものを「不活化ワクチン」といいます。これに対して弱らせただけで、中身を完全には壊していないものを「生ワクチン」といいます。)
このワクチンを体の中に入れると、さっき書いたような手順でインフルエンザワクチンはやっつけられてしまいます。
そしてここがポイントなんですが、インフルエンザ攻撃用専用の武器を作る係は一度その作り方を覚えると、インフルエンザ専門の係として武器の作り方を覚えたまま、全身で待機することになります。
そしていざ本物のインフルエンザウイルスが入ってくると、武器作成係が一斉に武器を作り始め、熱が出たり咳が出たりする前にやっつけることができるというわけです。

…えーっと、わかりましたかね。
ちょっと難しかったかもしれません。
わからないことがあったらいつでも質問してください。

最後にも一度。
氷は滑ります。

ではまた次回。

<ぽん>

えー、これがぽんさんを苦しめた原因です。


馬房の屋根の雪が溶けると馬房の前に落ちて凍ってしまうんですね。
というわけで、優しいあたろうが屋根の雪おろしをしてくれています。


もっと早くやっとけば良かったのですけど^^
ぽんさんは痛みのためファーム作業もままならない状況なので、コラムの登場が増えるかと思います。
みなさんどうぞお楽しみに。