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只今、試験運用中

「賢い収納」で防災・減災 避難路の邪魔物なくそう

2013年01月19日 | ボラバックセンター

テレビや雑誌でもたびたび特集が組まれるほど関心の高い「収納」。しかし、いくら美しく収納したとしても、地震などいざというときに、棚の中に収めていたものが飛び出したりして避難の邪魔になっては意味がない。阪神大震災から18年。日常の暮らしにも、防災・減災の視点を取り入れた収納について、整理収納のアドバイザー、尾山ケイコさん(46)に聞いた。

◆グルーピング

18年前、当時主婦だった尾山さんは、大阪府豊中市で阪神大震災を経験した。ベッドの枕元の壁に掛けていた大きな絵の額縁が落下、生まれて数カ月だった長男の頭に当たった。幸いけがはなかったが、「インテリアや整理、収納にも防災・減災の視点が大切だと気づきました」と話す。

平成19年に「整理収納アドバイザー」の資格を取り、一般家庭を対象にした相談などを受けている。その際、勧めているのが、グルーピング収納と呼ばれる収納法だ。筆記具と便箋を一緒に収納するなど、使いやすいように一つにまとめる収納だが、これが防災・減災でも役立つという。

「大雨の日に急いで避難するようなとき、レインコートと長靴がグルーピングして収納してあれば迅速に避難できます」

ただ、一般家庭の相談に乗っていて一番危惧するのが、災害に遭ったとき、どうやって避難するかのシミュレーションができていない点だという。

「実際に避難するときの様子を具体的に思い描いて、階段に物を置いていないか▽物を詰めた紙袋を廊下に放置していないか▽玄関が物であふれていないか▽ドアが大きく開くか-などを考えてみる。そのうえで収納を考えてみてほしい」とアドバイスしている。

◆わずかな傾きでも

防災・減災に役立つ収納棚も注目されている。

住宅建材メーカー、大建工業(大阪市北区)では、壁面を使った収納棚「MiSEL(ミセル)」シリーズを5年前に発売した。わずかでも傾けば、扉の留め具の中に入っている金属の球が動いて扉にロックが掛かる仕組みだ。扉が固定されることで、食器などが飛び出さないというメリットがあり、売れ行きは好調だという。

また、玄関脇の靴などを収納する棚「カンタナ」は、スペースの一部を防災用品を置く場所として提案している。同社大阪ショールームの松村義典さんは「玄関は、いざというとき、すぐに必要なものを持って出られる場所。有効に活用すれば防災にもつながる」と話している。

http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/education/snk20130119501.html