通りの向こうで、貧しい二人の老人が糸電話で歌っている。
面白そうなのでしばらく聞いて、通りの反対側に渡ってくると、
ひとりのご隠居風の爺さまが、歌詞の冊子をわたしてくれた。
なかなか立派なものなので「いいんですか?」と聞いたら
「いいんです」という。
歩道に灯りがともり、街は夜の部になった。
我輩は荷台に電子レンジを乗せ、焼き芋を作って通行人に
配っている。
出来上がった焼き芋を、薄く切って希望者に手渡す。
「皮が固い」という人がいるので、自分も一切れ食べてみたが、
それほどではない。
「美味い」という人には、もう一切れ厚めに切って手渡した。
CDラジカセでラテンミュージックをかけてやると、
みんな踊り出した。
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