J’sてんてんてまり

はじまりは黎明期。今は、記憶と記録。

アメーラ会の生い立ち

2007年06月19日 | 人にぞっこん

これからの時期、湿気が多くなると、水加減が難しくなるのだ、と稲吉正弘さんは言っていた。

今日も、高温で、日差しがあった。

トマトは美味しさを凝縮しているだろう。

温室に入った時の、すがすがしい緑の匂いを思い出す。






アメーラを作っているのは、株式会社サンファーマーズだ。

紹介してきたように、アメーラという品種ではなく、桃太郎というトマトの品種を栽培法によって、アメーラに育て上げる。

◎ http://blog.goo.ne.jp/j-tenten/e/cb33cbf9383602c8127740e272476f78

◎ http://blog.goo.ne.jp/j-tenten/e/2ef33f5b54caa3c32cf925f9feefc28d

◎ http://blog.goo.ne.jp/j-tenten/e/fea829634abcb7409f06299446a69b23

いまや、出荷の6割は関東へ、3割が関西へ、更に、もっと売りたい、扱いたい、という声が寄せられるアメーラ。

アメーラ出生、そして、今の人気までの話しは、ドラマ化したいほど面白い。

稲吉さんは、種苗会社の3代目。
ある日、静岡県農業試験場が、高い濃度のトマトの作り方を発表する。
その研究員は、稲吉種苗の社員の後輩だった縁で、興味を惹かれ、共同で更なる研究に取り掛かる。

稲吉さんの初代は、元はといえば、農家でもあった。
先祖がえりかなあ、と稲吉さんは言う。

篤農家の協力を得て、四季の中でどのように安定したアメーラを生み出してゆくかの研究が続く。

研究農場が欲しいのだが、農家でないと、農地の取得が難しいことがわかる。
その相談を受けて、中央会が、農業生産法人となることを提案。

ハニーポニックの生産システムを利用したトマト、アメーラが産声を上げる。

ハニーポニックとは、甘いトマトのハニー、水耕栽培のハイドロニックのポニックを合成して名づけた会社。
アメーラを作り出す溶液栽培のシステムを研究開発して、売る会社だ。


◎サンファーマーズのアメーラ
http://www.amela.jp/seisannsha.html

◎有限会社ハニーポック
http://www.ja-shizuoka.or.jp/nj3/houjin/honey.htm

◎高橋水耕
http://www.ja-shizuoka.or.jp/nj3/houjin/takahashisuikou.htm



当初は、思ったほどのスタートを切れないでいたが、あれよあれよというまに、アメーラが、味で市場の噂に上るようになる。
それは、飲食店やホテルなどの料理人の評判と、購入した消費者が、作ってくれた道だった。

作っただけ出てくれる、好評のアメーラ。

新たに、生産の場を広げる。

そして、2005年5月、株式会社サンファーマーズを設立した。
市場への売り出し方も、今までにはない独特な方法となった。

品質の維持管理、技術の改良、アメーラ販売のためのデザイン、マーケティング、クレーム対応、販売方法、輸送手段、、、、
生産者と消費者と業者をどう結び、、三方得にするか。

農業以外の業者とも関わり、アグリビジネスが歩き始める。




環境に対しても、敏感だ。

湿度を抑えるシートが、雑草の発生も抑え、病害虫やカビ対策にもなっている。
もとより、湿度が低く抑えられているために、病害虫もカビも発生しにくい。
時によっては、散布ナシで出荷が出来る。

病害虫のマメハモグリバエなどの除去には、虫取りシートも活躍する。






通路に置かれているのは、病害虫の天敵の住まい。


◎トマトに関するこれまでの研究(成果100選より)=静岡県
http://www.agri-exp.pref.shizuoka.jp/byoutyu/byou-9.jpg




再度の出番を待つ、ポット。

苗の廃棄は、堆肥化を行っている。





昨年、アメーラを作る仲間アメーラ会で、軽井沢の万平ホテルに特別メニューを頼み、会食懇談した。

アメーラ会の農家が、県内の大井川町、藤枝市、静岡市、沼津市、牧ノ原市に加えて、軽井沢町にも増えたからだ。

今年、新しく販売を開始したアメーラ・ルビンズも、料理長の手に届いた。

◎万平ホテル
http://www.mampei.co.jp/



まだまだ農のマーケティング事例は少ない。

アメーラ・ルビンズを販売に当たり、いくらが適当なのか、ターゲットはどこにするのか、マーケティングリサーチが行われる。

静岡県立大学の岩崎研究室が、アグリ・マーケティング・プロジェクトで力を発揮する。


◎静岡県立大学 経営情報楽部 岩崎研究室
http://ai.u-shizuoka-ken.ac.jp/~iwasaki/rubins20070224.htm




宝石みたい、ルビーみたい、シュガービーンズみたい。。。。味だけでなく、様々な感想が寄せられる。

アメーラのミニトマトなら、きっと価値を認めてもらえるのではないか。
その結果の商品開発は、まず第一歩を踏み出している。

パッケージは、プチクッキーやアクセサリーが似合う透明の容器になった。

パートから正社員になった一人が、花ガラを摘み、育てることを提案する。

パッケージの中身は、マスクと帽子に手袋を装着して、へたをとり、詰められてゆく。


アメーラ.ルビンズに、お初にお目にかかったのは、野菜売場を歩いていたときだった。

あれ??どうして、こんなキレイなものがここに???

容器も目を惹いたし、透明な入れ物を通してみるルビンズは、ミニトマトより更にプチで、可愛く、美しかった。


そして、口にして、なお、驚く。


パキっと音がした。。。


新鮮な果物の味と香り。






*上記は、アメーラ・ルビンズではありません。

上は、アメーラ・ルビンズの写真ではない。
家でなっているミニトマトだ。

ルビンズは、丸いとお箸で摘まみにくいという声も聞き、楕円形をしている。
またその長丸が、ビーンズっぽい。

これが料理人の気をそそるらしく、かなり、引きが来ていると言う。

アメーラブランドの新商品は、味も形もたいそう魅力的。

ちなみにアメーラとは、まったく違う品種のトマトなのだが、何かは、企業秘密だそうだ。


農業を経営する中で、品質維持と管理が、ブランド化できた理由だろう、と稲吉さんは言う。
そして、もともと農の原型は、共同作業であること。
地域でまとまり、皆が納得する、皆にとっていい物を作る。

アメーラは、簡単に、順調に育ったわけではない。
そして、日々変化する自然の力が育てる農においては、毎日が新しい。


20代の社員が半数という、サンファーマーズ。

農業の中において、若者の働く気持ちを喚起する、農への就業を夢と希望を持って進める魅力にも満ちているのだろう。


◎トマト栽培研究 YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/kikaku/079/6.htm


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