前回の今井実行委員長のあいさつに引き続き、岸裕司さんの講演の内容を…。
(有名人なんでまたまた実名で^^)

(丁髷を結い、一見怪しそうなんですが…(笑) 人懐っこい、いい笑い顔をされます。)
ご存知の方も多いと思われますが…
千葉県習志野市・秋津コミュニティ顧問!
23年前に東京湾の埋立地にできた新しい街「秋津」を舞台に、そこの秋津小学校を拠点にして活動されています。
→ 秋津コミュニティ http://www.akitsu.info/aki_comm/comm.html
http://www.akitsu.info/
また、学社融合を進める全国組織、「学校と地域の融合教育研究会」の副会長もお勤めです。
→ 学校と地域の融合教育研究会 http://www.yu-go.info/
新潟にも度々…。
数年前にも社会教育主事会の研修会にお出でいただきました。
それでは、岸裕司さんの講演録を。
長くなるので、何回かに分けてお伝えします。
司会者さん、よろしくね。
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(司会者)
さて、お次ぎは、本日のメインイベンター。
千葉県習志野市、秋津コミュニティ顧問の岸裕司さんです。
では、岸さん、よろしくお願いします!!!

今、ご紹介いただきました岸裕司と申します。
池上先生が、来れなかったことが幸いなのか、不幸なのか、少し時間を多くいただくことになりました。
多くもらったから、有益であるかどうかは、私の責任ではなくて、主催者の責任です(笑)
先に、申し上げておきます。
えー、それじゃ、あの、1時までいただいたということで、お願いします。
僕は、先ほど今井さんが先生なんて言ってくれたんですけど、先生でもなんでもなくてですね、3人の子どもの保護者として、今日お話しさせていただく、千葉県の習志野市立秋津小学校というところの、保護者がスタートです。
PTAの役員を7年やりまして、で、その間に、当時、生涯学習というような単語が出てきましてですね、それで、やめればいいのに、教育委員会がですね、秋津小学校を生涯学習の研究指定にしたんですね。それが、かれこれ15年くらい前で、で、教師は教師研究部会というのをつくって、当時の子どもたちが、生涯にわたり学んでいくということの基礎研究をしました。
で、同時にPTAの方に、保護者研究部会をつくってくださいと、話があって、やめればいいのにというのはその話なんです。PTAが受けてしまったんですね。で、3年間やりまして、その間、学校週5日制が導入されていませんでしたので、土曜日の午後は、昔遊びを子どもたちに教えるとかですね、または、秋津という地域はですね、習志野市の中の、まーいわば新住民なんですね。東京湾の埋立地に、今から26年前に出来て、ちょうど東京から行きますと、幕張メッセの一つ手前の駅が最寄り駅です。ディズニーランドを越えて5つ目なんですね。ですから、習志野市のことを何にも知らない。古い街、貝塚が出るような街なんですが、ですから、生涯学習と称して、習志野史跡巡りを行ったり、さらに、翌年、幕張メッセが出来たもんですから、大イベントホールのこけら落としと称してですね、創作秋津オペレッタ、423人が参加して、そんなものも行いました。

(岸さんの講演を聴く参加者 …ん?どこかで見たことある写真…)
で、そうする過程で、オペラを演じたおじさんやおばさんがですね、演じることに喜びをもって、「劇団かの海一座」などというのをつくってですね、実は今日も、定期公演で15回目の公演の日なんです。私は、昨日見てきましたので、今日は、片付けにも参加しない訳ですが…。それからコーラスのお母さん、さらには我々、父親は、当時、生活科が導入されたので、先生の要望で生き物を飼い育てる授業をしたい、充実したいということで、飼育小屋を作ったんですね。学校に集う楽しさを、お父さんたちが味わうようになって、えー味わうようになった中にはですね、だいたい作業をすると汗をかきます。汗をかくと、だいたい喉が渇きます。喉が渇くと、あれが欲しくなります。ということで毎回、5時くらいから学校の敷地の中で、あれの会というのを延々とやりましてですね、今日まで続いている訳ですが、そうゆうモノづくりに疲れたお父さんたちが、工作クラブというのをつくって、その後、余裕教室の1室を図書室に改造したり、様々な活動をする中で、研究指定は終わります。ところが、せっかく引っ掛かった保護者たちはですね、そうゆう楽しみをずっと続けていきたい、ということで、秋津コミュニティーといいます校区全体の生涯学習を推進する任意団体をつくり、学校に事務局を置き、今日まで来ています。
その過程で、活動する恒常的な場所が欲しいという要求が出て来て、当時子どもの数がどんどん減った中で出て来た、余裕教室を4つ、それから花壇も減る訳ですね。減るというか、あのー、学級花壇が空いちゃう訳ですね。ですから、学級花壇もいくつか借りて、現在は、300平米借りて、「裏の畑」というサークル名の名前、サークルをつくってですね…。それから、陶芸窯が学校にあったんですけど、陶芸に熱心な先生が転校するとですね、陶芸窯が使われなかったんです。学校備品で、せっかく100万くらいかけて設置しているはずのものも使えないので、大人たちの秋津陶芸同好会というサークルもつくり、その3つの施設を、13年前から秋津小学校コミュニティルームという名称で、借りています。
ですから、秋津コミュニティといいます生涯学習のソフトを開発する団体があって、その活動があったが故に、ハード施設としてのコミュニティルームの開設に至りました。
で、5年前に、ご当地の方々、それから当時の校長先生等がですね、秋津小に見学に来ていただき、そして、4年前の平成14年度ですね、この笹口、ホットハウス笹口が開設されて、私は、2年前に伺いましたが、秋津よりもものすごく素敵な部屋でですね、もって帰りたいなと思うくらい、ロケーションとしては大変いいコミュニティルームが出来たなーと、大変嬉しく思っています。
そんなご縁があって、今日、来させていただきました。
前置きがちょっと長くなりましたけれども…。えー、お手元に僕のレジュメがあると思いますので、それに添って話を進めたいと思います。
えっと、いただいた題は、「学社融合とスクールコミュニティ」という題をいただきました。
スクールコミュニティというのは、追々お話ししますけれども、文部科学省がいっている「コミュニティスクール』というのと、ちょっとニュアンスが違います。「目指すところが違うんだ」ということが、今日の私の話の趣旨です。
あっ、一番最初に出だし言った話、忘れてしまいました。
先生ではなくて、そんなことで、地域のおじさんなので、「岸さん」とか、または「ユー君」と呼んでもらう方が、私はとても気楽です。
えー、それでせっかく、あの、見たら資料もありますので…。えー、お手元に、聖籠中学の、「コミュニティスクール、聖籠中で試行」というのがありますが…。えー、一番、見出しの下、左に、「本県ではまだ指定校はないが、聖籠町の聖籠中学校が、唯一昨年度から試行している」と…。実は秋津小学校も、千葉県で唯一同じことをやって来たんです。で、やって来たんですが…。いよいよ、今日僕がもってきた朝日新聞の千葉版に、「習志野に、コミュニティ・スクール」ってのがありますが…。えー、今度は試行ではなくてですね、習志野市教育委員会が、文部省が法律を変えた制度に則って、地域学校運営協議会、通称、コミュニティスクールと言いますが、それを、この10月1日に設置した、という記事なんですね。

(熱心に、ユー君のお話を聞く参加者。あれーっ、同じじゃん、この写真)
えー、コミュニティスクールは、特徴をいくつか申し上げますと、えー、保護者や地域住民および学識経験者や学校運営の当事者であられます校長先生や教頭先生等等、およそ15人くらいが委員に、教育委員会から任命されます。保護者や地域住民は、地方公務員の特別職になります。ですから、えー、個人情報であるとかですね、いくつかの制限を受けた公務員になります。で、その上で、明治5年の学校教育制度発足以来、初めてと言っていいくらいのことが、いくつかあります。
そのいくつかは…。教職員人事に、保護者や地域住民が意見を言ってもいい、ということが、最大の目玉です。具体的に言えば、「あの教師いらない」または、「こうゆうことを熱心にやってくれる校長に来て欲しい」という意見を言えます。このことは、学校教育制度始まって以来の大改革ということが言えると思います。
ですから、及び腰の教育委員会も、実はたくさんあるんですが…。えー、日本全国で現在105校くらい指定されていて、今後は、あちらこちらで、増えていく可能性をもっている、そういう制度だと、そうゆうふうに思っています。
しかし、それにもいろいろ問題がありますので、それらの問題については、共著でみんなで書いた、今日の主題である「市民立学校をつくる教育ガバナンス」を読んでいただくと、良くお分かりいただけると、先に宣伝しておきますが…。特に私のところは、法律文の問題点であるとか、むしろこれを土台にして、こうゆうふうに教育委員会が指定する際に、運営規則をつくると、ホントの意味での市民立になっていくよ、というようなことを、私が実践を通して感じたことなどをですね、具体的にここに書いてあります。是非お読みいただいて、皆さんの地域、または学校運営上の今後のイメージなどをつくっていく際の、参考にしていただければと思っています。
それじゃ、じゃ、学社融合と、私が言うスクールコミュニティというのはどういうことなのかについて、話をさせていただきたいと思います。
えー、(資料の)頭のクロポチ、「学社融合は、融合の発想。すなわち、WinアンドWinの一形態である。一形態には、夫婦融合や行政内融合もある」とゆうふうに書きました。
実は、私はビジネスマンです。月曜日から金曜日までは、東京の文京区で、広告のデザイン会社を経営しています。えー、29で独立して、今年で25年目かな。潰れずにですね、一応やってきました。
そのビジネスで、私が学んで来た一番重要な考え方が、この「WinアンドWin」なんです。「WinアンドWin」というのは、この図が、その下に2つありますが、右の状態なんですね。Aという私の会社が、Bという会社と取引する際に、両方がメリット無いと仕事が長続きしない、という考え方です。ですから、私の会社も仕事をするよ、こちらの会社も仕事を出してくれるよ、その関係性を重ね合わせて、双方が喜ぶように仕掛けをし、仕事をしていくという考え方です。そうでないと、世の中見てますと…。自分だけ勝ちゃあいいんだ、俺の部署だけ儲かりゃいんだ、というようなことが山ほどあります。そして、どっかで破綻します。
例えば、最近でも…。損保ジャパン、関係者がいたら申し訳ありませんが、損保ジャパンという保険会社がですね、保険金を詐欺して、詐欺してというのは加入者に払わないで、そして2週間の営業停止ということがありました。同じく、明治安田生命という会社も保険金詐欺がありました。三井物産という大きな会社も、東京との排ガス規制のトラックにつける機械の数値をごまかして、そして、回収騒ぎ、大きな会社のダメージということもありました。つまり、今が自由主義の社会であるが故に、先ほど今井さんがおっしゃったように、情報の開示、情報公開と説明責任っていうのをセットで内在化しておかないと、どんな会社でも、どんな組織でも、どこかで破綻するというふうに、私は思っています。
ですから、突っ込まれるから情報を開示するんではなくて、情報を開示する前提で組織運営を行っていた方が、はるかにいいんだ、ということが、私は、自由であるということの根本にあると思います。で、そのことは、(資料の)E=Aの中に学校を入れ、Bの中に、地域または保護者というのを入れれば、自ずと、学校運営も、「WinアンドWin」の関係にいくように、仕組んでいくということが大切であるということに、私は気がついて、ずっと地域で、学校に関わることをしてきました。
もう一つ、典型例としては、(資料の)左側の図ですが、これを私たちは、「連携の図」と言っています。英語的に言うと、「ギブアンドテイク」。これだけあげるんだからこれだけ返しなさい、という関係性のあり方なんですね。ですから、(資料の)右の円と左の円、分かれていて、さらに左の円には丸が3つ、右の円には小さい丸が2つ、これは何をいってるかというと、資産や人的な、人的物的な資産を言ってます。
左の図のように、学校運営のために、地域の人に協力していただく。または、社会教育では、左側のように子どもたちを連れて来ていただく、というような関係で、真ん中が離れているんですね。共有するところが無いんです。つまり、学校運営する時に地域の人や保護者に来ていただくと、学校にはメリットがあるけれども、地域の人には、必ずしもメリットを生まないことがある。そして、長続きしない。なぜかというと、資産の交換ですので、交換バランスが崩れることがあります。バランスが崩れると続きません。私たちは、最初から右のように、バランスが崩れないように、はじめから学校運営上の目的と、参画する保護者や地域の方々の目的を重ね合わせするので、長続きする。ということを、我々は、実践から培ってきました。ですから、Aの中に私を入れて、Bの中にワイフを入れるとですね、夫婦融合と言いまして、今日新潟に来ることも、「行ってらっしゃい!お土産買って来てねー」と、そうゆうふうに仲良くできる。
それで、融合の発想というのを私が定義しまして、(資料の)ここに2行で書きましたが…。
関わり合う2人以上や、機関同士、機関ですから「学校」という機関と、「地域」という組織であったり、または町内会であったり、福祉団体であったりNPOであったり、何でもいいんです。または、教育委員会と首長部局とかですね、教育委員会の中にも、学校教育部署と社会教育部署というのがあるんですが、だいたい反りが悪いんですが、その両方を融合してもらうと、「行政内融合」と言います。実は、笹口小学校のホットハウス笹口は、生涯学習部署と学校教育部署が融合しないと、現実にこうゆうことは出来ないんですね。なぜかというと、地域の人に入ってもらうと学校は迷惑です。さらには、地域の人に入ってもらって、負担が大きくなります。日曜日にこうやって開くということは、校長先生は、無休出勤で今日来ていることになるんですね。これではメリットが双方に行かないです。そこをどうやってメリットをつくっていくかということをしっかり考えた上で、開設しているので、私がいう「行政内融合」である。
主体者A・B、双方が目指す目的を、同時に果たし、時にはCという新しい価値をも生むように、はじめから意図してあることを仕組む発想法。実は、このCというのが、校区に取っては、ものすごく重要だと言う事実が、様々な事実から、私たちは得られました。次世代育てであるとか、「サスティナブル」と言いますが、子どももの数を増やすとかですね、子どもの数を増やさないと、学校は無くなります。学校が無くなると、町は廃れます。じゃどうやって子どもの数を増やすかというと、UタウンやIタウンできる魅力的な学校や地域をつくることなんです。そういう仕事は、一般に教職員や行政はやりません。悪いということでなくて、仕事が違うからです。じゃ誰がやるのか。保護者や地域住民なんです。それは、継続ということが出来るからです。今は小学生でも、2、3年後には中高生になって、街中であってもあいさつが出来る。「おい、お前、その頭なんだ、金髪は?だけど可愛いな」。なぜかと言えば、小学生の時の可愛い顔を知っているからです。中学生の先生は、中学に入った時の顔しか知りませんから、いつも金髪、茶髪になれば指導対象になるんですね。そのあたりが違うんですね、地域住民と。ですから街をつくるのは、「人」「こと」「モノ」と言われますが、私はそこに「時」という概念をつけて、街づくりの四大要因であると。その「時」を担うのは、主体者Aである「地域住民」であるというふうに私は思っています。そうゆう中から、Cという街づくりの価値、次世代育ちの価値も生まれてくる。そうゆうことを目指すことが、実は私は、「スクール・コミュニティ」と言うふうに考えています。
ちょっと前置きが長くなったんですけども、じゃ、どうやったら学社融合の2つのあり方を導入しつつ、スクール・コミュニティをつくっていくことが出来るのか、そのあたりを、ビデオを見ていただきながら、もう少し詳しく見ていただきたいと思います…。
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とりあえず、今日はここまでに…

また次回。
(鋭意作業中



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