
↑↑↑聖籠中学校
1月10日(木)15:25~
おなじみの高陽荘
市校長会の主催で、教育講演会が開催されましたー!
PTAにも声がかかったものだから、これ幸いに、小学校を通じて申し込みました。
テーマは、「地域連携と学校運営を考える。~地域と学校の協働の勧め~」
講師は、聖篭町教育委員会「坂口眞生(さかぐちまさお)」教育長さん
日頃ご指導いただいている、あの新潟市教育政策監:手島さんの跡を継いで、聖籠町教育長になられた方。
その講演要旨を掲載してしまいまーす!
スイヤセン。未承諾でありますが(汗)、地域と学校の連携・融合を願う立場でありますので、何卒、お許しください。
<m(__)m> !!!
問題あれば、ご連絡ください。
メモ忘れ・言葉足らずの部分もありますが、要旨は汲み取っていただけるんじゃないかと思っています。
長くなりますが、お許しくださいませ




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■はじめに
昭和41年から、2年間、直江津第二中学校でお世話になった。
教員生活のスタートが、今のここ上越市。
統合前の聖籠中学校で2年間、統合後の聖籠中学校で3年間、校長を勤めた。
退職し、新潟市総合教育センターの指導主事を1年勤め、聖籠町教育長に
聖篭町では、中学校1校、小学校3校、幼稚園3校。
■最近の教育の課題
最近の教育改革の波で、学校教育現場は振り回されている。
昔と違って、方向が定まらない。ハッキリしない。
そんな中で、教育をめぐる課題を最初に列挙してみたい。
●保護者・地域
学校の教育目標である「知・徳・体」に関係し、ある講演会があって、講師が、居並んだ保護者に「自分のお子さんは、どんなふうに育ってほしいか?」と、次の三択から問うた。
「1頭のいい子・2心やさしい子・3体が丈夫な子」
「頭のいい子」に手を上げる保護者は少ない。
「体の丈夫な子」に手を上げる保護者が一番多い。
しかし、保護者の本音は、「いかに自分の子をいい学校に入れるか」だ。
自分の子だけ恩恵に与りたいと考えている場合が多いようだ。
本音と建前がまるで違う。
移行学級で、保護者を前によく話すことがある。「子どもたちは、人の子と一緒だから育つんだ」と。
今、入ってくる情報が多くないか。
例えば、子どもたちが関わる犯罪報道が多くなった。
しかし、数字を調べると、犯罪件数は減っているという。マスコミが悪い?
子どもたちにとって、「情報過多」はいいことか?
中学校でも携帯電話をもっている子が多くなった。
親が使いこなしていないのに、そのまま子どもに預けてしまう。
子どもたちは、入ってくる情報を、精選・編集できていない。
聖篭町は、幼稚園月額費用を無料化した。
しかし、そのお金がどこに消えているかというと、親のパチンコ代になっているという話もある。(一部だが・・・)
「集団登校」について
その登校班単位で色々な教育活動を行うなど、集団登校のメリットは大いにある。
しかし、今のご時勢で、親は、スクールバスで送ってほしいと言う。
「教育」と「安全」が、ピタリと一致しない。
「自助」と「公助」について
その間には、昔から「互助」というものもあった。
今、自助努力をしない保護者が増えた。
昔は、何かあれば子どもの面倒を見てくれる人がいて、互助が成り立っていた。
近頃は、地域のコミュニティが低下しているせいか、互助も成り立たない。
何かあればすぐに行政に連絡が来る。
「自助→互助→公助」となるべきものが、なっていない。
「言葉」使いが難しい。
近頃、「学力」という言葉が多く聞かれる。
今の報道では、「学力=テストの結果」と捉えられている。
本当の「学力」とは、テストの結果だけでないはず。
●教師・学校
価値観の多様さから、教育の先が定まらない。
学校のやる仕事が多くなって、授業に専念できない現実がある。
教員の評価について
評価は必要。
しかし、県教委は予算が無いから、10人教師がいれば、必ず5人の教師を「劣等」に区分しなければならない。
これが本当の評価か?
若い先生達は、その学校の学区に住まなくなった。
教育委員会は、優秀な先生から来てほしいと、教員住宅を造るが、そこには住まない。
生活に便利な新潟市や新発田市に住んでしまう。
回顧主義ではないが、昔は、子どもたちの通学と一緒に通勤したもの。
そんな触れ合いからも、子どもたちの日々の様子が読み取れた。
学区に住んでくれるような、そんな(意気込みのある)先生がいたらいいと思う!
教育に市場原理が持ち込まれている
教育再生会議で、「バウチャー制」が取り上げられた。田舎で導入できることか?
学校選択制も、都会では始まっている。
中学校の校長が、「うちの学校に来てほしい」と小学校を廻っている。
しかし、保護者に学校を選んだ理由を聞いてみると、「○○駅に近いから」、「通学に便利だから」など。これが現実。
杉並区立和田中学校
リクルート出身の民間校長を採用。
和田中の取り組みをすべて批判するつもりはない。校長さんとも一緒に酒を飲んだこともある。
和田中では、成績の良い子どもたちを主な対象に、土日や平日の夜に塾の講師を招いた補習授業を行っている。
公立中学校で、そこまでしなければならないか。
■課題解決に向けた視点
●目先の課題と将来の課題
「学力低下」が問題視されている。聖籠は県内でも最低の方。
「学力」には、「早寝・早起き・朝食」が良いとの意見がある。もっともだ。
規範意識からくる良い生活習慣がないと、上がるものも上がらない。明らか。
●子どもと学校は地域の財産
学校がやることは、「学区の誇り」を作ること。
地域の良さを見つけ、地域に貢献できる学校であってほしい。
日頃住んでいる人は、地元のことが良くわからない。良くわかるのは「よそ者」。
学校の先生は「よそ者」だ。
こんな例え話を聞いて感動したので、よく使っている。
「地元の人=土の人」「よそ者=風の人」 土と風が合わさることで、その地域の「風土」が作られていくという。
全国調査から、「地域の子どもは地域で育てる」という意識は、新潟県はまだ高い。
東京は、もうそんな意識はない。
だから、学校選択制やバウチャー制。
まったく個人中心となってしまった。
●統合中学校の建設を機に
昭和30年に、旧亀代村と聖籠村が合併
亀代地区は、海岸部で、漁業のまち。人口7000人だが、3つの集落しかなく、網元を中心に生活が営まれてきた。
聖籠地区は、内陸部にあり、果樹中心の農業が行われている。30の集落があって、7000人が暮らす。
住民の気質もまったく異なり、亀代中学と聖籠中学の統合は、2村合併以来何十年もの懸案だった。
町長選挙があって、どの候補も中学校の統合を公約に掲げたので、中学校の統合が動き出した。
「教育はまちづくりの問題」との考えで、前の手島教育長が、一人一人を口説いて廻って、町民主体の建設推進委員会をつくった。
この素人集団が、中学校の基本計画を提案。
◎学校とは、心をぼろぼろにするところでなく、心をみがくところ
◎学校とは、なまけるところでなく、努力するところ
◎学校とは、なかまはずれにするところではなく、みとめあうところ
◎学校とは、また明日いきたくなるところ
◎そのためには、教育観の改革、教育内容と方法の改革
◎そのためには、施設設備の改革
◎そのためには、聖籠町民の意識改革
この一群の言葉は、建設委員が、福島県三春町や安塚町など沢山視察し、議論し、生まれた言葉。
これを大事に、中学校建設を行った。
特徴は、教科センター方式を取ったこと。
中学校では、教科毎に先生が違うし、クラス担任と言っても、朝、少しの時間だけ、子どもたちの様子を見られるだけ。
発送の転換。
中学校も荒れていて、今までの学級中心・学級経営方式が行き詰まっていた。
そんなこともあり、教科センター方式を取った。
各教科の先生方に、(子どもに配慮してもらえるよう)期待してのこと。
統合中学校開校とともに、統合中学校を育てる会が発足。今の「みらいのたね」に繋がるもの。
午前・午後各2人の地域住民が、中学校に常駐している。
学校を飾りつけたり、趣味の活動を行ったりと、好きなことをしてもらっている。
この後、中学校に出入する町民に、中学生があいさつするようになった。
これまでは、荒れているものだから、住民は、怖くて中学生には近づかなかった。大きな変化である。
町内に3つの公立幼稚園がある。それぞれ、小学校の学区に対応し、一つずつある。
幼稚園費用の無償化も図った。
将来は、幼稚園の義務教育化も図って、幼・小・中で一貫した教育活動をしたいと考えている。
幼稚園では、特に「しつけ」を重視したい。保護者からも関わってもらいたいと思っている。
●学校運営協議会
聖籠町の学校は、県から「コミュニティスクール」の指定を受けて、学校運営協議会を設置している。
協議会の形は自治体によって様々。教員が入らないところも多い。
聖籠の学校運営協議会には、校長も、保護者も入っている。
中学校の運営協議会委員は15人。小学校の運営協議会委員は10人程度。
学区毎の“小さな教育委員会”のイメージ。
地域の人は、サポーターではない。パートナーと思っている。
運営協議会などで、「困っていること」「学校ではできないこと」など、学校の様子をありのまま出すことが、地域住民の協力に繋がるのでは?
「助けてほしい」と言えば、地域住民は、きっと学校の力になってくれる。
地域との関係で、「あなたは、ご飯をつくる人。私は、ご飯を食べる人。」と割り切ってはダメ。
だから、「ご飯がまずい」と、クレームも出てくる。
だったら、ご飯をおいしくする方法を色々考えましょう。
みんなで。
■最後に
●先日の関東学院大の大麻事件に関して。
最初に2人が逮捕され、監督が、部員に「他にいないのか」と問いかけたところ、誰も申し出なかった。
しかし、捜査が進展すると、十数人が逮捕される事態になった。
監督は、指導力がなかったと悔やんで辞職した。
近頃の子どもは、過ちを犯しても、名乗り出ない。
過ちは次へのステップのはずでは。
●学校現場は、忙しい。
でも、「できません」と、手を抜くところがあってもいいじゃないか。
目新しいことをやらなくてもよい。
運動会や修学旅行など、今あることを見直したり、充実させたりしてもいいのでは。
「生活」のカリキュラム化。
●校長は、社長?それとも支店長。両面あっていい。
●人間味と管理職
皆さんの学校では、新年会は終わりましたか?
飲み会で、率先してカラオケをやる校長先生が、一番いい先生だと思っています。
(ご静聴、ありがとうございました。)
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結局、坂口教育長さんは、何が言いたかったのか???
独断と偏見で、自分なりに考えてみると・・・
「忙しくて授業に専念できない。」
「学力向上が、最優先のように言われる。」
「保護者からの自分勝手なクレームには手を焼く。」
「子どもたちが授業に集中しない。」
そんな、暗中模索が続く学校教育現場にとって、地元学区や地域との協働がキーじゃないか。
地域と手を携えることで、それら課題を少しでも前進することができるよー!。
そんなことを、坂口教育長さんは言いたかったんじゃないかと感じました。
「みらいのたね」についても、もう少しお聞きしたかったですね。
会場では、約80名の校長さん方に、10名ほどの保護者も交じっていました。
校長先生方の日頃の苦悩を、ピタリと的確に代弁する内容だったと思いますし、保護者にとっても、坂口教育長さんの率直な話し方もあり、日頃の子育てについて考えさせられる内容だったと思います。
まー、講演を聞きに来ている保護者は、PTA役員など問題意識の高い人ばかりだったでしょう。
ホントなら、もっと他の保護者に聞いてもらいたかった内容だと思いました。
昨年は、上教大の渡辺学長さんが、やはり「地域に開かれた学校」をテーマにお話しされたと聞きました。
学校現場も、「地域」に目をむけ始めましたねー

市内では、ここ数年いくつかの学校で校舎が改築され、地域住民が気軽に出入りする交流スペースが整備されています。
でも、○○津小学校や、大○小学校では、施設が整備されても、遅々として地域との交流が進んでいないと聞きます

でも、○北中学校では、バンバン進んでますが・・・
学校と地域の融合は、うちの市では、ようやくスタート地点???
地域に根ざす僕ら社会教育担当も頑張らねばーーッ!