◆横笛吹屋日記◆

信州のボサノバフルート奏者赤羽泉美のblog
音楽の他、好きなもの(野球、鉄道、カレー)についても綴ります

たくさん、ありがとう。

2015-04-28 23:20:44 | ◆横笛吹屋日記◆

4月28日 天気はれ


先ほど、無事帰辰。
本当は昨晩帰ってくる予定でしたが
本日に変更。

じつは、
いつもとてもお世話になっている
レコーディングスタジオ
《中ノ峠ミュージックラボ》の
スタッフでもあり、
エンジニア千田さんの奥様でもある
千田伸江さんが亡くなりました。

本当に「それじゃぁもう帰ろうか」
というそのときにその知らせを受け、
急きょ、一泊伸ばして
今日、最後のお別れをしてきました。


伸江さんは
コナカデ ノブエの名前で活躍された
素敵なピアニストでもありました。


いま、信州に帰ってきて
今日のあたたかな気持ちのまま
ここに書き記しておきたくて…。


伸江さんは
私のプロデューサーでもある
ピアニスト今井亮太郎さんの作品

【湘南-リオデジャネイロ】
【ピアノ・サウダージ
 -feat.Izumi Akahane-】
【ピアノ・ジョビン】
【ピアノ・バトゥカーダ】

にアシスタントエンジニアとして
製作に携わってくださり、

私と亀井恵さんの
メジャーデビューアルバム

【ホワイト・ボッサ】

にも同様に携わってくださいました。


【ホワイト・ボッサ】を収録している時
ちょっと怠そうな、辛そうな
表情をしていたのだけれど。。。
そのときは気にも留めてなかった。

伸江さんの病気は、癌でした。


私が子宮頸がん前癌で手術し
その約2週間後に収録に行ったとき、
そしてそのあと行くといつでも
私のカラダのことを心配してくれた。

いつでも周りの人に気を配って
思いやりのかたまりのような方でした。

その伸江さんと、
エンジニア千田さんの作り出す空気感。
本当にあたたかな空気感。
それはこれまでの作品の音に
自然と入り込んでいたように思います。

本来シビアで厳しいはずの
レコーディング現場において、
こんなにもゆったりとした心持ちで
収録させていただけて…

そんな空気感を作ってくださっていた
伸江さんに、本当に感謝いたします。


伸江さんの病気がわかってから、
“今井亮太郎グループ”の
メンバーにも協力をしてもらって、
彼女へのメッセージボードを作りました。

私たちにできることは
本当に、こんなことぐらいしかなかった。





表紙も作って…
ちょっとクスッと笑えるように
「全音楽譜出版社」をパロって
「半音楽譜出版社」

(これは今井さんのアイデア!さすが!)



闘病の最後のほうは
とても大変だったということを
今日初めて聞きました。

「あんなに痩せていたのに
最期のときの顔は、ふっくらと、
いつもの顔に戻っていたんですよ。
あのメッセージボード
伝わったんだと思います」

と千田さんから言っていただき、
何をすることもできなかったけれど
私たちの感謝の気持ちが
伝わったような、そんな気がした。



いつかは私も、みんなも
人生を閉じていくので
必ずまた伸江さんに逢える。

いま、しばしのあいだ
顔を見られないのは辛いけど。


それまでの間に
私たちが作る作品、奏でる音楽には
必ず伸江さんの優しさや
あたたかな空気感が流れている。

そう思っています。



一緒に作った最後の作品
【ホワイト・ボッサ】

このアルバムを
大切に、大切にしていこう。



中ノ峠で
いつも私たちを見送ってくれたように

笑顔で手を振って
伸江さんにお別れを言います。



伸江さん、またね!
ゆっくり休んでね!!

ありがとうございました!!!