昨年末、北杜夫さんが亡くなりました。
昨年は、NHKの週刊ブックレビューの名司会をされていた、児玉清さんも亡くなられ、
とても残念でしたが・・・この番組自体も打ち切りのうわさがあるらしく、
形を変えてでも、ぜひ続けてほしいなと思います。
北杜夫さんは、若いときに好きだった作家で、
『楡家の人々』『夜と霧の隅で』『幽霊』などの文学と
どくとるマンボウシリーズや狐狸庵こと遠藤周作さんとの対談などの、
ユーモアというか変な人としての二面性が好きだった。
遠藤周作も好きだったけど、
北さんのほうが、もっと変だったので、より好きだったのかも(笑)
そのころから、変な人が好きだったのですね

(北さんはご自分は精神科の医師なんだけど、自らも躁鬱症ということで、
相当変でした)
そして、一番好きだったのが、この『どくとるマンボウ青春期』でした。
ちょうど青春(たしか高校生)の時に読んだのもあるとは思うけど、
戦争中の大変な時期に、
最後の旧制高校生として、若いゆえのはちゃめちゃ、へんてこりん、
でも一生懸命な生活を書いたもので、
可笑しくて哀しみがあって、結構深いことも書いてあって。
本屋さんで、追悼ということで文庫本が平積みになっていたので、
すごく懐かしくなって、買って再読しました。
今読んでも、面白かった

これを書いた時は、北さんは40くらいだったらしい。
ちょうど40くらいから、青春時代を振り返ったりするようになるよね~~なんて、
歳になった私は思ったりして(笑)
そして、これを読んで、ちょっとこのバンカラな生活に
あこがれていた思春期の自分を思い出したりして、
なんかとても懐かしく、
北さんありがとう

1月に入ってから、
ちょっと遠のいていた江戸本2冊読みました。
十日えびす(花嵐浮世困話)宇江佐真理著

宇江佐さんのお話は、主人公がぶれないので、
とっても安心して読んでいられて、
そしてほどよく人情話なので、
江戸のお話のいいところを突いてくる方だと思います。
最近の江戸のお話って、
料理がからんでいるのが多いですね。
主人公が料理人とかもきっこう多いし。
このお話は料理人ではないけど、
日常生活のなかで、お料理して食べさせるっていうシーンがけっこうあって、
やっぱり、食べ物を作って、食べたり食べさせたりていうのが、
生活の中で、安心できるものなのかもねって思いました。
(私が単に食いしん坊なのか。あはは

もう一冊は
浮世女房洒落日記 木内昇著

木内さんは直木賞作家で、『茗荷谷の猫』を読んだことがあるんだけど、
ちょっと暗くてあまり好きでなかったのですが、
これは面白かったです。
江戸に住む若いおかみさんの日記なんだけど、
江戸の巷の人々の感じがでていて楽しいし、
このおかみさんがすごく前向きで、
元気になるような本でした。
この記事を書こうと思って、ググったら
木内さんが女性だということを知った。
すっかり男性作家と思っていた。
失礼しました
