お母さんが前を走って、向こうに行っちゃったら
急に家に帰りたくなっちゃった。
お母さんは向こうでしゃがんで
「ティナちゃんおいでー

ティナは、お母さんの方に行かないで
お家に帰ろうと思ったんだ。
ティナはお家がどっちの方向かわかるよ!
すごいでしょ!
だから、猛スピードで、お母さんと反対の方向に駆け出したの。

「ティナちゃ~ん!こっちにおいで~!こっちよ~!」って呼んでいる声は聞こえたけれど
もう・・・

階段も上っちゃったから、お母さんのところには帰れない。
だって・・・

仕方がないから、お家の方向に走る。
「アッ!お母さんが追っかけてきた!逃げろー!」
走る走る。
駆けっこはお母さんよりずっと速いのよ。だから、負けない。
「ティナちゃん!どんどん行ったら危ないヨ~!」
お母さんの声がずっと後ろで聞こえた。
「どうして危ないんだろう

わからなかったから、ちょっと振り向いた。
「アッ!お母さんが近づいてくる」
面白くなって、また、走った。
「ティナちゃ~~ん」お母さんもスピードを出して追ってくる。
「あれ~?、どこを曲がるのかな?ここかな?あっちかな?」ティナはチョット悩んで首をかしげた。
おっと!
その隙にお母さんに捕まっちゃった

だけど、お母さんが捕まえてくれて、本当はチョット安心したの。
あ~ぁ

