日本相撲協会は29日、大相撲九州場所(11月11日初日・福岡国際センター)の新番付を発表した。地元柳川市出身の大関・琴奨菊(28)=佐渡ケ嶽=は初のカド番ながら、節目のこの日、久山町の宿舎でスポーツ報知既報通り婚約を発表した。新横綱・日馬富士(28)=伊勢ケ浜=は福岡・太宰府市の太宰府天満宮の宿舎で会見。11月4日、部屋後援会に大分県支部が発足することが分かった。新たな応援を励みに、1995年初の貴乃花以来の新横綱優勝を狙う。
奨菊は晴れやかな笑顔を浮かべた。婚約者の佐賀市在住の会社員、福地真紀子さん(29)=同市在住の福地栄樹(よしき)さん(64)の三女=も同席。大関は「一番つらい時や大関昇進がかかった時も支えてもらった」と幸せそうだった。
09年に知人の紹介で知り合った2人。お互いの第一印象は「すごく明るくて一緒にいたら楽しそうだなと思った」(琴奨菊)。「とてもすてきな笑顔で、優しそうと思った」(福地さん)という。同じ九州出身で意気投合し、出会いからさほど時間をおかず、11月から交際をスタートした。順調に愛を育み半年ほど前に琴奨菊から「一緒になろう」とプロポーズした。福地さんは「大関の人柄で(結婚を)決めた。その場で『よろしくお願いします』と言いました」と明かした。
九州場所後に婚姻届を提出し、年明けには同居を始める予定。挙式は来年4月20日に都内で行う。28日には故郷の福岡・柳川市に里帰りし、相撲を始めるきっかけをつくってくれた亡き祖父・一男さん(享年76歳)の墓前に報告したという。子どもの予定はまだないが、大関は「多い方がいい。相撲は子どもがやりたいというのなら。(婚約発表したことで)どこにでも2人で行けるのが一番うれしい」とのろけた。
左膝の負傷で秋場所を途中休場し、今場所は自身初のカド番で迎える。琴奨菊は「いろんな試練を2人で乗り越えられるように」とあえてこの時期に発表した理由を説明した。師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)は「優勝するくらいの気持ちで臨んで」とハッパをかけた。琴奨菊も「2人で。(綱取りへ)頑張りたい」と気合を入れた。生涯の伴侶を得た力を糧に、地元の九州で復活を期す。
◆琴奨菊和弘(ことしょうぎく・かずひろ)本名・菊次一弘。1984年1月30日、福岡・柳川市生まれ。28歳。佐渡ケ嶽部屋。2002年初、初土俵。04年名古屋、新十両。05年初、新入幕。07年春に新三役(関脇)。11年秋場所後に大関昇進。得意は左四つ、がぶり寄り。180センチ、177キロ。