goo blog サービス終了のお知らせ 

いたち日記

今治 来島海峡

「天使の囀り」読みました。ネタバレ注意!

2013-04-03 21:10:11 | 映画・本・アニメ
貴志祐介の「天使の囀り」読み終えました。これも電子辞書。当面、あまりにも便利なんで電子辞書で読めるものは電子辞書で読むことになろうかと思います。

ジャンル的には病原菌パニックホラーもので古くはマイケル・クライトンの「アンドロメダ病原体」とか、最近観た中では割と面白かった「コンテイジョン」とかを思いだしましたです。

今回は「線虫」とかいう寄生虫のたぐいものが犯人役で、当然ながら感染源を特定して退治するというおきまりのストーリーっす。そういう意味では「悪の教典」ような強烈なインパクトはないと思うんですが、事件解決後の小話にちょっとした趣向が凝らしてありました。

この線虫は脳に巣食う寄生虫で、感染すると最初のうちは食欲・性欲がおさかんになり気力も充実して実に幸福な状態になるものの、次の段階では自分が恐怖と感じるものに迎合していくという狂気の状態。ここで死んでしまう人も多数いて、「大型猫科肉食獣が怖いからサファリパーク行って虎の前で寝っころがる」とか「蜘蛛ぎらいだから部屋に数百匹の蜘蛛を飼育して蜘蛛を食べたり...」とか「死に対する恐怖を持っているので”死と迎合する”つまりは自殺を選んでしまう」とか5パターンぐらいで人を死なせておいて、それを乗り越えた人はエイリアン状態、つまりは全身に線虫が巣食ってしまっていて誰かが間違ってさわってくれると寄生できるのでそれを待っている状態が最終段階。

主人公の女性は末期病棟の患者をフォローする心理学の女医さんという設定。プロローグで余命数ヶ月の少年が登場すんだけど、モルヒネを限界投与されて何とか激痛を抑えているような状態。で、この女医さん安楽死肯定派なんだけどさすがにそれは許されていないんで、まあ、この線虫のせいで恋人死んだりいろいろあって、エピローグでは、この少年に線虫を寄生させて、少年はほどなく幸福な状態で死を迎えて、この女医さんも警察に向かうという場面で物語終了。人を殺す寄生虫だけども末期癌で安楽死を望むような患者には神様からの贈り物のような薬にもなりえる、あなたはどう思いますか?っていう問題提起している終わりかたかなーと感じました。

今、上海で鳥インフルエンザが発生して今回は人間にも感染して死者も出ているってテレビで言ってるし、最強の抗生物質が効かないウィルスが出現したり、古くはオウム真理教がサリン撒いて多くの人が死ぬなんていうとんでもない事件もあったり、病原菌がらみでも現代社会は「事実は小説よりも奇なり」を地でいってますよね。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿