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飼い猫の遠吠え

とにかく気持ちは前向きに寝る間を惜しんでほふく前進・・・

山岳保険考

2005-08-05 03:08:35 | 山登りのたしなみ
先日、山岳保険を更新しましたが、入ったほうがいいの?という疑問もありましたので、今回は、そのあたりについてのお話です。とは言っても専門家ではありませんので、その点は差し引いてお考え下さいませ・・・。


まずは、保険について。
大きくは、地域限定の一時的な保険、保険会社が主催する保険、山岳会が行っている共済に分けられると思います。

地域の保険は、海外旅行の際に空港で登録出来るようなものや、ツアー内だけ契約しておく保険といった、一時的な保険です。都度限定的な契約とすることで、金額も安価に必要に応じた契約が可能となっております。有名な所では上高地(アルピコ保険リース)がありますし、国内・海外トレッキングツアーでは、登録が必須となるのが通常です。

次いで、保険会社が受け持つ保険です。通常の代理店が販売している山岳保険の殆どがこの形のものです。要するに、山岳保険とはなっておりますが、通常は、山岳保険は、カテゴリーとして設けられておりませんので、ベースは傷害保険です。一般的な怪我やスポーツの保険と一緒のものになります。
自分もそんなことは、入ってから知りました・・・。

もう1つが、山岳会主催の共済になります。これは、山岳会主催ですので、登山に特化したもので、上記の傷害保険ではまかないきれないような詳細な部分まで安価にカバーさせることを目的としている保険(共済)です。


恐らく皆さんは、保険に入る理由として、100万円以上かかると噂される遭難時のヘリ・捜索隊が出動したときの費用についての心配のためというのが一番かと思っております。ご多分に漏れず、自分もその理由から検討しておりました。助けてもらう立場なのですが、やはりこの費用は痛いです。
ただ、この費用が山岳保険に入会すれば必ず支払われるわけではありません。このあたりは、通常の医療・ガン保険の検討などでは、よく言われていることですが、TPOが肝心なのです。上皮ガンが対象外、4日入院は対象外、など例外は多々御座います。

特に、同じ保険として契約する、保険会社の山岳保険ですが、安価なベースとして紹介されているのは、趣味の保障を特化させたものになります(傷害総合保障)。ゴルフや釣りやスキーや旅行などの保険と同じ部類ですね。「救援者費用」など、ある程度の保障は得られますが、内容は限定されます。

脳疾患、疾病または心神喪失 → NG
ピッケル・ザイル・登攀 → NG


一般的な山行で滑落や骨折・不慮の怪我などの救援時には有効です。但し、遭難確率が高くなる、雪山・岩登り・沢登りなどのシチュエーションはNGです。もちろん、、軽アイゼンですらNGですから、こうなると、低山もしくは夏から秋限定の保険ともいえます。加えて、病気遭難は、基本的にNGとなりますので、厳しいです。

しかし、そんなあなたに、値段は格段に上がってしまいますが、山岳登攀をサポートする保険もあります。名称も変更されまして、遭難捜索費となるのがそれにあたります。但し、会社によりますが、これにも厳密な規定が多々ありますので、ちゃんと確認した方がいいようです。しかし、これまた病気遭難(高山病など)は、基本的にNGとなります。傷害保険ですから、当然なのですが・・・。


と見ていくと、山ヤな方々にしてみれば、入りたいながらも、使い勝手の悪さが目立ってしまいます。ベースは、通常の傷害保険ですから限界はありますし、他のスポーツと比較すると、非常に危険度が高いため、保険として成り立たない可能性も出てきてしまうため、あまりに特化させていくのも厳しい状況というのは分かります。

そんな状況から、作られているのが、山岳会の共済制度です。最近露出度も増えてきてますね。山と渓谷 8月号で言えば、234ページの日本山友クラブの「レスキュー費用共済」や277ページのソフトクリーム・・・もとい「都岳連共済」などがあります。保険加入に合わせて入会が原則となりますが、「どんな山岳登攀も対象」、「病気遭難も対象」など、通常の保険ではまかないきれない部分も対応することが出来るようになっております。


自分が考えるに、怪我や病気は、医療保障や生命保険でまかなえますから、無駄な医療保障や死亡保障は不要ですが、救援・捜索・遭難費用と個人賠償、そして病気対応をどうするかで決めていってはいかがですかね? ちなみに、傷害保険については、山だけではなく、一般生活での傷害保険やスポーツなどの保障としても合わせて利用できますので、山だけのフィールドで見なければ、意外にお得かもしれませんよ。
自分ですか? 共済はベストですけど、入会ってのがちょっとねぇ・・・。

<ご参考>

山岳保険を調べると、まず最初にたどり着くのがここ。ここのQ&Aは、山岳保険の不透明な部分を分かりやすくしてくれます。
木村総合保険事務所

モンベルも行っております。
モンベル傷害総合保険受付

自分が欲しかった救援対応だけに特化した商品。
日本山友クラブのレスキュー費用共済

都岳連遭難共済。通常の山岳保険も扱っております。
都岳連遭難共済(代理店:セブンエー)

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
http://blog.goo.ne.jp/hideno0515/ (WEST)
2005-08-05 10:38:05
久しぶりです!



わざわざこんなに詳しくありがとうございます。

検討します。
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入らなきゃですね! (まるち)
2005-08-05 19:32:43
私は山岳保険に加入していないんです。

毎年夏になると、今年こそは入らなきゃ!と思うのですが…。

こちらを参考に考えてみます。
返信する
保険屋じゃないので (かいねこ)
2005-08-06 01:14:15
>WESTさん、まるちさん

素人なんでお恥ずかしい・・・。

前も書きましたけど、潤沢な資産と用心深さと若ささえあれば、一般的な山行では入る必要はない!!と思っております。滑落や重度の怪我などはさすがに厳しいですけど、雪山等の困難な環境条件で無い限り、若ければ、諦めずに下山を目指すと思うんですよ。山行スタイルと遭遇確率から考えてくださいね~。



ただ、単純なものは\4,000程度ですから、入っておいてもあまり痛くは無いと思いますので、気持ちの問題ですから、悩むのでしたら入っておくのも手かもしれませんね。



ただ、単独行、岩、沢、雪山、をベースにするなら絶対必要です。オールラウンドに入っておきましょう。
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